Sequel to the Fairy Tale
わすれられたまちのわすれられたおんなのこのねがいがかなわなかったのには、理由がありました。
おんなのこはほんとうは、そこにいてはいけなかったのです。いいえ。そこだけではありません。ほんとうは世界中のどこにも、おんなのこがいていい場所なんて、のこってはいなかったのです。
おわりは、ある日だれかがわすれられたまちのことをおもいだした日におとずれました。
王子様はわすれられたまちにやってきただれかさんと取引をしました。
おんなのこをわすれられたまちにとじこめたままにしておくこと。
わすれられたまちへの入り口がだれにもわからなくなるように、王子様はすべてをわすれてしまうこと。
そして王子様は、誰かのための兵隊になること。
その代わりに、だれも女の子を傷つけないこと。
王子様と誰かさんは、そう約束を交わしたのです。
そしてふたりの暮らしていたまちは、ひとりきりのための牢獄になったのでした。
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