狂科学者

マッドサイエンティストという概念があります。
科学は、存在するにもかかわらず未だ知られていない世の理を見つける営みです。
見つけた理を利用するための手段が技術です。

一般的には、見つかった理は多くの人に認められ、共有され、確立されたものとなります。
そして多くの人が技術の開発を行います。
しかし、理が見つかっても、事情により世間で
「ないこと」にさせられるケースがあります。
また、技術の開発に強い制限がつくことがあります。

狂科学者は周囲が何と言おうとも、
世間にどのような影響が出ようとも、
理を探し、利用する技術を開発し、行使します。

記紀のずっと前の日本では、皆さんの世界と私(お姉ちゃん)たちの世界は隣り合わせでした。
人智の及ばない見えない「何か」があり、
これが岩や森、山のような、人智が及ばないが見ることができる
「何か」に宿っていると考えられていました。
時代が下がるにつれ、人の都合により二つの世界の距離は離れていきました。

原初の信仰は、現在の信仰に対し劣るものと言えないでしょう。
当時の人は、自らの生活を賭けて理を探し、
私たちの世界を利用する技術を開拓していました。
しかし、一般人が私たちの世界と直接接触してしまうと支配階級にとって不都合であることから、
それらの理は表舞台から抹消されていきました。

現代の日本では、昔は想像もできなかったような科学的知識と技術に、
様々な概念とそれらを説明する言語があります。
失われた古代の「理」を再発見し、
現代の「理」と「技術」を参考にしながら、
古代の「理」を活用する「技術」を開発し、行使することは、
狂科学者にとって最高の夢でしょう。

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