私の町のあんこステーション
ある日、夫が言いました。
「街のいたるところに、あんこをいつでも補充できる場所、、、そう!あんこステーションがあったらいいのにな!」
それを聞いた、わたしの最初の感想
「・・・なに言ってんじゃこいつ?笑」
近年のストレス社会の影響か、夫は今、猛烈なあんこブームの真っ只中にいて、ガソリンスタンドで車にガソリンを補充するように、あんこを手軽に補充できる場所が街の各所にできることを夢見ているのです。
私はその夢を冷めた目でみていたわけですが、常にあんこが食べたいというので、最近はちょくちょくあんこを炊いてあげていました。なんだかんだ言って、私もあんこは好きですし。
圧力鍋で炊くので、作業自体は1時間ほどですが、奴のあんこを求めるペースにはとうてい追いつきません。
あんこのレシピはいたってシンプル。
豆を柔らかくしたところにお砂糖を入れて煮るだけ。砂糖の量や、きび砂糖をブレンドするなど、気まぐれに変えます。
勘に任せてやっているからでしょうか、いつも出来栄えにはムラがでます。単純な料理ほど奥が深いとはこのこと。
嗚呼、あんこを毎回炊くのも面倒だし、夫のいうように、ほんとにあんこステーションがあったらいいのになぁ〜、と思っていたところに。
ほんとにあったわ。
車で気軽に行ける場所に、あんこステーションがありました。もちろんそんな変な名前ではありません。
出来立てのあんこを計り売りしてくれる製あん所さんです。控えめに言っても最高なんですが。
あんこは粒あん、こしあん、白あんの3種類。
さらに、それぞれに
「生あん」(甘味が入ってない)
「練りあん」(甘さ入り)
「やわらか練りあん」(普通の練りあんより柔らかめ)
の、3タイプがありました。
全く甘味のないあんこ、というのも気になりましたが、今日は初めてなので、オーソドックスに甘味入りをチョイス。
気さくな女将さんが、選んでいる間色々説明してくれて楽しく買い物できました。
あんこを冷水で溶いて、白玉を浮かべれば冷やしぜんざい、牛乳で溶いて冷やせばあずきバー(!)になるなど、大変有益な情報の数々、有り難や。
購入したのは、やわらか練りあんタイプの粒あん、白あん、そして特製モナカです。
家に帰って早速実食します。
私の誕生日にお姑さんがハーゲンダッツのアイスを爆買いしてくれまして、抹茶アイスがちょうど残っていたので、一緒にモナカにインしましたよ。
あんこは甘過ぎず、粒あんの粒は柔らかいけれど、食感がギリギリ残るくらいで、その加減が絶妙。特製モナカはこれまたサクサクで香ばしく、良い風味。美味。
そして白あんは、ほの甘く、優しい味。
幸せな気持ちになります。
海外では、豆といえばおかずや主食として食べるのが主で、豆を甘く煮る、しかもスイーツにしちゃってるあんこという食べ物は、外国の方にとっては結構衝撃のようです。
世界に誇るあんこ。
素晴らしい日本の食文化よ。
わたしには、夫のようなあんこラブの熱意はありません。が、美味しいあんこを食べると幸せになるのは確かなことです。
あんこの良さがもっと広がって、ほんとにあんこステーションが街中にできたら、この世の世知辛さも少しは薄れるかもしれないな、などと思うのでした。
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