見出し画像

いつものコンビで美味しさ倍増 | スリランカカレーの特徴#3

東洋のバニラの称号も

カレーリーフ(カラピンチャ)とセットで使われるパンダンリーフ。
スリランカ では「ランペ」と呼びます。
カラピンチャの頼もしき相棒。切っても切れない関係なのです。

光沢のある刀のような形の葉っぱが特徴。
熱帯の湿度の高い地域ではぐんぐん育ち、葉はいつでも収穫できます。

カレーづくりにはこの葉の部分を利用しますが、肉厚で食べにくいためあくまで風味づけに。甘い香りを放ち、その芳香は「東洋のバニラ」とも例えられるほど。
はじめに油で炒めるとこの甘い香りがすぐさま漂い、あら不思議。日本にいても、スリランカの台所に早変わり。

画像3

上の写真のように、小さめに刻んでカレーや炒めものに使うのもいいですが、長さを生かしてワラン(土鍋)に敷き詰め、調理することもあります(写真下)

例えば、スリランカで「アンブルティヤル」と呼ばれる魚の煮物。
ゴラカと呼ばれる、木の実を乾燥・薫製したスパイスを使った酸味のある佃煮のような食べ物で、カレーの副菜にも、おつまみにもなかなかよろしい。この一品を作る時にもランペが大活躍します。ワランに敷き詰めたランペの香りが魚に移り、格段に美味しくなります。

画像1

カレーだけじゃありません

ランペは所変わって、東南アジアでもお馴染みの食材。
タイ料理やマレーシア料理には頻繁に登場します。
ご飯を炊く時に香りづけに入れたり、鶏肉を包んで調理したり。
なかでも本領を発揮するのは、なんとスイーツ!ココナッツミルク、砂糖、卵から作られる「カヤジャム」の淡い緑色は、ランペの葉の色なのだそう。

画像2

カリカリに焼いた薄切りトーストにカヤジャムをたっぷり塗った「カヤ・トースト」は、シンガポール・ローカルフードの代表格。そういえば、昔シンガポールに行った際、お土産にたくさん買い占めましたっけ。

日本では「ニオイアダン」「ニオイタコノキ」の名がついています。

残念ながら日本では、カラピンチャ以上に入手が困難。でも、ハラルフード店や東南アジア食材店では、冷凍品を置いてあるところもあるので、見つけたらぜひ使ってみてください。風味が格段に上がります。

アーユルヴェーダの観点からはビタミンやアミノ酸が豊富で、皮膚病や消化不良の腹痛、発熱、糖尿病などに効果があるとか。
ぜひ、カラピンチャとセットでお試しあれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?