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自信の無い日々でもさ、

思いも拠らない時に、なにか私の心が、息を吹き返すようなことに出会う。

週5で5時起きして、小一時間運転して、7時から14時くらいまででっち奉公というか、パン作り修行して、夜17時からファミレストとか、居酒屋でバイトする日々が続いている。
ほら、妹2人のスマホ代と、カノジョとのデート代くらいは、持ってなきゃいけないからね。

当然無給の修行は、毎日出来ないこと続きで、「また明日も頑張らねば」と、「でも今日もよくやったよ」と、手繰り寄せるように自信の無い日々を送っている。パン生地とは少し仲良くなってきたけどね。

そうだな今は丁度、「台風12号が異例の進路」でこちらへ向かってきていて、明日には猛烈な豪雨が直撃するらしい、なんて言う時だ。

「四苦八苦のパン作り修行へ、明日も行くのだ。」なんていう気持ちでさ、今、7月最後の金曜日私は、居酒屋でバイトしている。「滅入っちゃうよ。」

そういう時、師匠から「明日、どうする?」って、メッセージが届く。
22時を回った頃だったかな、バイトの合間を縫ってさ、返信する。

気持ちは、一刻も早く上手くなりたいから修行は休みたくないし、けど、台風にぶつかって迷惑かけたり、心配されたりも嫌だなって、どっちつかずふわふわうろうろする、自信の無い心。

そういう心を、師匠の「帰り雨かもだし、頑張ってるから大丈夫だよ。」
っていう一言が、私の心を、救う。

少し焦ったような気持ちで、毎朝パン修行して、大して使う暇も無いのにバイト代を稼いで、気を抜くとさ、「今ぼく、何やっているんだろ。」なんて思っちゃうんだよね。
ほらだって、個人経営のパン屋さんにでっち奉公させてもらって、一人前ならまだしも、ろくすっぽアンパンだって上手く作れなくって、失敗すればするだけコストとして迷惑になるわけでしょ。

パンなんてのは100円200円をたくさん売って、家族を養うわけ。

そこへ、「修行させてくれやい」なんていう私が、入り込む余地なんてのは、本当はないはずなんだよね。

でも、「いいよ」って言ってくれたから、一刻も早く、上手くなって、なにか返さないといけない、けど、やっぱなんだか上手くいかなくって、パン生地と仲良くなれないや。

「あぁ、参っちゃったなぁ。」

で、来る台風だよ。
正直、毎朝、毎回帰るとき本当に眠たくって、台風的な雨の中ウトウト小一時間運転なんて嫌だけど、そういうのを乗り越えて、日も早く、いいパンを作りたいからさ、やっぱ。

だから、響いたね、師匠に「頑張っているから、休んで大丈夫だよ。」って言われたのはさ。

あぁ、たまになら、台風も悪くないんじゃないかなんて思ったね、これには。

もちろん、立ちっぱなしのパン作りの後に、これまた立ちっぱなしのバイトで、くたびれて無いなんてなんていうウソを言う気にはなれないけど、
なんだろうね、心が晴れたような気がしたね。

パン作りの自信は、やっぱり少しも無いけど、
進むべき方向は、間違っていないんだなって思ったね。

「今ぼくは、何をやっているんだろう。」なんて、思わなくって良いんだなって、「ぼくは今、ここで生きてる」ていう、実感にすらなったね。

自信の無い日々でもさ、「頑張っているから、休んで大丈夫だよ。」

なんてステキな言葉でしょうか。

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