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絆きらめく恋いろは-椿恋歌- 感想

こんにちは。

最近仕事で物事の「所見」を書くことが増えてきたのですが、この感想を書いていることが地味に役立っている気がしてまして。

分かりやすい文章を書くとか、知らない言葉はちゃんと調べるとか、文章のボリュームを増やしたい(減らしたい)ときにどうしようとか。

つまり私が今難なく仕事をこなせているのは美少女ゲーのおかげとも言えるわけで、本当に偉大ですね、美少女ゲーというのは。

さてそんな感じで、今回はちょっと数年ほどもやもやしていたのを吐き出す回になるのですが、こちらの作品について喋り倒したいと思います。

CRYSTALiAの「絆きらめく恋いろは-椿恋歌-」です。

そう、皆様お待ちかねの椿お姉ちゃんです、椿お姉ちゃん
私がありとあらゆる二次元キャラの中で断トツで好きな椿お姉ちゃんです。

正直このヒロインの魅力を語りたいがためにNoteを始めたと言っても過言ではありません。

先ほどもやもやと書いたのは、やはり世間的には有名なキャラというわけでもなく、ましてや移植版があるタイプの作品になるわけですから、なかなかその魅力について語れる場がなかったんですね、これまで。

それがようやくこうして書けるタイミングができたと。

あらかじめ書いておくと、今回の感想は7割くらいこの朱雀院椿というキャラをただ愛でるだけの内容です。

この作品自体はCRYSTALiAのいわゆる「KATANAシリーズ」と呼ばれる作品群の一つで、発売順で辿ると以下の通りシリーズ内2番目の作品になります。

・絆きらめく恋いろは(2017年11月発売、以下めくいろ
・絆きらめく恋いろは-椿恋歌-(2019年1月発売、以下椿恋歌
・白刃きらめく恋しらべ(2019年11月発売、以下めくらべ
・紅月ゆれる恋あかり(2020年12月発売、以下ゆれあか
・刹那にかける恋はなび(2024年2月発売予定、以下かけはな

もう少し記載しておくとそれぞれの作品の世界観は同じであるものの時間軸が異なっており、その世界で幅を利かせている「朱雀院家」というお家があるのですが、そこの4姉妹がそれぞれの作品でフォーカスされている感じです(正確には「めくらべ」だけちょっと違います、この後やる予定で未プレイなのですが)。

そして本作品のヒロインである朱雀院椿さんはその朱雀院家の末っ子になります。

基本的に各タイトルは独立しており、どこから始めても楽しめると公式も言っているのですが、この椿恋歌だけは「めくいろ」の朱雀院椿√の続きという位置づけで前作品の「めくいろ」と多少リンクしています。

なので実質的に本作品は椿の壮大なFD(ファンディスク)というわけですね。

ちなみにこの記事を更新した日時点で、かけはな予約開始記念と称しKATANAシリーズの各作品が尋常じゃないレベルの割引率でセールしています。

CRYSTALiAの回し者とかでは全くないですが(笑)、KATANAシリーズをやってみようかなという人は今がチャンスです。

・・・と言いつつも、CRYSTALiA作品自体は割とセールの対象になったりするので、今回でなくとも金銭面的な観点ではプレイしやすい作品かなと思います。

実はこの椿恋歌は一つ前に感想を書いたRIDDLE JOKERよりも前にプレイを終えていたのですが、あれも書きたいこれも書きたいと手を動かしてたら後回しになってました。

その結果話があちらこちらに行き、文字数が過去一多くなってしまったので少し長めの感想になるのですが、少々お付き合いいただければ。

※今回は本作品だけでなく、ベースとなっている「めくいろ」のネタバレも含むため未プレイで読んでくださる方はご注意を。「ゆれあか」の話もネタバレしない程度に含みます。

