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建築物を見て歩く❽鳩山会館

新緑の美しい季節、今回はステンドグラスの美しさを求めて鳩山会館に出かけました。

薔薇とステンドグラスの洋館

鳩山会館は
鳩山一郎と薫の住居として、
1924(大正13)年に完成。
設計者は鳩山一郎と幼友達で
親友の岡田信一郎。
大正・昭和初期の日本の
建築界を代表する建築家。
洋館を飾るステンドグラスは
アメリカで学んだ
小川三知の手による。

鳩山会館 沿革
四季折々の庭木が美しい

薔薇の花に惹かれます。
色も種類も関係なく、美しいと
思います。
この建物の持ち主である鳩山一郎氏がこよなく愛した薔薇は「ピース」という種類。

ピースを画像検索しました。
バニラクリーム色の花びらにピンク色の縁取りがある柔らかい色合いの花です。

愛する薔薇の名前を覚えている
鳩山一郎氏は、奥行きのあるおしゃれな紳士だと思いました。
自邸のインテリアに対する彼のこだわりを見て歩きます。

ステンドグラス

新緑と門柱とのコントラストが美しい
鳩に遭遇
テーマは鳩でしょうか

ステンドグラスを住宅に取り入れたいと希望する人は、多くはありませんが確実にいます。

ステンドグラスは、光と共存することが存在意味の大前提となるため、設計段階から設置場所を決めておく必要があります。

しっかり、光を背負うことができる場所。外部に面した壁や光が降り注ぐような天井際の高窓などが理想です。

天井際鳩の図案
光を背負って視線を誘導する
近づくと色がくっきりと

住宅の窓などに使うステンドグラスには既製品がないため、殆どの場合フルオーダーになります。
鳩山会館の鳩のように、それぞれがこだわりのモチーフで注文することが可能です。

私が担当した家でも、薔薇やカサブランカなどの花をはじめ、帆船や鳥、珍しいところでは愛馬と花を組み合わせてデザインして欲しいとの要望がありました。

デザイン画は。2案から3案準備します。
複数案用意するのは、自分が選んで決めたという意識を持ってもらうためです。
選び取る行為は、完成時大きな感動と満足をもたらしてくれます。

鳩山一郎氏も自分自身の感性でステンドグラスのデザインを選んだのではないかと想像します。

庭園の花々

庭園の薔薇は鳩山一郎の愛した「ピース」をはじめ150株が植えられています。

薔薇のアーチと建物
自然界にあるピンク色は柔らかく優しい
くっきりと鮮やかな緑と紫
純白の花も美しい

ここが東京都文京区音羽とは思えない緑豊かな庭園です。
近くにビル群があるとは信じがたい静けさです。
庭に面した大きな窓からこの景色を眺めることができます。

借景に馴染む窓のデザイン

大正ロマン建築

ドラマでよく使われる玄関
庭園に馴染む外観
時代を感じさせるデザイン
発色が綺麗な絨毯
漆喰仕上げのメダリオン
第一応接室

平成五年、
鳩山威一郎の逝去に伴い
妻安子により本格的に修復。
平成八年に記念館を兼ね
一般公開。
建物を通して戦後政治と
歴史を体感することができる

鳩山会館 沿革
第二応接室

安子夫人の写真を見て、その知的で洗練された姿に惹かれました。
第二応接室の柔らかい色調のインテリアは、安子夫人に似合っていると思います。(好みかどうかはわかりませんが。)

花が描かれたステンドグラス
左右対称の美

ステンドグラスがふんだんに使われた建物。
モチーフとして鳩と薔薇が散りばめられている空間。
建物を取り囲む庭園には、四季折々の花が咲き、視覚だけでなく、五感すべてに語りかけてきました。

自宅のプランを考える時、広さや間取り、収納など内なる空間に目が向きがちです。
窓から見える景色や自然光の存在を意識すると、より豊かな住空間を手に入れることができます。
プランと外構計画は、可能であれば、同時進行が理想だと私は思います。

五感をフルに稼働させて愉しむ

鳩山会館
HATOYAMA HALL
東京都文京区音羽1-7-1
03-5976-2800

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