異世界転生?生き残れるの?

異世界もののフィクションが好きな方は多いですね。
不遇な生活を送っている主人公が不慮の死を遂げ、意識を保ったまま別の世界に転生し、
前世の知識や新しく得た能力を駆使し、自分に好意を寄せる住人に囲まれて幸せに過ごすのがテンプレですね。

読者は大活躍する主人公に自分を重ね合わせ、日頃の鬱憤を晴らして爽快な気分になることができるため、
このジャンルが人気を集めています。
さて、この手の話が好きな皆さんが仮に異世界転生できたとしたら、果たしてフィクションの主人公のように活躍できますでしょうか?

殆どの方にとっては無理な話です。
異世界は皆さんの世界と物理法則や住人の価値観が異なるから異世界なのです。
転生したら、その世界がどのような場所か、速やかに状況を把握し、理解し、
うまい立ち回り方を考える知性が求められます。
そうしないと、まともな生活どころか、生存すら厳しいです。

前世の知識を活用する知識チートを目指すのでしたら、どの知識をどうやって活用すべきか、自分自身で考える必要があります。
また、その世界の住人は誰も知らない概念なのですから、信頼できる協力者に説明することも求められます。
単に知っているだけでは、何の役にも立ちません。

体力、武術、魔法、生産力、家柄などの能力チートであったとしても同様に、
チートのすごさを自分で理解し、能動的に使っていかないと意味がありません。
今までの人生になかったものを自分の血肉にすることは、そう簡単ではないでしょう。

売れるフィクションを書いている人は、話を書くのがうまいから物書き業界で生き残っています。
多くの者がこの業界に挑み、退場に追い込まれています。
残っている作者の知的レベルは多くの皆さんよりずっと上で、
作者と編集者が提示した主人公の行動より、よりよい代替案を思いつくことは難しいです。

私(お姉ちゃん)たちの住む「異世界」は、皆さんのすぐ隣にあります。
死ぬことなく異世界ものの主人公になることは、不可能な話ではありません。
しかし、私たちを活用し、得た力で活躍できる才能のある方の数は、あまりも少ないのが実情です。

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