たりないひとり

友達がいなくて小説書き始めました。大学では創作ゼミで小説を書いておりました。宜しくお願いします!
    • 社会人小説記録
      社会人小説記録
      • 7本
    • ゼミや授業での課題
      ゼミや授業での課題
      • 12本

準備は念入りに

「あたしさ、ヤったんだよね」  朱華にそう告げられたのは、高校二年生の夏休みだった。確か終わりの方だったと思う。当時の私はインターハイや選抜で毎年成績を残してい…

気の置けない仲人

「だからね、思うのよ。恋人と賃貸マンションは一緒だって」  ドン、とビールジョッキをテーブルの上に置き、私は鈴鹿に言い放った。彼が悪いわけでは決してないのに、男…

知らぬが仏、言わぬが花

カーテンの引かれた窓ガラスを叩く微かな音が聞こえてくる。また雨が降り出したようだ。俺は小さく息を呑んだ。  落ち着いていた心拍数がゆっくりと、確実に上昇していく…

私のリョウくん

私のリョウくんは、世間的に見て影の薄い人間だ。彼と面識がある人の中で、彼の顔をちゃんと覚えている人はそれほど多くないだろう。今だって、かけている黒縁の分厚い眼鏡…

愉しみ

ラミネーターの排出口から書店配布用のポップが少しずつ顔を出す。熱で硬化したラミネートフィルムは厚さを帯び、蛍光灯をキラリと反射させた。印刷して余分なところをカッ…

ふたたび

雲一つない真っ青な空の中心で、冬の太陽がギラギラと輝いている。二月でも温かいとは聞いていたものの、これほどだとは思っていなかった。東京の肌感覚で言うと初秋。歩い…