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あなたがいなくちゃ決まらない。他の葉っぱじゃダメなんです | スリランカカレーの特徴#2

欠かせないハーブ

スリランカカレーに欠かせない食材として、
真っ先に挙げられるのが、カレーリーフ。

和名はナンヨウサンショウと言いますが、
山椒とは名ばかりで、あのピリリと痺れる刺激はありません。
スリランカでは、カラピンチャと呼ばれます。

よくカレーに浮かんでいるのを発見し、「これはローリエですか」と聞かれることも多いのですが、月桂樹とは似て非なるもの。月桂樹のように肉厚の硬い葉ではなく、柔らかな手触り。
取り除いたりせずに、ぜひ一緒に食べてみてください。やみつきになること間違いなしです。

スリランカの庭のある家庭では、どこでもカラピンチャの樹が植えられいて、必要な時にひと枝、ふた枝取って、料理に使います。また市場やスーパーでも、枝ごと高く積んで売られていて、まさにスリランカ料理には欠かせないハーブなのです。

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身体にもいい

ワラン(土鍋)に油を入れ、スパイスや具材を炒める前に、まず投入するのが、カラピンチャ。
フレッシュな葉を鼻に当てると、シトラス系の香りと少しスパイシーな匂いが共存します。火を入れると、少しスモーキーで香ばしい匂いがたちまち立ち込めます。

「ああ、スリランカの匂いだ」
日本に居たって、鼻腔をくすぐるこの匂いを嗅ぐたび、懐かしく幸せな気持ちになります。

調べると、ミネラルやビタミンA、Bなどが豊富で、
滋養強壮や消化促進、解熱に効果的とのこと。
さすが医食同源、伝承医学が根付く「アーユルヴェーダ」の国。ちゃんと意味があって使われているのですね。

日本で手に入るの?

さて、日本でどうすれば手に入るのかー。
エスニック食材店やスパイス専門店では、扱っているところもあります。
沖縄などでは商用栽培も進んでいて、ファーマーズマーケットに行くと時々目にしますし、本州のレストラン向けに販売もしているようです。
近頃では、ダイソーの観葉植物コーナーでカラピンチャの苗があったとかなかったとか。そんな噂がカレー仲間の間で飛び交っていました。真相のほどはご確認を。

もしフレッシュなものと遭遇されたらぜひ手に入れ、
ひと掴み使ってみてください。いつものカレーが一味違うものに仕上がります。
冷凍保存が可能ですが、乾燥品はおすすめしません。
レシピの倍量を使ったところで香りも立たず、味に変化もないのが実情です。

見た目はオリーブ!?

丸くて黒々とした種子は、どことなくオリーブにも似ていて、思わずそのまま口に入れてしまいたくなります。

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いつぞや、スリランカ料理を世界に広めた立役者パブリス・シルワ氏に東京でお会いした時、カラピンチャの種子を「ほらっ」と自慢げにお見せしたら、ニヤッとしながら口に含んで、そのまま食べてしまわれたのが記憶に残っています。
スリランカンは、葉の収穫を待たずして種までも食べてしまうようです(笑)
ちなみに、パブリスシェフはスリランカの大統領より有名なスリランカン。料理本も多数出されています。御歳80歳を超えて第一線で活躍されるパワフルな方で、わたしも敬愛しています。

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日本で育てられるの?

日本でも沖縄のような南国ならいざ知らず、石川県で上手に育てている友人がいます。時々、種を分けてくれます。
発芽させるまでは比較的たやすいのですが、土に植え替えてからが一苦労。なかなか思うように育ってくれない、気難しい子です。
昨秋は、10種近くを土に戻したでしょうか。
結局いまも少しずつ成長を続けてくれているのが3株。

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日当たりの良い窓辺に置いたり、でも風が入るといけないからと窓からは少し離したり、と過保護気味に面倒を見ている可愛い子たち。
寒い冬を越え、春が過ぎ、やがて夏を迎えるころがこの子たちの本領発揮。

いつか葉を生い茂らせて、美味しいカレーに変身させてしまおう。
その日を楽しみに、今日もわたしはお世話にいそしみます。

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