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企業広報バイブル #40 裏家業は忍者です

🎵日米のリーディングカンパニーで企業広報を統括して気付けば28年。IT系、インターネット系、不動産、エンターテインメント企業、広告代理店、流通業界トップ企業広報アドバイザーまで色々。かなりの私見も交えて色々書いてみようと思い立ちました、、、🎵

変なタイトルになった(苦笑)
社長によって、企業広報に求める事は異なる。最悪なのは「よろこび組」を求める社長(そういう方にはお支えしない事にしてきた)。社長だって悩む時もあるし、会社が大きくなるにつれ、全社に目は届かない(そのための組織である)。しかし、部門長が保身に走るとダンダンと、良いことしか耳に入らなくなってくる。広報は、世の中と会社をつなぐ窓、であると同時に社員と社長をつなぐ窓でもある、と思っている。

今は数年前からフリーランスとして仕事を始めたので、立場は違っているけど、なるべく、経営者の言葉や思いを直に聞くことができる立場で仕事をさせて頂きたい、とお願いすることにしている。

ある社長は、私に表は広報、裏は忍者の役割を求めていた。ウィキによると、
’忍者は大名や領主に仕え、諜報活動、破壊活動、浸透戦術、暗殺などを仕事としていた’ ということである。さすがに暗殺はしませんが🤣

そのため、その会社では、私は日頃から様々な部門をほっつき歩き、時間が取れると部門長と雑談をしたり、一般社員数名(キーマンとその周辺)と飲み歩いたり交流を深めていた。部門のキーマンは、部門長とは限らないのだ。発言力がある人、影響力がある人、が誰なのかを探し出し、その人たちとは徹底的に距離を縮めていた。

その会社で事件(未遂)が起きた、、、
技術部門での出来事である。技術部門長は社長からも信任熱く、業界でもできるヤツとしてちょっと有名な人だった(ああ、あの人、そこの会社にいるの?と良く驚かれた)。

「なあ、、最近、技術部門、何かない?(これはまた、バクっとしすぎて😅)今、少し大規模なシステムを導入しようと2社のものを評価中なんだが、、」
ランチ後にコーヒーを飲みながら社長が呟いた。
「聞いてます。腕利の部門長と、彼を尊敬して集まった精鋭部隊。厳しく評価して良い方を選んでくれると思ってます」

「直感だが、、私はA社のものが優れていると思っている。そりゃあ、甲乙つけ難いほど両方いいんだが、細かな点でどっちがウチに合うか、な所だと思っている。でも、奴らが出してくるデータ、出してくるデータ、全て明らかにB社。そんな大きく差は出ないはずなんだが。そして部門長も熱烈にB社推しなんだ。それが違和感なんだよ」

非常に勘がよい社長なのである。技術のバックグラウンドなどないのだが何か違和感を感じていたのである。

社内いろいろ探りまくった。が、確かに、信頼厚い部門長の悪口など出てはこない。部門は一生懸命仕事をしているように見えた。が、、、
「社長、部下のメンバーが、なんか、表情が生き生きしていない、、もう少し、時間いただけますか?」

デスクに戻りB社の担当責任者の名前を漠然と調べ、そのバックグラウンドを流し読みしながら、ある1行で手を止めた。あれ?技術部長と同じ会社にいたことがあるのか、、、知り合いか。まあ、狭い業界だしアルアルではあるよね。でも、私もツテをたどりながらB社の広報でも紹介してもらい、プロジェクトの若手メンバーでも誘ってもらい飲んでみるかなあ。。。B社に決まったら記者会見だし、、

その席で、めちゃくちゃ飲んだ(飲ませた)プロジェクトメンバーから恐ろしいことを聞いてしまった。「初めからウチに決まってましたから、心配などないですよぉ〜、かんぱーーーーい!!ばーんと記者会見しましょーねーーーー」

社長の嫌な予感が当たってしまったのである。上2人が裏で繋がっていた。それも、お金も絡んでた。1発懲戒免職案件であった。

後日、技術部長は健康上の理由にて退職。改ざんされていたデータは正され、B社のシステムを導入した。

社長の勘。選ばれし人には、第三の能力?脳みそ?があるのだと思う。

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