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第1回口頭弁論期日報告会 2021.9.6 16:30-①弁護団からの期日報告②原告の思い

会場:北海道高等学校教職員センター4階大会議室               原告:佐々木カヲル(社会福祉士)
弁護団(弁護士):加藤丈晴、須田布美子、犬塚賢護、髙橋友佑、本橋優子

元道職員SOGIハラ訴訟 第1回期日報告集会2021.9.6

配布資料

動画

司会
みなさま、本日はお忙しい中、私どもの報告集会にお越しいただきましてありがとうございます。それではこれから本日第1回口頭弁論を行いました元道職員SOGIハラ訴訟について、報告集会を行います。報告集会はまず、弁護団から期日報告をし、次に原告である佐々木カヲルさんから第1回期日を迎えた感想などをお話ししていただきます。その後、質疑応答の時間を設けております。また、佐々木さんのお名前とお顔出しは可能ですけれども、パートナーの方については、特定できる情報は全て非公表となっておりますのでご了承ください。

司会
それでは弁護団の犬塚弁護士より、本日の期日報告をいたします。犬塚弁護士よろしくお願いいたします。

弁護団
では、本日行われた第1回口頭弁論の期日報告を行います。まず原告からは訴状を陳述し、証拠を提出いたしました。被告からは答弁書、これが提出されております。原告側の訴状の内容等につきましては、期日において説明したことと重複いたしますけれども、原告である佐々木さんがパートナーと内縁関係に至ったことを理由に北海道には扶養手当及び寒冷地手当の区分変更、共済組合には扶養認定を各々に求めていたところ、いずれもパートナーが同性であることを理由として拒否された。このことについて、それが性的指向に対する差別的取り扱いだとして精神的損害等につき、国家賠償請求をするといったものです。証拠につきましては、佐々木さんとパートナーが事実上婚姻関係と同様の事情にある者であることの根拠になるもの、佐々木さんの各申請とそれに対して拒否がされるまでの経緯を示すもの、損害の根拠となるもの等を提出いたしました。これに加えて全国自治体における性自認、性的指向に関する施策調査報告書や同性カップルへの法的保障の要否をたずねた調査で賛成が多数におよんだことを示す報告書等も提出しております。被告側の答弁書ですが、特に具体的な主張のある書面ではなく、追って認否主張を行うとされていますので、次回以降、準備書面によって訴状に対する具体的な反論が提出されるものと思われます。原告としましてはその他に、訴状の要旨の陳述及び佐々木さんからの意見陳述もありました。意見陳述の内容に関しては、この後、佐々木さんからも話しがあると思いますので割愛させていただきます。次回期日は11月24日10時から、場所は同じ805号法廷にて行われます。口頭弁論期日になります。以上です。

司会
それでは続きまして佐々木さんから第1回期日を迎えた感想などをお話ししていただきます。佐々木さんよろしくお願いいたします。

原告
はい、今日はコロナ禍ということで、大変な状況の中お集まりいただきましてありがとうございます。それでは私の方から、五点ばかりお話をしたいなと思っています。
まず、今日を迎えての感想ですけれど、裁判所は何度か傍聴席に座るっていうか傍聴に来てはいたんですけど、やっぱり何度来ても慣れない場所だし、今回は座る場所も違うということですごく緊張しました。そして意見陳述をしたわけですが、その内容が裁判長や裁判官、傍聴席に座っている方、それから被告側にもしっかり伝わればいいなという風に思いました。
で、期日の手続きを通して感じたことを次にお話ししたいと思いますが、今年2021年6月9日に提訴したわけですが、そこからちょうど3ヶ月。被告側の答弁が「原告の請求をいずれも棄却する」「追って準備書面により請求の原因に対する認否及び主張を行う」しか得られなかったことに対し、驚きを感じています。あと裁判所には一番大きな法定を用意していただいたということで、裁判長のほか二人の裁判官がいるという中で今回の件を判断していただけることについて感謝しています。
で、陳述を今日したわけですけど、陳述書が配られているってことで、皆さんの手に渡っているかわかんないんですけど、一応概要を説明します。届出に至る経過や届出に対する被告の側の対応、私の対応、私の思い、考えなどを話しました。私の思いをざっくり伝えますと、私が求めているのは、個人として尊重され、人が生まれながらにして持っているはずの権利を与えて欲しいということで、何か「特別な扱い、特別待遇」ではない。そういうものを求めているわけではない。ということを話しました。それから私の周りにいる当事者の多くは、自分たちに与えられるはずの権利を最初から諦める、諦めている。私も以前はそうでしたが、社会的に少数である人々、マイノリティは、マイノリティであるが故に、諦めることに「慣れさせられている」気がする。でも、私は「社会福祉士」「ソーシャルワーカー」として教育を受けてきました。あらゆる差別、抑圧、排除、無関心などを認識した場合は、専門的な関心を持ち、人権と社会正義を守られるよう人々とともに社会に働きかけなければならないという風に教えられてきました。そういうことをお話ししました。
ところで、っていうことで、またお話が続いたんですけれど、社会的に少数である人々、マイノリティが「普通」に取り扱ってもらうには、社会的に多数である人々、マジョリティの理解が必要なのかどうなのか。私は人権課題については、多数である人々、マジョリティの「理解の度合い」は条件としないと考えていると話しました。わかりやすい例で、例えば女性の参政権。参政権はマジョリティである男性の理解が進んだから与えられたのかという問いかけをしました。同じように自らの意思ではどうにもならない「性的指向」や「性自認」によって不合理な区別、差別を受けることは当然のことなのかという問いかけをしました。社会的に多数である人々、マジョリティの理解が得られない場合、公の機関こそが、率先して制度を柔軟に解釈・運用し、古い制度を改正し、民間の理解水準を高めていくことが求められると、私は考えているということを話ししました。ざっくり言うとこんな感じです。
で、裁判で訴えたいこと。まあ、ちょっと中身、重複しちゃうんですけれど、社会的に少数である人々、マイノリティは諦めることに「慣れさせられている」と感じる。一方、社会的に多数である人々、マジョリティはそのことを「当然」とする、感じるようになると思います。皆様には社会的に多数の人々、マジョリティが普通の生活の中で当たり前に与えられている権利は、社会的に少数の人々、マジョリティ(正しくは「マイノリティ」)には与えられていない。という事実をまず知っていただきたい。その上で、多様性の尊重と公正な社会のあり方について、一緒に考えていただきたいと思っています。そして自分が所属する社会福祉士会。札幌市 LGBT フレンドリー企業。権利擁護を掲げているすべての職能団体と、その構成員の方に、引き続きご協力頂きたいと思っています。
で、今後の抱負ということになろうかと思うけど。これからどんな展開が起こるか全く分かりませんが、弁護団の先生方と密にあの打ち合わせもしておりますし、強力なタッグを組んで勝訴したいと思っています。以上です。

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