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やきもの旅:小代焼窯元めぐりの拠点「ホステル HIKE」

 2023年7月。会社員をしながら小さく器屋を始めようと思い、やきものの作り手を訪ねる旅をしました。行き先は熊本と鹿児島、日程は4日間です。 

 今回の記事は、小代焼の窯元訪問の際に泊まった「ホステル HIKE(ハイク)」、熊本県玉名市にある宿についての記録です。


ところで、ホステルとは?

 ホステルとは、厳密な定義はわかりませんが、二段ベッドの相部屋(ドミトリー)方式の宿で、共用のキッチンやリビングなども用意されており、自然と旅行者同士のコミュニケーションが盛んになる特徴があるようです。HIKEはこの方式に該当します。
 これに対してホテルは個室となり、プライバシーやセキュリティが保たれやすい特徴があります。

館内併設の手仕事ショップ「タシュロン」

ホステルに併設の手仕事の店「タシュロン」一角、小代焼ふもと窯さんの器コーナー

 ホステルの入口を入ると、地元の作り手による器や手仕事の生活道具の販売コーナーになっています。熊本の伝統工芸品である小代焼をはじめ、来民うちわ、竹の箸、郷土玩具などが並び、手仕事好きらにはたまらない空間です。小代焼は、3~4窯元の作品を一度に見る事ができるため、窯元めぐりの予習にも有益です。

小代焼の各窯元については、こちら ↓↓↓

一つ一つ異なる表情を持つ猿は、縁起物、災難除けとして
長く愛されてきた郷土玩具「木葉猿」

屋号「HIKE」の由来

 因みに、店名「タシュロン」とは、北アフリカの先住民の言葉で「職人」を意味するそうです。宿のご夫婦の、風土と手仕事への思いが込められています。

 そして、宿名「HIKE」は、ハイキングのハイク。ご夫婦とも山歩きが好きで、山では見知らぬ人同士が挨拶を交わしたり情報を交換したりすることから、人の集いと郷土文化の発信の場を作りたかったのだそうです。

 お店も宿も、ご夫婦の思いが形となって表現されていて素敵でした。

 私も、自分で店を始めようと思い立ってから、店の名はどうしようか?誰に何を届けたいのか?と考えています。しばらくは走りながら考えていこうとう思います。

購入したうつわの紹介(随時、追加します)

 以下に、購入した食器の記録を追加してゆきます。

建物リノベーション前の用途は?

客室フロアの廊下

 ホステル「HIKE」は、再生プロジェクトにより生まれ変わった建物です。宿泊施設に変身する前の用途は、整形外科だったそうです。

なるほど。

 客室の入口のスライドドアに、その名残をみつけました。扉をスライドさせる時の、ふわ~っと軽い開閉感。これって、どこかで覚えがあるのですが、そう、病院の診察室です。

 立地を活かした建物再生の成功事例としても、興味深いお宿です。

屋上へ向かう階段の窓から、かつて米俵を運ぶ港町として栄えた運河が見えます。

 

小代焼の珈琲カップで頂く朝ごはん

 地元の生産者の食材を使った朝ごはん。コーヒーカップは小代焼です。

地元の生産者の食材を使ったホステルHIKEの朝ごはん

 丁寧に淹れてくださった珈琲は薫り高く、フェンネルとクリームチーズのキッシュや、ほろ苦い晩柑(ばんかん)の自家製ジャムも美味しかったです。

空間の居心地について

食堂から玄関側をみる

 大きな窓から土手の緑が見える食堂は、開放的で視覚的にも気持ちが良いのですが、BGMの音質の良さも私には印象的でした。

 どんなスピーカーを置いたら、こんな音になるんだろう?とお尋ねしたところ、

食堂のスピーカーを発見

「特別なものではなく、Amazonで数千円位のものを2か所置いただけですよ」とのこと。

 では、この響きの良さはどこから来るの?・・・内装材?と、高い天井を見渡しつつ耳を澄ますと、人の会話の声にもほんのりとエコーがかかっています。

 コンクリートと木という素材による偶然の音響なのか、意図した設計なのかわかりませんが、音響という聴覚から入る要素も、空間の広がりや居心地良さの感じ方に作用するという発見でした。

 将来、自分のお店を構える時には、空間の音響にも配慮したいと思いました。 

ホステル「HIKE」周辺の高瀬地区は、江戸時代には米俵を運ぶ港町として栄えたそうです。繁栄の名残をとどめる眼鏡橋は風情があります。


ホステルHIKEさん、お世話になりました♡



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