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故人さんを送るご家族にうるうる・・・50代の納棺修行

セカンドキャリアへ向けての「納棺師」修行、まだ続いています。
前回も書きましたが、父の葬儀で納棺の仕事に感動して・・・というのが動機です。
しかし、(当然のことながら)お客さんの立場で眺めているのと、スタッフとして立ち回るのでは大違い。修行の身(実習中)は、機材を運ぶ、手順を覚える、細かいことはまた後で、の日々です。悪戦苦闘中の2ヵ月目。
 
場数の少ない修行中の身だけに、もらい泣きしてしまうこともしばしば。
いろいろな故人さん、故人さんを囲むご家族がいらっしゃいます。
ただ思うのは、家族をつくるって大切だな、と。
 
ほぼほぼお歳を召したおじいちゃん、おばあちゃんの納棺をするにあたり、子どもや孫が立ち会って、棺に入れる品々の思い出話をされるときなど、「いい人生を送られたんだなぁ」と手が止まります(止まっちゃダメ!)。棺の蓋を閉める前には、順番に手を触って。
 
私の弟は10年前のいさかいから父の葬儀に来ることはありませんでした。認知症となり、そのいさかいすら分からなくなった父ですが、最後の病院へ転院したときに家族構成を尋ねられ、「息子は遠くにいる」と答えてたっけ。息子と娘の存在は分かっていたのです。
 
お見舞いを拒んでも、葬儀には・・・と思いましたが、弟は断固拒否。納棺時は母と私が立ち会いました。家族だけで見守る最後の時間に家族が揃わなかったことは、今、納棺の仕事に携わるようになってから、更なる後悔となっています。父も悪い。仲を取り持てなかった私も悪い。弟は・・・亡くなったらノーサイドだろ!バカ息子!!
 
新しい家族が増えることはもう無い50代。夫や娘、母、義父、義母、縁あって家族になった人たちを大事にせねば、と思います(よく忘れる)。そんなことを改めて知らしめてくれたのが父かも知れません。きれいな顔をして棺に入る父を見なければ、この仕事をしようと思っていなかったし。
 
納棺師を目指して修行はまだまだ続く予定(あくまで予定)です。


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