#ファンタジー小説部門
プレジャー・ランドへようこそ_最終話
↓ 第3話
14
「だいじょ〜ぶですか〜? ここ結構、落下する人がいるんですよね〜」
ノキアは横に立った声の主の顔を確認する。ノキアは入り口の時にいたピエロの女の子だと気づく。
「大丈夫です」
ノキアはカートに乗ったままピエロの女の子の質問に答える。ピエロの女の子が笑いながら手を差し述べた。ノキアは差し出された手を取る。
「ありがとうございます」
ノキアがお礼を言うと、ピエロの女の子はニ
プレジャー・ランドへようこそ_第3話
↓ 第2話
10
11月12日(日)朝7時
「ノキア、体調はどうなの?」
朝食を食べているノキアに恵美が尋ねた。
「今日はだいぶいい」
ノキアはぶっきらぼうに答える。通常運転の反抗期バージョンだ。
昨日、プレジャー・ランドのお菓子をもらう時には、割といい感じの娘を演じることができたと思うが、そう長くは続かない。やっぱり母親を前にすると、ノキアはイライラしてしまう。ただ心配して声をかけて
プレジャー・ランドへようこそ_第2話
↓ 第1話
5
11月11日(土)12時。
気分が悪い。悪夢を見たせいだ。
ノキアはテーブルについて、大きくため息をついた。
今日もノキアは部活に行く気にはならず、朝食を食べた後、再びベッドに転がってうたた寝をしてしまっていた。朝食を食べながら見ていたローカル番組のプレジャー・ランド特集のせいだろうか。夢の中のノキアは、行ったこともないプレジャー・ランド内にいた。
薄暗い遊園地の中にピノ
プレジャー・ランドへようこそ_第1話
プロローグ
1
「うたた寝でも悪夢かよ」
ノキアは小さく独りごちて、舌打ちをした。
同じような家が建ち並ぶ住宅街の中に、山中ノキアの家はある。中学二年生のノキアは、生理痛を理由に部活をサボって早めに家に帰ってきていた。時刻は夕方の6時半。腹痛はすでに回復していたものの、なんのやる気も起きず、ノキアは制服の白いシャツとジャケットそしてスラックスを着たまま、ベットの上に横たわっていた。窓から