カーマインとバーミリオンの間に
終業式。
子供たちが歩道をたくさん歩いてる。
背中にはランドセル。肩には肩掛け手提げ。
水筒もぶら下げ上靴やなんやらかんやら。
小学1年生の下校なのかランドセルにはほぼ黄色いカバー。。。
交通安全のためのものか?小学1年生よりは大きかった気がする。
とても大勢。歩道いっぱいに列のように歩いてる。
思い思いに楽しそうな子もいれば荷物が重たくて大変そうな子。
曲がり角では6、7人で何か話してる。その横には地面にランドセル1つ。
これからジャンケン大会らしい。
終業式はみんなそうだった気がする。
聡子はふと思い出す。
計画的な子は少しずつ少しずつ毎日持ち帰って最後の日はすっきりしたもんだ。
まわりはみんな聡子のように重たいけれどなんとか持ち帰るというスタイル。
聡子は持っていたかばんを思い出した。
赤でも朱色でもない色のかばん。
生地はしっかりしたデニム生地。
正方形にちょっとオマケしたような長方形。
手提げ部分は短く肩にはかけられない。
前面には縦に2つ長方形のポケット。
銀色のピカピカのボタンがついている。
聡子はそのお気に入りのかばんパンパンに荷物を入れていた。
家庭科の裁縫セット、リコーダー、置き去りだった教科書たち、絵の具セットは肩からかけ、給食袋はランドセルの横にぶら下げ、教室に飾ってあった絵や習字の作品は丸めて持ち、体操服はランドセルに挟み、習字セットを手に持つというまるで学期末最後の修行である。
どうして毎回そうなのか?
最終日は軽やかに帰りたかったものだ。
そう思ったが友達とジャンケンをした時間も
重たい荷物を持って帰った昼下がりも
黄色い旗を持って横断歩道を渡してくれた旗当番の人も
見送ってくれた先生の顔も
みんなその修行もどきの中にあった。
それが嫌だったわけではないく
学期末恒例のイベントだったのだ。
それを思い出す色が
カーマインとバーミリオンの間にあった♪
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?