見出し画像

日本とドイツの家探し

日本での家探し:Wohnungssuche in Japan

昨年の8月に日本へ移住してきてからの家探しは困難を極めた。現在の家を見つけるまで結局1年を要した。実家がまだ近く、仕事場まで車で通える距離だったのが幸いだった。

内覧した物件数は正確には覚えてないが、知人や知人のお知り合いに空き家物件情報を頂きながら、20軒以上もの物件を内覧させてもらった。希望はアパートではなく一軒家。

田舎は空き家が多いはずだから、不動産管理会社を通さなくても希望に見合った家なんてすぐ見つかると思っていた。今思うと本当に考えが甘かった。実際、賃貸物件探しの蓋を開けてみると、立地、建築素材、建物の状態、荷物整理、仏壇、持ち主の気分変りなどなど問題が集積していた。

週末はいつも決まって物件内覧巡り。そんな生活が4ヶ月。石巻市からも、実家の両親からも、そろそろ家を見つけて欲しいとのプレッシャーを痛いほど感じ、泣く泣くアパート暮らしを選択。大きな家と庭に自然。子供が大声で庭を駆け回る姿。そんな田舎暮らしをイメージして移住して来たが、まさか田舎でアパート暮らしをするとは人生なかなか思い通りには行ってはくれない。

空き家はあるのは間違いない。ただ空き家は空き家。やはり人も作物と同じ様に、家も誰かが管理、修繕していないと家にならないだって、つくづく実感。それと、やっぱり不動産屋さんに頼むって、すでにそこには住まいの安心と信頼があるってことも。

そんな理想を追い求め、長い道のりを経て、ようやく今現在は思い描いていた家に近い戸建て物件に住むことが出来ている。本当に色々とお疲れ様でした。

ドイツでの家探し:Wohnungssuche in Deutschland

所変わってドイツ。ここでは個人的な体験ではなく、ドイツでの一般的な家探し事情について。

日本同様ネットで家を探し、不動産屋さんを通して借りるのが一般的。ただ、ドイツの都市部にある物件の場合、大抵内覧日が決まっており、その日にそこを見たい人たちが一斉に来るシステム。人気地区では20人以上は普通に来るレベル。立地、間取り、家賃、好条件が揃うと50〜100人以上も内覧希望者が来る場合もある。この場合、入居希望者は必要書類提出後、抽選で選ばれる。決して早い者勝ちではなく、仕事内容や稼ぎなどで決められる。

ドイツの賃貸で面白いと思ったのが、Nachmieter:ナハミーター(後継人)、Zwitschenmieter:ツヴィッシェンミーター(期間貸し)、Untermieter:ウンターミーター(又貸し)と呼ばれる住まいを不動産屋さんや大家さんからではなく、賃貸契約者から借りるシステムだ。

Nachmieter(後継人):住居の契約期間未満で解約を申し立てる場合、部屋の契約者自らNachmieter、部屋を引き継いで借りてくれる人を探さなくてはならない。契約者側はNachmieterを見つければ違約金などは発生しないし、Nachmieter自身にとっては、不動産管理会社を介さずに部屋を借りられ、しかも仲介手数料を払わなくても済む場合が多いので好都合。また部屋の契約者が日本人の場合もあるので、その際は英語やドイツ語でのやりとりがなくて済む。

Zwischenmieter(期間貸し):部屋の契約者が仕事や旅行、留学などで部屋を留守にする間、他の人にその期間のみ部屋を貸すこと。あくまでも部屋の契約者は変わらずに、Zwischenmieterが契約者の代わりに家賃を払い、その部屋に住むことが出来る。

Untermieter(又貸し):読んで字の如しで、ドイツでは法的に又貸しが認められている。ただし、又貸しをする場合は大家さんの承認が必要となる。

こういった住まい情報は、在独日本人が運営する各都市の生活情報サイトに日本語でも載ってるため、外国語が話せない、読めない人でも、割りかし住まいを見つけやすい。どれも都市部に多いが、滞在期間に応じて部屋探しができる様になっていて、しかも家具付きで大家さんとの契約も必要ない場合が多いため、ワーホリや短期間滞在者などに最適な仕組みだ。

ちなみにドイツの賃貸物件は、借りている部屋でさえ住んでいる間は壁を塗ろうが、家具を設置するための穴を開けようが、絵を描こうが問題ない。部屋を出るときに元通りにすれば良い。その為、ドイツのホームセンターには大量の白ペンキが大容量で販売してある。

また、もしその模様替えした部屋を引っ越す時に、自分でNachmieterを探す場合になっても、そのNachmieterがそのままで良いと言えば、逆に元の部屋に戻さなくても良い。もちろん大家さんがダメと言えば元に戻さなくてはならないが。

いろんな意味で、暮らしの自由を感じる仕組みになっている。

この「自由に」という思える気持ちが、日本の賃貸にもあったら、住む楽しさも増えるし良いな〜、なんて思ったりする。

兎にも角にも、今は住める家があって幸せ!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?