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預言者あらわる

最近、田んぼや畑の草刈りを行っていると、カマキリをよく見つける。

先日の朝礼でもカマキリの話が出てきたりと、何かと今週話題のカマキリ。なので、今日はカマキリのお話。前回はカミナリ(実際には稲妻だけど)、今回はカマキリ。なんか響きが似てるテーマが偶然重なった。

日本語名カマキリ。名前の響きからして、凶暴で鎌を振り回すような少し怖いイメージを抱かせる。しかし、所変われば、呼び名も抱かせるイメージも違ってくる。

僕が長年住んだドイツでは、カマキリを「Gottesanbeterin:ゴッテスアンベータリン(神を拝む人)」と呼ぶ。

カマキリが胸の前でカマを揃える姿は、手を合わせてひざまづく様子と、西洋では”祈り”をイメージさせるため、そう言われているそうだ。ちなみに、日本でもカマキリを「おがみ虫」という方言で呼ぶ地方も多いらしいが、宮城県の東北部では聞いたことがない。

ちなみに英語でも「Praying mantis(祈るカマキリ?)」。このカマキリ類の学名”mantis”の由来は、ギリシャ語の名前 "mántis" で、その意味はなんと「予言者」!まさにこのカマキリ、予知能力があると日本では言われている。

『カマキリに積雪の予知能力があり、高い所に産卵すると大雪』という伝承がある。

すでに多くの方がブログなどで記事にしていると思うけど、カマキリはその年の積雪の高さを予知し、雪で埋もれない高さに卵を産むらしい。実際には、産む高さもばらつきがあったりするらしく、現在では積雪で卵は死なないとか、この通説は否定されているけど、名前の由来も含めて、なんかこの預言者を信じたくなる。

微生物もすごいけど、虫もすごい。

前回のカミナリにしても今回のカマキリにしても、昔の人は長年の自然観察を通して情報を集め、それを生活の知恵として暮らしてたんだね。今ほど情報がいろんな場所からいつでも得られる環境が無かった時代だから当然のことなんだけど、改めてその感性と想像力に感心する。こういったことを知ると、自然の見方が変わるから好き。日々の農作業の小さな変化にも気をつけるようになるはずだし、日々の発見が増えるから。

昆虫がその年の気候を暗示するものとして、他にも「カメムシが大量発生した年の冬は寒くなる。」という伝承もある。うちのビニールハウス内に大量発生していたから、今年の石巻の冬は寒いのかな。検証してみます。

なんかこの記事を書いてて、7、8年前くらいに読んだ宮崎駿と養老孟司による「虫眼とアニ眼」が気になり出してきた。内容は、自然と人間、子供のこととかについてだった気がするけど、内容をあんまり覚えてないから、近々また読んでみようと思う。自分も歳を取ったし、その分知恵や経験、考え方も変わって、また違う読み方ができるかもしれない。

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これは全くの余談だけど、中国ではカマキリの動きを真似たという蟷螂拳(とうろうけん)という武術が現在まで伝わっているらしい(Wikipedia)。日本では、世代的に関根勤のカマキリ拳法を思い浮かべるが、その拳法の強さはいかほどだろうか。きっと、カマキリ本来が持つと言われる力、相手の行動を事前に予知し攻撃を仕掛けるのだろう。この術を身に付ければ最強だ。

僕も、カマキリ先生香川照之の衣装を着て、関根勤ばりにこのカマキリ拳法を身に付ければ、きっと未来を予測できるようになるかもしれない。と、そんな「虫のいい話」があればいいんだけど。

例えがちょっと違うか。ま、お後がよろしいようで、ということで。

ではまた〜。Bis bald.


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