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小3女子が泣きながら学校から帰ってきた話

うちの小学校では放課後、16:30まで運動場を開放している。
退屈な授業から解放された伸び盛りの児童たちは、
ドッチボールや追いかけっこ、探検ごっこなどに興じている。
そして季節関係なく汗だくになり高揚した顔で帰ってくる。

そんなある日。予定より30分早く帰ってきた小3長女。

どうしたん?と声をかけると、途端に涙が溢れた。

「Aちゃんからお腹にパンチされて、髪型を笑われて、睨まれて、ハミゴにされた」

はい?

確かに切り立てだったボブヘアを
「ちびまる子ちゃんみたいって言われそう」と口を尖らせながら
学校に行ったな、今朝。

お腹にパンチ?

挨拶がわりの肩パン?男子的なノリで?・・・Aちゃんは女の子よね・・・

睨まれた?

「前からなんか睨んだりしてきてた、私のこと嫌いなんかもしれん」

いい意味で、頭ん中お花畑ちゃんキャラな長女から初めて出た言葉。
人を嫌うことも、嫌ったこともほどんどない彼女。
(ちょっと苦手らしい男子はいるけどw)
言い方を変えると、そこまで人に興味がないというか、
わざわざ人を選別することなど無意味だ、とわかっている、風w

:子供同士のイザコザはこれからもっと本格化する。
:子供同士で解決してコミュニケーション力をつけて欲しい。
:クラスカーストなんてどこ吹く風?の我が道を歩んで欲しい。

私はそんな思考回路でいた。

長女にどうしたいか、聞いてみた。この問題を、どう処理したいか。

「明日学校で先生に言う。そしてみんなで話し合う」

まじか・・・!
そんなことして、双方にわだかまり起きない?
あの子なんかあったらすぐ先生に言うし、
ちょっとしたことを大袈裟にするし面倒だから、
一緒に遊ばんでおこう、とか言われない?!
それが怖いとか思わない?
ていうかAちゃんにそんなつもりなかったかもしれんやん?

私は正直そう思ったし、長女にもよく考える様に諭してみたけれど・・・

「前から睨まれてた、もう我慢ならん。
ちゃんと問題にする。その方がお互いのためやと思う。」

強い、のか、それとも頭ん中お花畑な発言なのか。
わからない・・・。
信頼できるママ友にも相談したら皆、即学校へ報告や!と息巻いている。

担任は50近い子育てパイセンママ先生。
経験値は高い、だが・・・何せ、ついこないだ4月からのお付き合いで。
ため息つきつつ、事実だけを報告しようと努めて言葉を選んで電話で報告。
担任も問題視してくれて、時間を取るとのこと。

翌朝の長女は、やはり浮かない顔をしていた。
自ら直接対決を選んだのに、緊張が隠せていない。

問題の本質は何か。
今回の事で本当に解決したいことは何か。
言葉を選んで気持ちを整理させたら、
長女の顔がみるみるスッキリしてきた。
覚悟が決まったような、晴れやかな顔になった。

いいもん見たw

夕方担任から報告があり、
事実確認・謝罪・誤解の説明などを子供たちに指導し、保護者にも連絡。

Aちゃんのママからも電話がきて平謝りされた。
事の発端である、Aちゃんが、なぜ、パンチをしたのか。睨んだのか。
「そんなつもりはなかった」と言っているらしい。

んなわけないw 

確実に、長女のことが嫌いなのだ。
嫌い、まではいかないかもしれないが、苦手とかね。
別に嫌うのも苦手なのも、悪いことではない。
ただ手は出したらダメ。睨むのもダメ。ただそれだけなのだ。

担任も同じ考えだった。
「今回の話の落とし所として、好き嫌いじゃなく、手を出す・睨むはダメと指導しております」とのことだった。

嫌いな子に、嫌いとは言えない。
苦手な子に、苦手とも言えない。
じゃあどうやってお互い気持ちよく過ごすか。

まだまだこれから先、長い長い本戦が今、始まったと実感した話でした。






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