とりあえず椿お姉ちゃんについて語りたい

本当はこの見出しを記事タイトルにしようと思ってたんですけど自重しました。
ちなみに100%自分語りのため読み飛ばし可。

椿恋歌、もとい椿お姉ちゃんについて語る前段階の話になりますが、「めくいろ」が実は私の中ではめちゃくちゃ印象深い、そして結構思い入れのある作品でして。

いわゆるこの手の美少女ゲーにハマった一番のきっかけが数年前にプレイした「めくいろ」なんですね。

元々アニメや漫画などの原作があるADVゲー、例えば「五等分の花嫁」や「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」などの作品はADV形式のゲームも発売をしていてこの手の作品はよくPSでプレイしていました。

ところがある日ふと思ったわけですね。
アニメや漫画のゲーム化じゃない純粋な美少女ゲーってどんな感じなんやと。

そこでいろいろと調べてまずはこれを買うかとなったのが「めくいろ」・・・ではなく、「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」(以下、YU-NO)のPSリメイク版でした。

そのついでにセールで安くなっていて絵がきれいそうなのでという理由だけで買ったのが「めくいろ」のPS移植版。

なので、私の美少女ゲーデビューの本命はYU-NOだったんですねこのとき。

結論から言うとYU-NOもめちゃくちゃ面白かったんですけど、私がイメージしていた美少女ゲーとは少し印象が違って、プレイしたことがある方はわかると思うのですがあれは本当にADVゲーなんですよね。

ADV要素が8割で美少女ゲー要素2割くらいでしょうか。

まあここでYU-NOについても喋ると趣旨とズレるのでこれくらいにしておきますが(でもめちゃくちゃ面白いのでADV要素を重視する方はプレイ推奨)、じゃあ続けて買っためくいろもやってみますかというところで私の趣味や好きなヒロインのタイプに多大な影響を与えることになったわけです。

めくいろには攻略できるヒロインが4人いるのですが(概要は後述)、私が先ほどから椿お姉ちゃんと呼んでいる朱雀院椿さんはそのヒロインの1人になります。

最初の印象は「やたら姉面してくるやんこのヒロイン」という程度だったんですが、プレイをしていくにつれ度肝を抜かれました。

今風の言葉で言うと完全に沼りました

この当時は特に年上キャラが好きとか銀髪キャラが好きとか全くなく、どちらかといえば黒髪でなんとなくツンデレっぽいキャラが好きだったような気がするのですが(これはちょっと記憶が怪しい)、これ以降完全に「年上幼馴染」「銀髪」「姉面」辺りが私に刺さる属性となり。

つまり椿お姉ちゃんを知ったことで好きなキャラの傾向を完全に書き換えられたわけですね

抱えている属性としては銀髪で、サイドテールで、年上幼馴染で、やたらと姉面をしてきて、でも内面はかなり女性的にドロドロしていて。

加えて重要なのは当の本人は4姉妹の末っ子なのに姉面をしたい、という点ですね。かわいすぎか。

そして私の中で最も外せないポイントとしてはCV:卯衣さんの演技。

椿といえばもはやあの声しかあり得ないレベルで合っていると思ってるのですが、フォーカスしたいのは私が姉面と言っているあのお姉さんぶる喋り方。

いや天才かと、マジで。

「年上幼馴染のお姉さんの喋り方」じゃないんですよね。
あれは完全に「姉面をしたくてお姉さんぶってる年上幼馴染の喋り方」なんですよ。

参考に、他作品を引き合いに出すのはあまり良くないかもしれませんが、いずれも私の好きなキャラなので・・・

過去エントリーで断トツ2番目に好きと書いた千恋*万花の芦花姉

芦花姉も年上幼馴染で主人公に対しお姉さん感を出してくる感じのキャラですが、芦花姉のそれはどちらかといえば「本当のお姉さん」に近い関係性が垣間見える喋り方のイメージ。

あとはこちらも過去エントリーで書いたRIDDLE JOKERの茉優先輩

茉優先輩も年上幼馴染で作品中でも自分のことを「お姉さん」と呼ぶお姉さん感を出してくる感じのキャラですが、茉優先輩のそれはどちらかといえば昔からの親しい「年上幼馴染」を強調する感じの喋り方のイメージ。

