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臨月日記

臨月に入ったら日記を書こう。1週間前くらいからそう決めて、胸の前で小さくカウントダウンしていたのに、いざ臨月初日は体調不良でとても文章どころではなく過ぎ去ってしまった。

臨月2日目の今日も、引き続く喘息様咳とそれに伴う左右の肋骨痛、33週頃から始まった恐怖の尿漏れで、よろよろと最低限のことだけなんとか済ませ、それ以外は床に伏していた。

最後の1ヶ月は、仕事やタスクは手放して自分の身体と向き合う時間にしよう。遅ればせながら本も読んで、マタニティライフを味わう時間にしよう。そう思っていたのに、幸先は非常に悪い。臨月2日目もそんな風に流れてしまいそうだったので、今日が終わる前に、風呂上がりの濡れた髪のままスマホでこれを書いている。整っていなくても、短くても、子が生まれる前の今日を記録するのだ。

今日は、通っていた産院から産む産院へ転院するために、紹介状を受け取りに行ってきた。35週の健診の採血で追加希望で調べてもらったフェリチンの値は、まさかの6だった。妊娠初期の11も驚愕だったが、さらに低下していてくらっとする。その産院の先生は「通常範囲です」とのこと。いやいやごっつい低いですやんと思ったけど、先生の考え方もあるかと引っ込める。

病気のデパート状態で、ラムネのように様々な薬を内服している今回の妊娠では、飲むと気持ち悪くなるフェロミアをさらに飲む余裕が出ず、なかなか飲めない期間が続いている。今日内科で追加処方された抗生剤で咳症状が落ち着いたら、出産までに少しは貧血改善に努めたい。

臨月になったらもう一つ始めようと決めたのが、散歩だ。昨日今日と、子どもと一緒に夕方15-30分程度家の周りを散歩している。今年の夏は死ぬほど暑くて、とても外を歩く気がしなかったが、ようやく良い気候になった。18時頃になると、日差しもなく、涼しい風に鈴虫やヒグラシの大合唱が聞こえる。ベビーカーを押してよく同じ道を散歩した子どもは、今は隣で手を繋いで30分でも自分で歩けるようになっている。虫の声に、「何の音?」と尋ねたり、「海も、山もあるねー」と遠くに見える景色を一緒に眺めたり、落ちているドングリを上手に拾ったりしている。大笑いしながら走り出したら止まらず、身重で声をかけるしかできない私を置いてどんどん先へ進んでいく。3年の月日は、こんなにも頼もしく子どもを成長させる。この赤く染まる稲穂や、遠くに見える海や山が、子どもにとっての原風景になっていったらいいなと思う。

夜間の咳の発作が怖い。眠ってしまえば時間が経つのに、妊娠後期の頻尿のせいで1時間ごとに目が覚める。その都度、寝入るまで咳の恐怖と隣り合わせだ。夜は終わりでなくてはじまり。上の子の授乳中に気づいた恐ろしい事実が、フライングでもう始まっている。どうか今夜は、あまり苦しまずに朝を迎えられますように。(36w1d)

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