ロールモデルは必要か?哲学(島田紳助×松本人志)を読んで

住んでいる自治体のリサイクルプラザに置いてあった「哲学(島田紳助×松本人志)」という本。むかし読んだことがあったが、つい懐かしくなり、頂いてきて、あまりの面白さに一気読みしてしまった。

互いを認め合う稀代の天才芸人のおふたりであるが、紳助さんはかつてB&Bの島田洋七さんに憧れ、松本さんは紳助さんに憧れてお笑いの世界に入った。

意外だったのが、ふたりとも憧れだけでなく、漫才のシステムをマネしたり、コピーバンドだったと語っていたことだ。漫才は独創的な世界かとおもいきや武道や茶道における守・破・離を思わせるものがあった。もちろん、その後ふたりは自身のスタイルを確立させていく。

もうひとつの美学は、紳助さんはダウンタウンの実力を評価し、たたえ、時代の終わりを感じ舞台から降りた。まさに引き際の美学である。

人生哲学についても友達・結婚・お金・日本・生き方などのテーマで語っており、本質を突いた発言をしている。15年以上も前の本なのに、松本さんはミニマリストのような発言をしているし、紳助さんはお金を持つことを心の安心感と言っている。特に日本についての考察はかなり鋭いモノがある。

さて、僕はいままでロールモデルとなる人はいただろうか?サラリーマンはロールモデルを見つけるのが難しい職業と常々感じている。サラリーマン生活は、生活のために働いている人が多数だから、特定の人物に最大限魅力を感じるのは難しい。しかしながら、決断が的確で速い人、お金の使い方がキレイな人、遊び心がある人、などに魅力を感じてきた。著名人では、糸井重里さん、安西水丸さん、ウォーレン・バフェット氏などに魅力を感じる。

何かで頂点を極める必要はないかもしれないが、なりたい自分を誰かに投影することで、そこに近づくことも大いにあると感じた素晴らしい対談本でした。

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