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こどもの予防接種、海外で打つ場合

こんにちは!サルタックの真衣です。インフルエンザのシーズンですが、インフルエンザの予防接種は既に済ませたという方も多いでしょうか。特に、子どもの予防接種スケジュールの組み立てには、新型コロナウイルスのワクチン接種も追加され、いつも以上に神経を使っている...という方も多いのではないでしょうか。

我が家の子どもたちの場合、ほとんどの定期接種項目は終えているものの、日本・イギリス・香港を移動する中で、いくつか未接種となっているものがありました。前回の記事でも紹介した新型コロナウイルスのワクチン接種に気をとられて、やや遅れをとってしまったのですが、未接種ワクチン(DPT-IPV:4種混合やB型肝炎の追加接種)を打ちに行きました。予想以上にシステム化された対応で安堵した一方で、日本以外の国のワクチン接種の対応ってどうなっているのかなと、改めて考えました。

そこで、これまで全然理解できていなかったワクチン接種の各国の取り組みについて、少しばかり確認したので以下にまとめてみます。ご参考になれば幸いです!

1. 各国の予防接種スケジュール

その国で提供されている予防接種については、もちろん、それぞれの国の担当省庁のホームページなどで確認するのが確実だとは思いますが、それぞれのワクチンに対する各国の対応を一覧/比較したい場合、WHO(世界保健機関)のホームページにあるImmunization dataは分かりやすいと思います。各ワクチンの接種タイミングだけでなく、ワクチン接種率や発症率なども調べることができます。
ちなみに、香港も「China, Hong Kong SAR」としてこのデータベースで調べることができますし、アフリカや東南アジアなど地域別のデータも載っています。

一方で、国ごとのスケジュール一覧表を見たい場合は、公益財団法人日本小児科医会のサイトに欧米、アジア、南米、アフリカなどの57か国分の一覧表が掲載されています。日本語で、注意事項も添えられているので便利ですが、2016年度時点の情報となっていますので、ご注意ください。

例えば、国をまたいで引越しすることになった場合に、未接種のワクチンについて、引越し先の国の予防接種スケジュールを上記のサイトなどでさっと見てみると、少し安心できるかもしれません。
 

2.  学校での予防接種の実施状況

こちらも、WHOのサイトが分かりやすいです。保育園・幼稚園・小学校・中学校それぞれにおいて「入学時や在学時に予防接種状況を確認するか」、また「学校で予防接種が行われるか」について、各国・地域の状況を確認することができます。

香港では、政府が推奨するワクチンの予防接種は、就学年齢以降にスケジュールされているものは学校で行われるため、我が家の場合、学校の定期接種時に漏れてしまっていたワクチンがあることに気づきました。また、学校での一斉接種では、生まれ月の関係から対象年齢に達していなかったために、みんなと一緒に打てなかったことがありました。このような場合は、衛生局の保健センターに連絡することになります。新型コロナウイルスのワクチン接種の予約を行うためにやや苦労した経験があったので、スムーズに予約できるか不安でしたが、学校でワクチン接種状況を確認したレターがあれば、学校コードと生年月日でしっかり記録が管理されていて、スムーズに予約することができました。
学校で予防接種を実施してもらえると、打ち忘れを防げる上に、子どもも病院に行かずに済むし、友達と一緒に打てて心強いし、親も時には有給休暇をとって病院等に連れて行かずに済むし、とても有り難いと思いました。
 

3. 注意したい予防接種

子どもの予防接種として特徴的なのはBCG(結核予防)のハンコ注射だと思いますが、この菅針を使った経皮接種法は日本独特の手法で、多くの国では注射器を使った皮内接種法がとられているそうです。子どもたちも香港の学校で予防接種をしたときに、腕に残るハンコ注射の痕がやや注目を集めたそうです。

注射の痕が特徴的、ということもさることながら、注意したいのはそのタイミングで、日本の場合はBCGは「生後5ヵ月~8ヵ月の期間に1回の接種」となっていますが、注射器を使う場合は生後すぐに打つことが多いようです。このため、日本で生まれて生後5か月になる前に海外に住み始めると、BCGは生まれた時に終わっているはず…と、漏れてしまう場合も想定されますので、スケジュール上、注意が必要になりそうです。

なお、ある程度のワクチンを日本で摂取してから国外に引越した場合に、予防接種の記録が母子手帳にまとまっているのはとても有り難いと思いました。更にはワクチンの英語名も併記されていて助かる一方、肝心のワクチン接種の日付に和暦が混じっているのには手間取りました。小児科など対応している医療機関次第なので統一するのは難しいのかなとは思いますが、ワクチンの接種日表記は西暦に統一!というルールができれば助かる人も多いのではないでしょうか。

おわりに

以上、ざっくりとですが、調べる手掛かりになりそうなものを紹介しました。
生後間もなく始まる怒涛の予防接種ですが、そもそもその国でワクチンが打てるかどうか、という根本的な問題を抱えている国も少なくなく、そのための国際的な支援も大切だなと改めて感じます。

ちなみに、WHOによると、ネパールは学校での予防接種の実施はなし、BCGは生後すぐのパターンのようです。サルタックは、質の高い教育をテーマに読書活動や学習センターでの活動を展開しておりますが、予防接種などの保健衛生分野で活躍するような組織とも、いつか協力し合えたらいいなと思いました。


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