【636球目】全日本ロードレース2023全日程終了
先日、10/14・10/15に三重県の鈴鹿サーキットにおいて全日本ロードレースの最終戦が開催されました。これをもって2023年の全日程は終了となります。今日はそのお話です。
JSB1000
今回のJSB1000クラスは決勝レースが2回行われる2レース制でした。
土曜日と日曜日に1回ずつ決勝レースが行われました。土曜日のJSB1000レース1は今までの約7年間のレース観戦において1、2を争うくらいの興奮と感動がありました。
ここ最近のJSB1000クラスはYAMAHAの独壇場と言っても良いと思います。
前回の岡山国際サーキットで12回目の年間チャンピオンを決めた中須賀選手が中心となり、そこに若い岡本選手が続いていく。2021年から26連勝という圧倒的な成果を成し遂げた中須賀選手の連勝記録を止めたのがこの岡本選手です。
JSB1000で唯一のファクトリーチームであるYAMAHAが圧倒的に強く、そこにHONDA、SUZUKIが向かっていくという構図がそこにはあります。今回のJSB1000、レース1もまさにその構図通りの展開でした。
JSB1000レース1
HONDAのマシンも含めて抜きつ抜かれつの展開。
最終ラップの途中で、1番手-岡本選手、2番手-中須賀選手という痺れる展開になって来ます。改めてYouTubeの動画を見返してみましたが、本当にギリギリの戦いをしているのがよく分かります。
そして、最終ラップの最終のパッシングポイントである日立アステモコーナーの手前でまさかの2台が接触。
6:07:35ごろに接触していますが、その1~2分前から見てもらえると、凄まじいレースを展開していることを見ることが出来ます。
最終ラップまで1・2位を走っていたYAMAHAの2台が接触し転倒。
これを見た瞬間に様々な想いが溢れて来ました。
その時感じたこと
中須賀選手は名実ともに全日本ロードレースにおいてはトップライダーです。26連勝ということは2年以上負けていなかった訳ですからそれは間違いありません。その記録を今年止めたのが若い岡本選手。
ギリギリの競り合いの中でトップを走っていた岡本選手。客観的に見るならばその時点で岡本選手の勝利です。同じ力ならば、未来の可能性がより大きい方が勝つという認識は様々なスポーツにおいても有り得ることです。
でも、中須賀選手は勝負に行った。ライダーの本能なのでしょうね。年間チャンピオンは決まっているにも関わらず勝負に行った。あそこで勝負に行くからこそ、26連勝という偉業を成し遂げることが出来るのでしょう。そう理解をしています。
岡本選手が鈴鹿で初優勝。中須賀選手は2位でYAMAHAのワンツーフィニッシュ。これがベストシナリオだったはずです。
しかしながら、年間チャンピオン決定後もそこまで勝利に拘って全力での勝負を行っていく。YAMAHAはJSB1000で唯一のファクトリーチームです。
HONDAやSUZUKIは準ファクトリーと言って良い様なチームが参戦しています。KAWASAKIはそもそも私達だけです。
結果は2台接触しての転倒となりましたが、そこまでの熱量をJSB1000に注ぎ込んでいるYAMAHAというメーカーに敬意を表しますし、YAMAHAファンになってしまう様なそんな展開でありました。
チームとして合理的に考えるならば、絶対に1位岡本選手、2位中須賀選手のワンツーフィニッシュです。それがチームとしてはベストだったはずです。
しかし、走っているライダーは人間です。そして、時速300キロを超える様な速度で走る人達ですから、そこには闘争本能の様なものがあるのでしょう。
中須賀選手=YAMAHAの様な存在です。
中須賀選手の最後の闘争本能がYAMAHAというメーカーの闘争本能に見えてしまいました。だからこそ、全日本ロードレースにファクトリー参戦しているのだと私は勝手に解釈をしました。今の全日本ロードレースにファクトリーで参戦するのは費用対効果や経済合理性という観点から見ると正しくないのかもしれません。だからこそ、そこにファクトリー参戦しているYAMAHAというメーカーは日本で世界で魅力を発信し続けるのでしょうし、ファンも多いのでしょう。
最後に
このJSB1000レース1のみならず、他のカテゴリーにおいても熱いレースが続きました。全てのカテゴリーで見所がありました。
ですが、観客数は非常に寂しいものがありました。実数は分かりませんが、とても少ない観客数のはずです。YouTubeのコメントで最早閑古鳥さえ鳴いていない、そんな表現がありましたが、その通りだと思います。
この全日本ロードレースをいかにマーケティングしてプロモーション
していくのか。課題は継続して残っていきます。私たちは微力ではありますが、できる範囲のことをやり続けていきたいと考えています。
今年は、今までで最も社員が全日本ロードレースを見に来てくれました。
社員にとってプラスになる場所としても、もっともっと有効活用をしていきます。この1年間、KRP三陽工業&RS-ITOHを応援して頂いた全ての皆様に感謝です。ありがとうございます。
そして、また来年、どうなっていくのか現時点では未定ですが、またサーキットでさよりんの姿を見ることが出来ることを祈っています。
ありがとうございました。
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