見出し画像

筋トレのコツ21:アイソレーション種目とコンパウンド種目の特徴

この記事では筋トレを続けていく上で重要になるコツの中でも、『アイソレーション種目』と『コンパウンド種目』の特徴についてまとめています。それぞれの特徴を理解する事で、トレーニング効率を上げましょう。


「アイソレーション種目」とは?

例えば腕の表側にある上腕二頭筋を鍛える「アームカール」、あるいは腕の裏側にある上腕三頭筋を鍛える「フレンチプレス」といったトレーニング種目では、肘の関節を軸にしてダンベルやバーベルを持ち上げます。

特にこのアームカールやフレンチプレスの場合、その動作に関わる関節は「肘関節」の一つだけで、他の関節は動作に関わっていません。

このように「動作に関わる関節が一つだけ」になるようなトレーニング種目の事を「アイソレーション種目」と言います。

尚、アームカールやフレンチプレス以外のアイソレーション種目を挙げてみると、例えばフロントレイズ、サイドレイズ、リアレイズ、バタフライ、レッグカール、レッグエクステンション、ヒップアダクション、トーレイズなどがあります。


「コンパウンド種目」とは?

例えば胸にある大胸筋や腕の裏側にある上腕三頭筋を鍛える「ベンチプレス」、あるいは肩にある三角筋や背中にある僧帽筋を鍛える「ショルダープレス」の場合、肩の関節が軸にはなっているものの、ダンベルを持ち上げて行く際には、肘の関節にも動きを伴っています。

したがって、ベンチプレスやショルダープレスを行う際、その動作に関わる関節は肩関節と肘関節の二つになります。そのように「動作に関わる関節が二つ以上」になるようなトレーニング種目の事を「コンパウンド種目」と言います。

尚、ベンチプレスやショルダープレス以外のコンパウンド種目を挙げてみると、チンニング、ラットプルダウン、プッシュアップ、レッグプレス、ワンハンドローイング、デッドリフト、スクワット、フロントランジ、バックエクステンション、クランチ・シットアップ、カーフレイズなどがあります。

ちなみにですが、立った状態で床から踵を上げ下げする「カーフレイズ」は、一見すると足首の関節しか関わっていないように見えますが、指の関節も関わっているので実はコンパウンド種目に数えられます。まぁそこまで厳密に区別する必要はないかもしれませんが(笑)

一方、いわゆる腹筋動作や背筋動作も、背中にある関節だけが動いている訳ではなく、実は股関節も一緒に動いており、コンパウンド種目に数えられます。


「アイソレーション種目」のメリット

アイソレーション種目に数えられるトレーニング種目は、例えば肩関節なら肩関節だけ、肘関節なら肘関節だけ、膝関節なら膝関節だけ・・・というように、一つの関節しか動作に関わりません。

そのため一つの関節を動かすために働く筋肉も当然少ないので、「鍛える目的の筋肉だけ」をピンポイントで意識して、トレーニングを行う事ができます。またその動作に関わる筋肉以外の筋肉には、力を入れる必要がないため、いわゆる「力み」も防ぐ事ができます。

その他、例えば前述したアームカールであれば、肘の裏側を机や脇腹などに固定した状態で行う事ができます。そうすれば、フォームが崩れにくくなり、より安定的にトレーニングができます。それによっては、トレーニング中に起こる突発的な怪我のリスクも抑える事ができます。

これらがアイソレーション種目のメリットになります。

尚、アームカールの場合、肘を伸ばし切った時や、肘を曲げ切った時には「筋肉を脱力させない事」が重要です。つまり「筋肉の収縮の仕方」については慣れが必要ですが、動作的に見れば単純に「肘関節を軸にして腕を曲げ伸ばしする」だけです。

つまりアイソレーション種目は動作が簡単な種目が多いので、筋トレ初心者の人は、まずこのアイソレーション種目から行うようにすると良いでしょう。

ただしアイソレーション種目だけでは、鍛える事が難しい筋肉(胸、腹、背中など)もあります。慣れたら、いずれはコンパウンド種目も一緒に行っていくようにしましょう。


「コンパウンド種目」のメリット

コンパウンド種目に数えられるトレーニング種目では、例えば肩関節と肘関節、股関節と膝関節、背骨の関節と股関節・・・などというように、二つ以上の関節が動作に関わっています。

つまりコンパウンド種目では、その二つ以上の関節を動かすために関わる筋肉も、当然二つ以上ある訳です。よってコンパウンド種目では「複数の筋肉を同時に鍛える事ができる」という点がまずメリットになります。

例えばプッシュアップ、すなわち「腕立て伏せ」では、肩関節と肘関節という二つの関節が動作に関わっています。これによって腕の裏側にある上腕三頭筋や、前腕にある腕撓骨筋と一緒に、胸にある大胸筋も鍛える事ができます。

