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コリスが欲しがっていたBoTトークを買った。
これまでQottaby(オッタバイ)というGPS機能のみのものを使っていた。小学校に一緒に通う友達がGPS機能に音声送信サービスもついたものを持っていて、コリスはそれをうらやましがっていた。たまに学童からの帰り道、ひとりになることがある。ひとりで帰る時に、「ひとりで帰ってるから迎えにきて」と私にメッセージを送りたいという。
毎回迎えに来てと言われても困るなと思ったが、これから大きくなってひとりで留守番したりすることもあるのかなと思うと、あってもいいなと思い購入した。

コリスにBoTトークを渡した日。
喜んでくれた。嬉しくて嬉しくて、マンションの1階まで降りて、下からメッセージを送ってきた。使いはじめて初日の帰り道は、10メートル進むたびにメッセージが届いた。「いま、◯◯マンションのまえでーす」「いま、◯◯のまえでーす」「いま、マンションの玄関につきましたー」
恐れていたことが現実となった。
やりたくなるよな。
最初は「気をつけて帰っておいでー」と返していたが、返事をする間もなくコリスからのメッセージが入ってきて追いつかなかった。

2日目、初日の興奮はおさまり、「いまから帰りまーす」とだけメッセージが入ってきて、ホッとした。

3日目の朝、今朝のできごと。
向き合ってごはんを食べていたら、コリスがぼそっと言った。
「◯◯ちゃんに、これ買ってもらったんだーってBoTトークを見せたら、真似しないで!って言われたんだ……」と、しょんぼり。

あらら……。しょんぼりの気持ちがわかる。
真似したといえば真似したけど、機種は違うし必要だと思ったから買ったんだけどねえとブツクサと口にした。◯◯ちゃんを悪者にはしたくないけど、コリスはショックだったんだろうな、なんと声をかけようかな。

「コリスが◯◯ちゃんだったら、なんて言った?」と、コリスに聞いてみた。

「やったー!おそろいだー!!」って言う。

コリスは◯◯ちゃんにそう言って欲しかったんだ。コリスの気持ちがわかって安心した。「そうだよねー!そう言ってくれたらよかったのにねぇ」

「じゃ、言ってくるね!」と、さっきまでのしょんぼり顔のコリスは、キリッとした表情で、颯爽と玄関を出ていった。

モヤっとしていた気持ちを言葉にしたらスッキリしたのかな。
よかった、よかった。

今日もいい1日になりますように。

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