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あっさり晩酌

今宵も私は酒を飲む。
元気があっても元気がなくても、疲れていても疲れていなくても。飲むことに理由などない。あるのは、酒を飲むという事実だけ。

晩酌(ばんしゃく)とは、夕食時など、夕方から晩の時間帯に飲むのこと、または、そういった時間帯に飲酒する習慣のことである。

Wikipedia

夏の誘惑。

私を誘惑してくるのは、セクシーな水着のお姉さんではない。その日、私を誘惑してきたのは、マックの期間限定商品だった。常夏の島、ハワイをイメージした商品が、テレビ画面にどどんと写っていた。そのCMを見た息子が「マックを食べたい」と言った。私も食べたいと思った。

マクドナルドの商品のうち、たまごが入っている商品は必ず食べようと心に誓っている私。夏のたまご入りバーガーであるチーズロコモコを食べないわけにはいかない。私は早速、汗をかきながらマックへと自転車を走らせた。炎天下。デリバリーという手もあるのだろうが、私は配達というものをほとんど使ったことがない。なぜならば、配達を待っていられないからだ。自分で行ったほうが早いのでは、と思ってしまうせっかちさ。

自ら買いに行ったチーズロコモコは美味しかった。私はペリペリと包み紙をゆっくりと剥がす。隠されていた姿を明るい日差しの元に晒すバーガーは、とてもセクシーだった。とろりと零れたソースがエロい。ハンバーガーに色気を感じる変態チックな思考回路は、あまりに高い気温の中、自転車を漕いだせいだろう。そのせいか食べるつもりのなかったチキンナゲットも食べてしまった。ハンバーガーひとつとナゲットをふたつ、そしてポテトを何本か食べたところでお腹がいっぱいになった。やむを得ず息子たちにポテトを食べてもらう。歳のせいだろうか。マックのセットを全て食べきれないという現象が生じている。老化。

そんな昼ごはんを食べた日の夜ご飯は、あっさりしたものがいい。
まずはビールで乾杯をする。

と、書いてみて、乾杯をしていないことに気づく。

そういえば、自宅で飲む時は乾杯なんかしたことがない。一般的にはどうなのだろうか。誕生日の時など、意識的にみんなで揃って食事をとるときは「乾杯」からスタートするのだが、普段の食事では「乾杯」は行わない。手を合わせて「いただきます」でスタートする。とはいえ、このビールは食事前に飲んでいるので、「いただきます」も「乾杯」もなしに、ただただビールを飲んでいるだけなのだが。なんだか、せっかくのお酒が寂しい感じになってしまった。これを機に、今度は「乾杯」をしてみようと思う。

かんぱ〜い

その日、夫は早朝から釣りに出かけてあじを釣ってきてくれた。釣れたての鯵で刺身を作る。昼にカロリーをとりすぎたので、低カロリーなものを食卓に並べる。刺身こんにゃくとオクラとトマトのサラダ、それにもずく。

最近はもずくを梅干しととろろ昆布で食べるのがマイブーム。味は美味しいけれど、この食べ方は推奨できない。とろろ昆布がもずくの水分を吸って、しかもそれでもモサモサしているので、ものすごく食べにくいのだ。多分、麺つゆとかポン酢とかをかけたら美味しくなるんだろうなと思わなくもない。けれど、かけない。何か私の中のよくわからない感情が、このもずくに液体をかけることを良しとしないのだ。自分でもなんの意地なのかが、全くよくわからない。

どれもこれも、昼のマックでもたれていた胃にやさしく、あっさりとしていて美味しかった。ほぼほぼつまみだったので、ビールがよく進む。

最近、夫がポータブルの冷凍・冷蔵庫を購入した。そしてなぜかそれに缶のお酒を入れて、ダイニングテーブルの真横に置いている。手を伸ばせば、すぐそこに冷えた缶ビールがあるという、最高で最低な環境を作り出してしまった。「よくない。これはよくないよ、夫」と思いながら、私はついつい缶ビールを買い足してはダイニングテーブル横の冷凍・冷蔵庫にしまってしまう。本当によくない。

今宵も我が家の晩酌は、よく捗っている。






夏の連続投稿チャレンジにチャレンジ中。

せっかくだし補足してあった、 #今日の晩酌 で連続5記事書きます!今日は4日目!
お付き合いいただけると嬉しいです!





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