ササダ

ビジネス誌の雑誌編集者です。最近はアイドルの振付もやってます。

午前2時の女たち

耳の中でパァン、と乾いた破裂音がした。それは普段の私とは全く無縁で、テレビドラマなんかでしか聞かないものだったが、この歌舞伎町という街によく合っていた。ぎらつい…

1年前

準備は念入りに

「あたしさ、ヤったんだよね」  朱華にそう告げられたのは、高校二年生の夏休みだった。確か終わりの方だったと思う。当時の私はインターハイや選抜で毎年成績を残してい…

1年前

気の置けない仲人

「だからね、思うのよ。恋人と賃貸マンションは一緒だって」  ドン、とビールジョッキをテーブルの上に置き、私は鈴鹿に言い放った。彼が悪いわけでは決してないのに、男…

1年前

知らぬが仏、言わぬが花

 カーテンの引かれた窓ガラスを叩く微かな音が聞こえてくる。また雨が降り出したようだ。俺は小さく息を呑んだ。  落ち着いていた心拍数がゆっくりと、確実に上昇してい…

1年前

私のリョウくん

 私のリョウくんは、世間的に見て影の薄い人間だ。彼と面識がある人の中で、彼の顔をちゃんと覚えている人はそれほど多くないだろう。今だって、かけている黒縁の分厚い眼…

2年前

愉しみ

 ラミネーターの排出口から書店配布用のポップが少しずつ顔を出す。熱で硬化したラミネートフィルムは厚さを帯び、蛍光灯をキラリと反射させた。印刷して余分なところをカ…

2年前