見出し画像

母の洗髪

骨折してから、幸い周りにさほど迷惑をかけず(たぶん・・)、仕事も一日も休まずに行っています。

ただ、心配したのは【母の洗髪】を片腕でできるかどうか。

何でもすぐに忘れてしまう母ですが、晩ご飯を食べた後のお盆を見ると、もう寝るかお風呂に入る時間だとわかるので、必ずパジャマに着替えます。

そしてすぐにお風呂に向かう日もあれば、そのまま寝てしまう日も。

寝てしまった時には「お風呂ですよ。」と起こしますが、「昨日入ったから入らない。」と言い張ります。
いやいや、入っていませんから。

ここで「昨日は入ってないよ。」と言っても不毛な会話になるので、敢えて無視して布団をはぎ、「はいはい、お風呂ですよ。」と促します。

母が認知症と診断された頃、私は母とあまりいい親子関係ではなかったので、あれこれやってあげることにとても抵抗がありました。

薬の管理でさえ嫌だったのに、まして入浴介助など・・・

幸い、促せばお風呂には入って自分で体を洗っています。

それでも何となく、認知症の母親を一人で入浴させている・・・という罪悪感が私にはありました。

そこで、せめてもの罪滅ぼし(自己満足?)のために、シャンプーをしてあげることにしたのです。

あれから2年。
母はお風呂に入ると体を洗い、そして私が「髪、洗いますよ~。」と入っていくのを待っています。
忘れ方がひどい日には、洗った後になかなか出てこないので声をかけると「髪洗ってもらうかと思って待ってた~!」

そして先週、私が腕を骨折。

片腕でできるかなぁ、と前回記事に書きました。
すると、フォローさせて頂いているうりもさんのコメントでハッと気づかされました。

手伝うことができないことで、母自身の力を引き出す・・・というもの。

「そうだった。母は自分で洗髪できない訳ではなかったんだ!」と今更ながら思い出したのです。
うりもさん、さすがです!!

母は自分で洗髪できました。
ただシャンプーがどれだかわからなくなったり、一度洗ったのにまた洗おうとするので、見守りは必要でしたが。

そして私のギプス姿を見慣れてきた母は「まだ痛むのか?」と聞いてきたり、私を労わるような言動もちらほら。

母は認知症になって、もう何もできなくなっていく・・と思い込んでいましたが、全部が全部そうではないと気づかされた、今回の骨折です。

まだまだ全治は遠い先なのですが。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?