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【Outer Wilds DLC: Echoes of the Eye考察】▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓の▓▓▓▓▓▓

****** 注意 ******
この記事はOuter Wilds本編、加えてOuter Wilds DLC [Echoes of the Eye] の致命的なネタバレを含みます。
ゲーム体験を損なう可能性が高いため、クリア前には絶対に読まないでください。
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本記事で引用しているスクリーンショットないしGIF動画は全てOuter Wilds本編とOuter Wilds DLC [Echoes of the Eye] のものです。

Outer Wilds 本編の骨考察はこちら
(※どちらも本編ネタバレあり。)









DLC、あまりに怖くてクリアまで4ヶ月ぐらいかかったのだが、エンディングを見てべっちょべちょに泣いてしまい、次の日に本編エンディングを見てまたべっちょべちょに泣いたりした。
でも未だに暗闇でいきなり遭遇する「彼ら」がめちゃくちゃに怖く、イースターエッグとか館の内装とかを全く見に行けていない。
こんなことでいいのだろうか?未知への恐怖は知ることで克服できる、そういうことを流れ者での探索で学んだんじゃないか?「私」は最後の意識的観察者としてこの宇宙で分かること全てを次の宇宙に託す、そういう希望を囚人やNomaiたちから願われているんじゃないのか……?

という動機で「彼ら」、つまり流れ者の住人達について推測できることを積み重ねていきたい。できればなにかカワイイ事実が導ければいいなと思う。例えば甘くて小さな果物がとっても大好きとか、なんかそういうことが………。

まずは彼らのことをよくよく観察しなければなるまい。



とりあえず捕まりに行ってみる

果てなき谷にて

捕まるのが目的で行ったのにビビりすぎて反射的に後ずさりした。
プレイ中は余裕がなかったので全く気づかなかったが、火を吹き消される時に主人公君は身体を持ち上げられていたんですね。

身長差かわいすぎ

掴みやすいのってやっぱ頭かな。

さておきこの住人の一連の動作で分かることは結構多い。

(1) 流れ者住人はヒヅメで歩く蹄行性である
走るのがとても早そうだ。恐怖緩和オプションではだいぶ舐めプをしてくれているのだろう。こんな記事を書いている以上は本気(マジ)の"""走り"""を見に行くべきなのだろうが怖いので勘弁してほしい。

(2) 暗闇で光を受けると目が光る
夜行性の地球哺乳類は輝板という光を反射する構造を目の中に持つので、暗闇でライトを当てると目が光る。この構造があることで夜のささやかな光を余さずキャッチし十分な視覚を得ることができるのだが、流れ者住人の目も類似した機構を持っていることが推測される。彼らもきっと夜行性なのだろう。夜目が効く割には主人公がかなり近づくまで気づかずぼーっとしているが、やっぱりこう、長く生きすぎて夢心地なんですかね…。もしくは舐めプしてくれている。
館に飾ってある肖像画を見るとみんな目が光っているのだが、これ、我々でいうキメ顔にあたるのだろうか。目が光っているほうが正装に近いとか。部屋を暗くしてランタンつけてポージングしてたのかな……。

(3) 異歯性の歯並び
歯の形状は食性をよく表す。例えば歯が平べったくて臼のような形をしていれば、硬い草木をすり潰して食べる草食と考えられる。
流れ者住人はというと……

鋭く尖っていて犬歯があり完全に「肉食」です。ありがとうございました。
タヌキとかブタの歯にも似ているので雑食という線も十分にあり、まあ甘くて小さな果物をしゃくしゃく食っている可能性はあるが、それにしたってこの歯は肉があったら肉食うでしょうが!例のスライドリールに映っている動物は家畜だったのだろうか。

比較対象 左: タヌキ、右: ブタ
奥歯が山のような形をしているところに注目してほしい

サイズ差からして、流れ者住人からは主人公君のことが体のいい獲物ぐらいに見えていると思うが、流れ者住人が理性的で文明的だから良かったもののもしスライド焼きバーナーを振り回す蛮族だったら初手でこんがりされて味見されていてもおかしくない。紳士的に火をフッてされるのは、例えば我々の家にめちゃくちゃでっかい虫が入ってきたとき、叩き潰すよりは穏便に外に逃したいのと同じ感情を感じる。

