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企業広報バイブル #42 行間、間、そして駆け引き

🎵日米のリーディングカンパニーで企業広報を統括して気付けば28年。IT系、インターネット系、不動産、エンターテインメント企業、広告代理店、流通業界トップ企業広報アドバイザーまで色々。かなりの私見も交えて色々書いてみようと思い立ちました、、、🎵

広報の仕事は基本、人間と向かい合う仕事である。社内も社外も。それが、コロナ禍で大きな変化を迎えた。今日はそんなお話。

いかんともし難い状況。そして、取材もオンライン(苦笑)
これ、どーよ。広報にとってはこれほど安全な取材はないけれど、つまんない。
本当につまんない時期が続いた。

ログインして、初めまして、では本題に、、、、と取材に入り、記者の質問、社長の回答の応戦(爆笑)。はい、終わり、でブチっ!!!

以前だと、、、
会社の場合は受付から、「1時にお約束の〜新聞様、お見えです」と私のデスクに連絡が入り、、、私は迎えに出て、(特に社長取材の場合、私は初めましての記者さんとは組まないけれど)最初に表情を観察しながらその日の機嫌も察知しつつ、先日はありがとうございました!!本日はよろしくお願いします!と社長室のあるフロアまで誘導していく。記者さんは会社の雰囲気、すれ違う社員から会社の色を感じようとする。

この前はどちらの会社へ取材に?先日のあの記事、凄かったですよね、、、、と前座でトークしながら記者さんが今リラックスしているのかピリピリしているのか探りつつ歩く。ついでに、、今日、社長も午前中、結構厳しい会議続きだったので、少し初めは硬いかもしれませんが、すいません、、などと、生情報も耳打ち。

時には歩きながら新人の記者さんから、
「あの件、社長の言葉ではっきりと伺いたいのですが話して頂けますかねえ、、、」
「お話できる部分だとは思っています。私も横で上手くサポートしますね」
みたいなやり取りもある。記者さんも広報は最終的には会社を守る人間であることは承知している。しかし、会社のプラスになる事なら社長からの一言を引き出す協力をしてくれる存在でもあるのだ。

取材後とかには、よくベテランの記者さんは「今日はありがとうございました」といってエレベーターホールに向かう途中で広報と離れるようにいきなり社長と距離を詰めて、「あ、一つ伺い忘れたのですが」と切り出し揺さぶりをかけてきたりもします(そこも書かれます、絶対に)。

広報だって対面だと常にポーカーフェイスで柔らかくにこやかに、相手に読まれることはしないが、時として敢えてトラップをかけて予想とは逆の反応をすることさえある。(まーそんな、という反応をして、これは!と思わせて書かせるとか、、ね、、性格悪いか、、)😂 それなりに、テクニックを駆使できたりする。

ある日、一流経済紙のベテラン記者さんがオンラインでの取材後に、「あれじゃあ、前後、そして会話の最中の社長の言葉の行間が読めないんだよね、、広報に至ってはさあ、喋ってないと顔が映ってなかったりするし、」とおっしゃった。確かに、会話の中でも表情の微妙な読み合いや空気の読み合いもあるが、全くわからないのがオンライン取材。

オンライン取材だと、どうしてもファクトのやりとり(確認?)だけになりがち。あれじゃあ、取材した、という事実は残るものの、実際はメールで質問して、広報部からメール回答をもらっても同じである。勘所が養われないし、プラスアルファなど引き出せないし、ワクワク感もスリルも半減である(お互いに)。

やっと最近、対面での取材が再開し嬉しい限りである。
社長のスケジュール調整が大変なのは十分承知しているが、それでも、、、、、、やはり、取材は対面で行うべきだと強く思う私である。



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