ネガティブな感情を抱くのも当たり前
どうしようもなく気分が落ち込んだ時、特に人に対して嫌な感情を抱いてしまった時やそんな自分が嫌になった時に必ず私はこの曲に戻ってくる。
ゆず「夕立ち」
この曲は岩沢厚治さん作詞作曲で、一度聴いただけでは意味をすぐに理解できない岩沢さんワールド満載だと私は思っている。
何度も何度も繰り返し聴いて感じ取る。
聴く度に響く歌詞が変わるのもおもしろい。
「私は今、こんなことが気になってるのね」と自分自身の気持ちに気づかせてくれる。
冒頭に書いたように、人に対して嫌な感情を抱いてしまった時に私が必ずこの曲を聴くのは、この歌詞があるからだ。
中学生の頃に覚えた 人を本気で憎むという事
それなりに歳は重ねてきたが 今だに心の中に根付く
人に優しくできることや人に怒らないことが「大人」「良い人」と言われる。
けれど、どんなに大人と呼ばれる年齢になっても、どんなに良い人になろうとしても、人を憎むことを含め怒りなどのネガティブな感情を抱くことはある。
これは当たり前のことだ。
そう言ってもらえているように感じるのだ。
私がこの歌詞に初めて救われたのは、7〜8年前のこと。
当時、職場の理不尽な上司と理不尽な客の間に挟まれて、結構なストレスを抱えていた。
上司の指示通りに動いたら客に怒られ、そのことを上司に伝えると「俺はそんなこと言ってない」と怒られ…
この状況が日常茶飯事だった。
部署はその上司と先輩と私の3人だけだった。
先輩には話を聞いてもらえたけど、上司の独裁政権を打ち破れるほどの力は私たちに無く、会社の中でも特殊な部署だったので、他の部署の人に相談もできなかった。
怒られる度に「このクソジジイ！」「どうにかこいつを追い出したい！」と憎々しく思っていたが、すぐに「こんなこと思ってはいけない」と思い直していた。
「モテる人はイライラしない」「モテる人は他人の悪口を言わない」などといった婚活マニュアルに書かれていた言葉が頭によぎったからだ。
当時の私は婚活をしていて、「マニュアル通りの人間にならなければ結婚できない」と思っていた。
でも、マニュアルにはどうしたらイライラしないのか書かれてなかったし、書かれていたとしても「気にしないようにしましょう」とか「ポジティブに考えましょう」といった具体性に欠けるものだった。
イライラしない方法も気にしないでいる方法もポジティブに考える方法も分からなかった私が選んだのは、とにかく自分の気持ちを押さえつけることだった。
イライラしちゃダメ
クソジジイなんて言っちゃダメ
そう自分に言い聞かせて、「良い人」になろうとしていた。
そんなことを続けていると、体に不調が現れ出した。
蕁麻疹、胃腸炎の頻発、最終的には会社で過呼吸になって倒れた。
会社を早退した帰りの電車の中、イヤフォンを耳に差し、iPod touchのシャッフル再生ボタンをタップした。
頭がぼーっとしていたので、数曲は何も入ってこなかった。
しかし、「夕立ち」が流れると、一つひとつの言葉がはっきりと聞こえた。
そして、この歌詞が来た。
中学生の頃に覚えた 人を本気で憎むという事
それなりに歳は重ねてきたが 今だに心の中に根付く
そっか。岩沢さんもまだ人を本気で憎むことがあるのか。どんなに歳を取っても変わらないのか。それなら、私が抱えている上司への憎しみも許されるはずだ。
そう思えて、少し心が軽くなった。
だからと言って、その後「良い人」になろうとするのをやめられたわけではない。
恋愛や結婚に興味がないことに気づいた今も「良い人にならなきゃ」という思いから抜け出せていないし、イライラや憎しみを押さえつけることも多いけど、そんな時は必ず「夕立ち」を聴く。
大丈夫。これが当たり前。
イライラするのも人を憎むのも人間らしい。
こう心を落ち着かせられる場所(曲)があるだけで、とても心強い。
今は、ネガティブな感情を相手にぶつけたり相手に害を与えるようなことをしなければ、心の中で何を思ってもいいと考えられるようにもなった。
イライラや憎しみだって深掘りすると、自分の本当の気持ちが見えてくる。
例えば私と上司との話で考えると、「もっと落ち着いて話し合いたい」、「もっと良い環境で働きたい」という願いが隠れていた。
ネガティブな感情だって大切な感情なのだから、押さえつける必要はない。
たしかに、イライラしないようにすることやポジティブに考えることも大切だ。けれどそれは、ネガティブな感情を消化した後にできることだと思う。
ネガティブな感情を抱くことを自分に許すことから始める。
「夕立ち」はそのきっかけをくれる曲だ。
あなたが救われた曲はありますか？
公式LINEに教えてもらえると嬉しいです。
曲名だけでも、曲への熱い思いを込めていただいても大歓迎です！
無理矢理ポジティブになる必要はない。
じっくり自分と向き合って、昨日より今日の自分を好きになる。
自分自身も挑戦しているライフコーチです。
発信の感想や体験セッションのお問い合わせなど公式LINEに頂けると嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？