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足長太郎

最近最近、あるところにお父さんとお母さんが住んでいました。

ある日、お父さんは吾輩をペットショップへ毛を刈りに、お母さんもそれについて行きました。吾輩は先日、去勢手術というものをされ、どんぶらこっこどんぶらこっと玉が流れて行きました。

吾輩の首には何やらよからぬものが巻かれ、それを取ってもらうことができました。すると吾輩の頭の後ろの毛が、玉になっておりました。流れていった玉が後頭部に戻ってきたようではないようでした。

お父さんとお母さんは吾輩の毛を大量に刈るようにお願いしました。今度は毛でできた玉を取ろうというのです。吾輩は羊ではなくなるようでした。

吾輩はスッキリしました。モサモサと毛むくじゃらになっていた毛を刈ってもらうことができました。吾輩は羊になったつもりでしたが、まだ子犬でした。吾輩は羊ではないため、せっかく伸ばした毛を刈られても、羊毛として加工してもらうことはできないようでした。

吾輩は犬らしくなりました。

お父さんとお母さんは言いました。
「あら、あなた、そんなに足が長かったのね」と。

吾輩の足は短くはなかったのです。吾輩の家族は吾輩を短足犬だと思い込んでいたようでした。

毛を刈る前

毛で隠れていない部分だけを足だと思っていたようです。そんなわけがありません。少し考えればわかることであるはずなのに、吾輩の家族である人間たちは知恵が働かないようでした。残念なことです。

毛を刈った後

吾輩はこれからは足長太郎として生きていくようです。
大したオチも思いつかないまま書き始めたお母さんの駄文を、吾輩の顔面で許していただけると幸いです。

きゅるん♡




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