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【430球目】三陽工業・創世期③

1980年、三陽工業は設立されました。設立当初は川崎重工との直接の口座はありません。下請けの下請けの仕事ばかりです。そんな中、ある川崎重工のOBの方が三陽工業に入社して来ます。


川重OBのYさん

このYさんには私も大変お世話になりました。

お年玉を貰ったりお手紙を頂いたり。私はまだ子供だった時代なので、そんな感じですが、このYさんは直接川崎重工との口座を取って来てくれました。元々、口座はあると思っていたそうです。それが実際に入社して見ると、なかった。じゃあ、作ってくるわ!と言い残して、川重明石工場へと向かっていき、数時間後、取ってきたよ!と帰って来たそうです。時代もありますが、凄いですよね。

そんな形で晴れて、三陽工業は川崎重工との口座開設、直接の取引がスタートすることになります。


ロジスティクスセンターの開設

現在の三陽工業においては魚住ロジスティクスセンター、西神戸ロジスティクスセンター、大久保ロジスティクスセンター、そして西河原工場に魚住工場と、GT製造部・物流ユニットの規模感は初めての人が驚くほどの規模になっています。

そんな物流ユニットも初めは、マンションの1階のスペースとハイエース1台から始まりました。今も続いている、補給部品(アフターパーツ)の個装、梱包の仕事からのスタートです。前段でお話をした川重OBのYさんが取って来てくれました。当時、既存の会社が小さい仕事や手間がかかる仕事はやりたがらなかったそうです。そんな中で、Yさんを通じて三陽工業に依頼するという流れが出来、小さい規模ではありますが、個装・梱包の仕事がスタートしました。その後、明石市の鳥羽へパーツセンターという名称で移転し、この頃には一部現在の物流に繋がる仕事もスタートしています。

小さなマンションの1階→明石市鳥羽→現在の森友工場→現在の魚住ロジスティクスセンター→現在の西神戸ロジスティクスセンターという流れで移転しており、この移転のタイミングで空になった魚住ロジスティクスセンターには新しい仕事が入り現在に繋がっていますし、その過程で大久保ロジスティクスセンター、魚住工場、西河原工場も新設されています。1989年8月にスタートしてますから、現在で33年になります。人が嫌がることをやりに行った結果が今の物流ユニットに繋がっています。

大きくシンカをして来ました。これからもシンカを続けてくれるはずです。


研磨工場の開設

梱包工場が出来て2年後の1991年11月に研磨工場が設立されます。

研磨は社内外注の様な形で川重明石工場内で行っていました。その社内が一杯になって来て、外で工場を構えないかという依頼を頂きました。研磨の職人は社内に数多くいるものの、生産計画や設備保全等の仕事については素人からのスタートです。当初は見積もり1つ作るのも苦労したという話を聞きました。それでも何とかやり遂げた。その時の苦労は聞いた話だけになりますが、まさにこの時代からやったことがないことをやってみようの精神が三陽工業にはあった訳です。

6年目から生産推進グループがスタートし、三陽工業は6年目のベンチャー企業の側面があるというお話をしていますが、今から数十年前、本当に三陽工業が設立されて間もない時から、そのベンチャー気質を持っていました。それが今にも受け継がれています。もちろん、シンカしながら。現在は森友工場と玉津第2工場の2ヶ所及び、高砂事業所と淡路島事業所という構内事業所も含めると研磨部門としては4ヶ所で仕事をしています。研磨工場も梱包と同様に小さくスタートです。そして、このスタートした頃から在籍している社員が現在工場長をやっています。ありがたいことです。

スタート時点では色々な苦労がありました。ただ、それを川崎重工と一緒になって取り組んでいきました。その結果が今の三陽工業GT製造部・製造ユニットの研磨部門です。オートバイ部品のみならず、タービンブレードの研磨、食品向け、医療品向け、美容品向けの産業用機械の研磨、タンク、プレート、鉄板、やかん。様々なものを磨く研磨部門へと成長していっています。研磨をやる会社は数が少ないです。数が少ない中で職人が高齢化しており廃業も多くなっています。

抱えている研磨会社が廃業して困っている。数ヶ月に1度はそんなお話を聞いています。機械加工の精度が上がっていっても、最後は人の手による研磨が必要な製品はまだまだ世の中に溢れています。そんな研磨を始めた三陽工業が今では、レーザー加工やパイプ加工、塗装にまで幅を広げて事業を行っています。これからもっともっとその幅は広がっていくでしょう。どこまで広がっていっても、三陽工業のGT製造部・製造ユニットはこのオートバイ部品の研磨から始まったということは不変です。ここをベースにこれからも飛躍していきます。Kawasakiのバイクに感謝です。そして、もっと恩返ししていきます。

創世期のお話は今日で最終になります。明日からは安定期へと入っていきます。

本日もありがとうございました。

明日もよろしくお願いします。






最後まで読んでいただき、ありがとうございました!