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冷やしコーヒーの飴細工

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最近の記事

日記430

ある詩人、道端に。 「なんでもないようなことが、なんでもなかった」と… 声を聞き 私 はドンキホーテ横マクドナルド、で、アイスコーヒーを。 寝ぼけ眼で雨を聞いていた、間に、お湯が沸く朝… を、思い出し。笑い。 短くも急な坂を登り、鷹が三匹、目、を合わせる。 足元…赤と白、縞模様…靴下。 見下ろした団地、に、ベビーカーと車椅子… 影、だけ、垂直に交わる。 高周波、音が交差する、十字路… ここにもマクドナルドが… かつて時間を待った日のこと…それも過ぎる。

    • 『麓』

       東京で小銭を稼いだところで安酒とちんけなdrugに消えていくのみ。であるならば残された選択肢は二つ、伊豆での仙人生活か、高野山での住み込み。前者ならば週三日のスーパーマーケットでの品出し作業程度で延々と生き延びることができる。しかし仙人を志すには少なくとも20年は早く、若年性アル中患者が完成するだけ。というわけで高野山宿坊住み込みerという消去法的かつ最も積極的な手段を取るよりない。  金を稼ぐことよりも、使い道に乏しいというその状況こそ欲しているものだ。フーコーだかジョイ

      • アイスクリームをこっそりと

         友人からの連絡を返さないで放置していると、「捕まったと思った」とか「死んだと思った」とかよく言われるけども、その間していることと言えば"ねじめ正一の怪文書みたいな詩"を読むくらいなものである。  もしくは、神田川沿いで下水の香りを感じたり、井の頭公園で妙に細い犬を眺める、なんてのもある。  「あるとき高田渡が井の頭公園でこっそりアイスクリームを食べている姿を目撃した」  そんな話を父親から聞いた。目が合うと、なぜか赤面したような様子でひどく恥ずかしがって慌てていたという

        • 『Sátántangó』

           上映時間が700分を超える長い映画として有名なタル・ベーラの代表作『サタンタンゴ』。登場人物の一人に「フタキ」という男がいる。U2のボノにそっくりな渋い俳優が演じるミステリアスな役だ。何回か本人なのではないかと疑うレベルで似ているが、"例の暑苦しい歌い方"はこの映画の雰囲気にそぐわないから違うのだろう。  言うまでもなく、タル・ベーラとU2にはなんの結びつきもない。 少年/少女、異なる目付きは何を意味する  『サタンタンゴ』は異常な緊迫感のある世紀末的な映画であるが、

          面白かったWikipediaの記事30選

          1. 青木まりこ現象 青木まりこ現象(あおきまりこげんしょう)とは、書店に足を運んだ際に突如こみあげる便意である。 2. 学習性無力感 学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん、英: Learned helplessness[1])とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。 3. 刷り込み 刷り込み(すりこみ、imprinting)とは、動物の生活史のある時期に、特定の物事がごく

          面白かったWikipediaの記事30選

          VN0A5KRDYQ8(ホッピー)

           メキシコの壁画みたいな柄のVANSオーセンティックを買うか、それとも明日やきとん屋で昼飲みをするか。この二つで迷っている。しかしよく考えればこんなものは簡単に結論が出ていて、まずやきとん屋に行ってしまうのが正解だ。そして黒ホッピーを一巡すればご機嫌。さらに二巡目に入った途端に店外から祭囃子が聞こえて来る。さほど大きくはないが華やかで目を引く神輿がこちらへと向かってくる。奥にはヨサコイを踊る地元小学校の生徒らしき集団もいる。こんな冬真っ只中の祭りはあまり見たことないがこの地域

          VN0A5KRDYQ8(ホッピー)

          (な)の断章

           『無血開城』  江戸の無血開城の際、勝海舟は少量の鼻血を流していた。まるで小学生のようであるが、もともと彼は興奮するとそうなってしまう体質だったらしい。周囲の人間はパニックになり、「(どうでも)ええじゃないか」と踊り狂ったという。当時の人々にとって血は不浄なものであったが、鼻から出ている場合には例外とされていた。  『証人』  「帰ろうか もう帰ろうよ」と駅前で一人呟く中年男性を見かけた。彼の隣にはエホバの証人の勧誘に励む初老の女性がいたが、お互い我関せずといった感

          Soaked

           ここ一年、青年A(友人)により(嫌気が差すほど)聞かされていた(素っ)裸のラリーズ(Les Rallizes Dénudés)。それが今、眼前(視線から8センチ程下)の(twin)スピーカーから漏れている。  金切り声のようなフィードバック、ボーカルの曇り具合(ちょうど(Just)(ちょうど)(just)(ちょうど)(Just)、今日は曇天だ)は「岡山地底湖行方不明事故」を連想させる。ハイになっている脳味噌を少し抑え(実際はスピーカーの[TREBLE]を反時計回り(時間の進