一方、例えば肘を曲げていく際、前腕が床と垂直になるように維持する事で、肘の関節があまり可動しないようにする事もできます。実際にその状態でプッシュアップを行ってみると、肩の関節がメインの軸となり、胸にある大胸筋に「より効かせる」事ができます。仰向けでバーベルを上げ下げするベンチプレスでもこれは基本となります。

また両手を肩の正面について、脇を締め、肘を体の後ろへ引くようにして肘を曲げていくと、今度は肘の可動が大きくなり、腕の裏側にある上腕三頭筋に「より効かせる」事もできます。ベンチプレスの場合、手を縦にして握る事ができるバーを利用すればこれができます。

このようにコンパウンド種目では、体の使い方によって、メインとして鍛える筋肉への負荷を調節する事もできます。これもコンパウンド種目のメリットと言えます。


「コンパウンド種目」における体の使い方(その1)

コンパウンド種目の中には、動作に二つ以上の関節が関わっているにも関わらず、複数の筋肉を同時に鍛えるのには、あまり適していないというような種目もあります。

例えばショルダープレスというトレーニング種目で考えてみます。

ショルダープレスでは、手にダンベルを持ち、肘を曲げて、その肘を肩と同じ高さになるようにして横に上げておきます。そこからダンベルを天井方向へ持ち上げ、それと共に肘を伸ばしていきます。またそうして肘を伸ばしたら、徐々に肘を曲げていき、最初の肘の高さまで下ろします。そうして上げ下げを繰り返します。

一方、ショルダープレスは元々、肩にある三角筋をメインで鍛えるトレーニングなのですが、そうして肘関節を伸ばしていく時、腕の筋肉(腕の裏側にある上腕三頭筋)を使ってダンベルを持ち上げる事もできてしまいます。そうして腕の筋肉をメインで使ってしまうと、肩の三角筋へかかる負荷が減り、効率的なトレーニングになりません。

そこで、ショルダープレスでは、肩の関節をメインの軸にして動作を行う必要があります。つまり肩の筋肉を使って肩の関節を動かし、腕の骨を持ち上げた結果として、ダンベルが持ち上がり、またその結果として肘の関節が伸ばされる・・・というようにする訳です。

特に三角筋に効かせる場合、メインの軸としていない肘関節の、ちょうど上にダンベルが来るようにして、前腕の位置を調節して行うようにします。すると、前腕の骨~肘関節の上にちょうどダンベルの重さがかかり、腕の筋肉への負荷を減らす事ができます。

このようにコンパウンド種目は、種目によっては、目的の筋肉を効率良く鍛えるために、体の使い方を工夫しなければならない場合があります。


「コンパウンド種目」における体の使い方(その2)

今度は腹筋を鍛える「腹筋動作」で考えてみましょう。

いわゆる腹筋動作では、仰向けに寝た状態から起き上がる時、お腹の正面にある「腹直筋」がメインで使われます。しかし実際には、腹直筋だけがその動作に関わる訳ではなく、股関節の筋肉(大腿四頭筋など)も一緒に使われています。

特に反動を使って勢い良く起き上がろうとすると、股関節の筋肉をメインで使ってしまいます。また背中が床についている時、あるいは起き上がり切った後には、腹直筋が脱力して、腹直筋が収縮している時間自体も短くなってしまいます。

そうなれば当然、1回1回の動作における腹直筋への負荷(ストレス)は減ってしまいます。その結果、何十回と動作を繰り返している割には、効率良く腹直筋が鍛えられていないという事になってしまいます。

特に腹筋を鍛えるトレーニングが紹介される時には、例えば「やや緩やかに起き上がり、やや緩やかに戻し、脱力せずにそのまま起き上がる」というように解説される事が多いですよね。それは何故かというと、そのように短時間でなるべく効率良く腹直筋に「効かせたい」からです。

このようにコンパウンド種目では、プッシュアップならプッシュアップ、ベンチプレスならベンチプレス、ショルダープレスならショルダープレス、腹筋なら腹筋・・・というように、それぞれの種目によって、それぞれに適した体の動かし方をしなければなりません。これには慣れが必要で、初心者にとってはやや難しいかもしれません。




以上です。何かのお役に立てれば幸いです。

何となくだけど、「アイソレーション種目とコンパウンド種目」をテーマにこれだけの長文を書いているの、正直自分ぐらいなんじゃないかな・・・まぁそこまで重要なテーマではないので、「そういう考え方があるよ」程度で良いと思います。

「サポート」とはチップのようなものみたいです。頂いたチップは食品やサプリメントなどの検証に活用させていただき、後日記事にしたいと思います。