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茹で上がるパスタを眺めながら思う、日本人のスピード感

最近は節約志向が高まってきたので、スーパーのプライベートブランドの安いパスタをよく食べています。飲む酒はトリスハイボール、これまためちゃくちゃ安い。

仕事に奪われる時間が長いので、本来はちゃちゃっと食事を済ませて本を読んだり勉強したり、筋トレしたりジョギングしたり、自分の時間を確保したいものなのですが、何せ僕は胃を全摘出している少食な身体になってしまったので、一日の最後くらいは時間を掛けて飲食をしたくなります。

寸胴にたっぷり水を入れて火をかけ、それが沸き上がるのをトリスを飲みながら眺め、パスタを投入して茹で上げます。ナポリタンでもカルボナーラでも、フライパンで炒めながら適当な味付けをして完成です。

これを再びトリスを飲みながらのんびりと食べていきます。僕は食道も半分ほど切除しているので、食事が喉につかえてしまうことから、意識的に時間をかけて食事をしなければなりません。

そういう事情もあり、時間を掛けて麺を茹で上げ、フォークで麺をくるくると巻き、ゆっくり嚙むことで味が引き立ってくるパスタは、僕の身体に非常に適しているとわかりました。ひと口とひと口の合間には、トリスをチビチビ飲んで手持ち無沙汰を解消します。

思えば、パスタの発祥であるヨーロッパの食文化は、ゆっくりと時間を掛けているようなイメージがあります。フランス料理は長時間の煮込み料理が多いし、イタリアではワインを飲みながらパスタを食べ、スペインに至っては食後にシエスタまでしています。

それに比べると日本人はちゃきちゃきの江戸っ子やせっかちな関西人など、すぐに料理が出てくるし、食べ終えるまでも異様に早い気がします。

人生は長いのだから、日本人ももう少しのんびり時間を使えばいいのに。

最近はパスタを食べながら、そんなことばかり考えています。

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