          『薄月』

           コンビニの駐車場の脇にベンチがある。木製で角がかなり削れている。年季が入っていそうだ。そのすぐ隣には灰皿が置いてあり、車椅子に乗った中年の男女二人が煙草を吸っている。午前8時03分。なぜこんな早朝に見知らぬ土地のコンビニにいるのか、そう途方に暮れているのがどうやら私であるらしい。数時間前の記憶を辿ろうと目を瞑ると、瞼の暗闇の中に霧が漂っていた。アスファルトの一本道。足元には雪が積もっている。右手に錆びた重機のような物が見えるがはっきりとしない。遠く道の前方、縦に長い標識がう

          3:31

           今、眼前には一筋の線が見える。これを案内としてそのまま進むか、あるいは折り返すか。そう問われている。この獣道を進んできた以上、進むよりないと考えるこの心理は如何ばかりか。戻るは暗闇、進むその先に見える光はやけに細い。脇道こそ断崖である。絶壁にも似た脳味噌の窪み。そこに一つの砲丸が今落ちてくる。見た目以上には硬くない。精一杯力を抜いてその球体を受け止める。  川の音がする。左手から子供の声がする。彼らの表情に気を取られかけるも、目の当たりにして、私は微笑むだろうか。いっそ白

          5:56

           止まることのないメリーゴーランドを想像しよう。宴を欲する心はすでに過ぎ去っているというのに、回転し続ける。この悪魔の機械を制止する青年はどこへ行ってしまったのか。幸福の音楽はもはや悪夢の調べにすぎない。荒ぶる心拍音をさらに煽るようなドラム。ひたすら反復される教会の祈りは身体を高みに誘う。しかし、魂がそれに追いつかない。空の肉体だけが雲へと上昇する。  布団に寝そべり床を平行に眺める自分がまるで他人のように見える。「離れ」に人の気配がする。恐らくそれは私であろう。母屋は焼失

          『鶴』

           旗の色ですら明瞭に感じてしまうこの網膜とやらに呆れ、思い浮かべるはやはり便器。色のなさに憧れつつも辿り着いたのは霧の中。得体の知れない魅力はすぐに冷め、徐々に指図する人の声も大きくなってきた。土鍋を触るにはまだ熱く、しかし時間を潰すほどの余裕はない。いっそ蓋を叩き割ってしまえばと思うも、猿真似の序章にすぎない。曖昧な誘いに惹かれ、進んだ先は崖であった。しかしそこから見上げる太陽は美しく、このまま焼かれてもよいとさえ思えた。燃えて、海に包まれる。  鶴の都で会った名も知らない

          胎児は怯え、春を

          1  着信音が延々と聞こえる中、背筋に滲み透る振動はやがて虚空へと向かう。来訪者の予感に怯えつつも、海辺にいる毒虫との格闘を脳内で続けるしかない。ただひたすら淡々と。毒虫は手足が9本あり、ちょうど人体ほどの大きさの石の上を、這いずり廻るように移動する。彼らには目がないから、人の身体に纏わりついてくる心配はない。ただ平行に、滑るように移動するだけだ。では彼らの問題は何かというと、あの腐臭である。地方の寂れた公園の、誰からも掃除してもらえなかった旧式の便器。染み付いた糞尿はもはや

          胎児は怯え、春を

          2023/11/24/3:38

          階段は着々と… 水の滴る音 騒音…轟音…工事現場…録音 虫が頭上を這い回る…季節感もなく節操に… お前は誰だと問いかけられる すっかり歪んでしまったコンクリート… 西に人の気配がする チェロは壊れている 誰の声だろう 水の流れを想像する 清い川を…そして公衆トイレの… 徐々に見覚えのない コンサートホール…しかし老人がいない 皮の音 が鳴り響く 数分前の故郷は懐かしく  ふと思い出す… 記憶とは忘れることであると…異国の人が言っていたではないか

          HARIBO

          宇宙はトートバックの中に広がる 食いかけのHARIBOが散乱し 嗚咽と共に飛び出した頭痛薬 貰う必要のないレシートと 去年見た映画のチケット 今、少しだけ昔を懐かしむ

          mugendo-jigoku

           「無間地獄」を「無限地獄」だと勘違いしている人は結構多い。どちらも mugen-jigoku であるから致し方ない。皆が間違い続ければ200年後には「無限地獄」の方が一般化してることだってあり得る。言葉は流動的で、液体のようなものだ。  一方で、私が今陥っているのは mugendo-jigoku である。漢字で表記するならば、「むげん堂地獄」。正式名称は「元祖仲屋むげん堂地獄」であるが、一般的には省略して使われることが多い。どういうことか。高円寺や吉祥寺あたりにある「むげん