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自分は "障害者" アーティストなのか?


私の障害について

私は39歳の時に障害がわかりました。
私の障害は発達障害で、
①ASD(自閉スペクトラム症)
②ADHD(注意欠陥・多動性障害)
③LD(学習障害)
 a.読字障害(ディスレクシア)
 b.書字障害(ディスグラフィア)
 c.算数障害(ディスカリキュリア)
全ての障害特性を持っています。
そして、それに伴う感覚過敏と鈍麻、指先の不器用、喋り方(発音とイントネーション)のたどたどしさなどもあります。
そんなガッツリ障害がある私ですが、自分が障害者アーティストだとは思っていませんし、そう呼ばれたくないなぁと思っています。

自分が障害者アーティストだと思わない理由

理由を3つあげると、
①ピンと来ないから
②絵を描くのは得意なことだから
③障害や診断名で自分をブランディングする気がないから です。

詳しくお話していきます。

①ピンと来ないから

39年間、健常者として生きてきて、健常者として絵を評価されてきたので、障害者アートという響きが単純にピンと来ません。
私の障害は先天的なもので私自身はずっと何も変わっていないので、なおさらです。
診断が出た39歳までの私の絵は「健常者アート」で、それ以降の私の絵は「障害者アート」になるの?どう違うの?という疑問が生まれますし、そもそも健常者の絵として評価した人たちはいつも何を基準に作品を見ているの?という疑問も生まれます。

②絵を描くのは得意なことだから

私が障害を開示する時は基本的に、「出来ないから助けてほしい時に」「助けてほしい理由として」障害を開示してお願いをする必要がある時です。
なので、アーティストプロフィールには障害のことを記載していません。
絵を描く=出来ること、しかも得意なことなので、配慮をして頂いたり助けて頂く必要がないからです。
それに、障害者というフィルターなしで絵を見てほしいと思っているからです。
つまり何が言いたいかというと、私は障害がありますが、絵を描くことに障害は感じていないので、アーティストの肩書きに障害者というワードをわざわざ入れなくてもいいと思っています。
健常者の時は、出来ないと理解してもらうことが難しかったのですが、障害者になった今は逆に、出来ると理解してもらうことが難しくなっているという経験をしているので、特にそう思います。

③障害や診断名で自分をブランディングする気がないから

今の時代、私の障害や診断名は全然珍しくないし、今後もっと当事者が増えていくと思います。
いろいろな種類の事業所が日本全国にたくさんあること、それを踏まえて地球規模で考えたらどうなのか、未来はどうなるだろうか、などを考えたら、私の場合は、障害や診断名で自分をブランディングするのは違うなぁと思いました。
アーティストとして、「特性を持っている状態」を出すよりも、その状態で「日々、何を考えているのか」「何を経験して学んできたのか」「何が好きでそれは何故か」など、もっと踏み込んだ部分を出して表現していくのがいいのではないかと思っています。

まとめと結論

まとめると、私は生まれた時から障害があったにも関わらず、人生のほとんどを健常者として過ごしてきたので、私の中での健常者アートと障害者アートの境界が曖昧です。
そして、絵を描くことは得意なので、障害者の枠に入って配慮や助けを求めやすい状態にしておく必要がありません。
さらに、アーティストとして活動するにあたって、自分が障害者になった時点でいろいろ考えてみましたが、最初から障害者アーティストだと名乗ることは考えませんでした。
でも、もし私が幼いころから障害者として生きてきたり、後天的に障害が加わって変化が生じたなら、障害者アーティストという響きに納得していたかもしれません。

結論です。
私は障害者アートという枠組みに関して特に何も思いませんが、私は「アーティスト」だと思っているので、わざわざ「障害者」というワードを付け足さなくても問題ないと思っていますし、強みだからこそ、付け足してほしくないという気持ちが強いです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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