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女神のジェットコースター

その女神は遊ぶことを知らなかった。
その女神は真面目に女神をしていた。
女神の役目とはなんなのか?
女神は女神であるために女神を全うしようとしていた。
女神は女神以外を知らなかったのだ。

するとある時《無敵なあの子》がジェットコースターを教えてくれた。無敵なあの子はその名の通り無敵だった。誰にも負けない、何にも負けない。

ただ無敵なあの子はずっとひとりで孤独だった。

女神はそれを知っていた。

だから初めて一緒に遊ぼうと思ったのだ。
遊ぶとはどういうことなのか?
無敵なあの子は女神をジェットコースターに連れて行く。女神は繋がれた手を心地よく思いながら走って着いていく。

無敵なあの子は『一緒に乗ってくれるの?』と確認するように女神に尋ねた。女神は『私でよければ』と笑顔で伝える。無敵なあの子は強く手を握った。

女神がジェットコースターに乗る。

ジェットコースターからはキラキラした粉のようなものがすごい勢いで舞う。無敵なあの子はそれを手で掴もうと両手放しで楽しんでいる♪

けらけらとした笑い声が響き渡ると空が水色と青色の半分になった。まるで空に縦に円を描くように、太陽の光と雲を抜けて色の交わらない境界線が一直線にできた。

何回も何回もジェットコースターに乗った。

日が暮れるまで気がすむまで遊んだ。

いつも表情を出さない無敵なあの子は目をキラキラさせて笑っていた。女神も満足だった。

遊ぶということはこんなに楽しく面白いことだったのだ。初めて面白いを受け入れた。

女神も女神だけでなく冒険していいのだ♪

そして《無敵なあの子》は笑顔を味方につけてもっと無敵になった。









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