(4) 頬があり鋭く呼気を吐き出せる
これは歯並びと密接に関連している。歯で食物をよく噛んで食べる「咀嚼」を行うためには、噛んでいるうちに食べ物がボロボロ落ちないようにしてくれる頬が欠かせない。(一方でフクロウなどの鳥には頬がなく、嘴で獲物を裂いて丸呑みしたあと、胃の一部が変化した砂嚢という器官(いわゆる砂肝)ですり潰して腸に送る消化戦略をとる。)

ここから先は完全に思いつきなんですけど、Outer Wilds宇宙においてはこの頬の有無も結構重要な文明化の要素だった気がする。Nomaiによれば宇宙のそこかしこに植物がある(@量子知識の塔の壁を翻訳)ようで、つまり大気に酸素を含む星(=容易に物質の燃焼が起きうる星)もそれなりにあるだろう。文明が発達するためにはまず火の操作が欠かせないだろうが、そこで「頬」があると空気を操作できて火種起こしや消火にめちゃくちゃ便利なのではないか?つまり、頬があると種の文明化へのバフがかかる……
ほんとか?

スライドリールを見にいく

生きている流れ者住人は観察できたので、次は内部構造が知りたい。流れ者で見つかるスライドリールには彼らの骨格と脳構造が描かれているやつがある。最高!Hearthianも見習ってくれ(作中に一切骨が落ちていないので)。

骨格について率直な感想を言うと、実はだいぶ地球哺乳類っぽい。こちらで書いたようにNomaiもかなり地球哺乳類っぽい。流れ者住人とNomaiが別の星に起源を持つ全く別の生物群なのはほぼ確定なので、この場合、Outer Wilds宇宙の内骨格生物には地球脊椎動物によく似た収斂進化をする何らかの要因、もしくは淘汰圧があると思ったほうがよさそうだ。Nomaiを地球哺乳類から分岐した種と見なしたの、ちょっと早計だったな……(今更)。

その他にあまりはっきり分かることはないが、側頭部(こめかみ)からツノが生えているので、顎を動かすための筋肉の付着部位が地球哺乳類に比べて特殊化している気がする。もしかしたら鳥類式かも(※リンク先は解剖図なので苦手な方はご注意ください)。下顎の詳細も見たかった。

左: 流れ者住人の頭蓋、右: さっきのタヌキ。
ここでいう「顎の筋肉」はざっくり青で塗った箇所あたりの筋肉を指す。

ところで「スライドリール」という"視覚表現"そのものに着目すると結構面白い。木の炉辺太陽系と全く異なる別の恒星系(以下、流れ者恒星系と呼ぶ)で進化した流れ者住人が描いた肖像画やスライドリールを、木の炉辺太陽系で進化したHearthianが特に違和感なく見ることができるというのは、流れ者住人とHearthianの色覚はだいたい同じ範囲の光の波長帯(=色)を見ている、もしくは流れ者住人の知覚できる色の範囲の方が少し広いという事実を示している。
一方でこちらの記事の図2で示されている通り、生物の色覚は地表での太陽光の強度分布に強い影響を受ける。光の強度が強い波長帯をよく知覚できたほうが得られる情報量が多く、生存につながるからだ。(例えば逆に深海には赤の波長の光が届かないので、深海魚は赤色を見る能力がない。)
では「地表での太陽光の強度分布」はなにで決まるかというと、「恒星の物理的特性そのもの」と「宇宙からの光をフィルターしてしまう惑星大気の組成」である。
つまり、「流れ者恒星と木の炉辺太陽はそれぞれよく似た物理特性を持つ恒星」であり、「流れ者母星と木の炉辺はよく似た大気組成を持つ」という推測ができる。特に後者については流れ者内で主人公君が支障なく呼吸していることと整合的である。
このことから、「流れ者恒星もいずれ超新星爆発する」、そして「流れ者住人は木の炉辺の自然の中で生きていくことも十分できた」ということが導きえるのだが……

「無かった」話をしても詮のないことだ。


無い回




今後の展望

結局のところ、主人公君が22分でCTスキャン装置を作ってくれない限りはもう材料がないので、あとは自分がどれだけ勉強して新しい考察に気づくかどうかというところになる。
どちらにせよOuter Wilds宇宙をまだ探検しつくしたとは言えないため、これからもゾンビとしてやっていくし、また何か思いついたら書きます。


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