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うつむいた先の手には、小枝。

「何しよーと?」

うつむいた息子の手には、必ず小枝があって。
その小枝で地面にお絵かきをしていた。

私も一緒になって、その小枝で絵を描いて。

さらさらとした黄土色の土を、小さな小石を、掻き分けるように、小枝は進む。

我が名はモーセ。
振り下ろした小枝が、公園の土を割ってゆく。
息子の喜ぶ顔が見たくて、右に左にと小枝はゆく。

アンパンマンにバイキンマン。
なぜかカレーパンマンは上手に描けなくて。

波打った口が存外に違っていて。
あれれ、となって、消しては描く。

そのうちに、お絵描きに飽きると、今度は大きな丸を描く。

ひとーつ。
ふたーつ。

次は、丸をふたつ並べて。

次はいっこ。
また、いっこ。

小枝をポイと放り投げ

立ち上がったら、けんけんぱ。




もう息子たちと公園で一緒に遊ぶってこともないのかなと思うと、急に寂しくなってきた。

小さいお子さんをお持ちのみなさま、ほとほと面倒くさいと思いますが、あの小さな手を引けるのは一瞬...ですかね?

まあ、寂しい半面、成長が嬉しい気持ちもあって。
いつまでたっても小さいまんまじゃ困るし、大変だし。

ただ、あのすっぽり収まるふわふわのお手手は懐かしい。



サムネの写真は小枝持ってなさそう。
ちょーどいい写真がなかった。

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