このようにいろいろな年上幼馴染キャラがいると思うのですが、椿お姉ちゃんは完全に「姉面をやたらしたがる年上幼馴染」なわけで、その群雄割拠ともいえる「年上幼馴染」という属性の中で差別化を図るポイントとなっている「姉面」という点をCV:卯衣さんの演技で完璧に表現をされていると思った次第なのです。

単なる年上幼馴染でもなく本当のお姉さんでもない「お姉さんぶる」、もとい「末っ子なのにお姉さんぶりたい」その喋り方に当時の私は完全にやられました。

椿お姉ちゃんを好きになったきっかけの大部分はここにあったのかもしれません。

ここまでは椿お姉ちゃんというキャラ設定についての話になってしまったので、後述もする予定ですがその椿お姉ちゃんが肝心のストーリー上ではどうなのか、という点についても簡単に触れておきたく。

さて、主人公に対してお姉さんぶりたいそんな椿お姉ちゃんですが、ストーリー上は結構重いものを背負っていたりします。

まあこれについてはよくある伝統的な実家の事情とか「自分一人で何とかしなければならない」というプライドが強い感じのものになるんですけど。

なのでストーリー中、主人公と椿が結ばれるまではあんまり頼り頼られというのがないんですよね。

ただ、椿が主人公に対しお姉さんぶりたいというのは紛れもない事実で、そのため弱いところを見せたくなかったわけです。

そうやって抱え込む性格に加えて年相応の劣等感や嫉妬、独占欲といったドロッとした感情も垣間見えたりして、そのメンタルの不安定さといいますか、触ると崩れそうな雰囲気がまた良いんですよ。

庇護欲とでも言うのでしょうか、どこか危なっかしいところが隠しきれていな感じも兼ね備えているお姉ちゃんキャラ、ベリーグッドだと思います。

一方でこれはこの作品に限らない話なのですが、ここでいくら私が説明を尽くしても、また切り抜きやキャプチャなどで椿のビジュアルが刺さっても、やはりストーリーで動く椿を見なければその魅力は半分も伝わらないのがもどかしいところ。

気になった方はとりあえずめくいろをプレイだ!

「絆きらめく恋いろは」のおさらい

椿恋歌のベースとなっている第一作目です。

少しだけ設定のお話をすると、

このシリーズは「近未来カタナ学園活劇ADV」というジャンルだと公式が言っている通り、「カタナ」が一つのテーマになっています。

この世界ではそのカタナを使った「刃道」と呼ばれる、言わば剣道を全て近未来化したようなスポーツが流行っており、基本的には登場人物全員が何かしらの貌でこれに関わっていることで、その刃道を通じてヒロインとイチャイチャしていくようなストーリーになっています。

その武器となっているカタナのことを「オリガミ」と言うのですが、これまたそのオリガミごとに特徴があって・・・と結構作品内の独自設定が多めなのがこのKATANAシリーズの特徴。

要はそれぞれ固有のオリガミを持ち、「天呪」と呼ばれるBLEACHでいう霊圧のようなもの(この例えしか思いつかなかった)の大小も併せて個人の能力などが大まかに決まるという感じです。

さて、主人公が通う叢雲学園は刃道に関するあれこれを教える学園で、刃道の選手=剣士として高みを目指す「武芸科」、オリガミの仕組みや作成、メンテナンスなどの技術=刀鍛冶としての技術を学ぶ「技巧科」、刃道というスポーツとしての運営や、オリガミ作成に係る素材調達などのノウハウを学ぶ「主計科」の3つのクラスに分かれています。

主人公は技巧科に属しており刀鍛冶の立場から各ヒロインと携わっていくことになるのですが、ある日主人公は自家の守り神を自称する「かみさま」を発現させてしまい・・・という流れでストーリーは進行していきます。

というわけでまとめると「刀と恋の真剣勝負、どちらもゆずれません!」というキャッチコピーに至ります。

つらつら書いたのですが、公式の言葉で見たい方は以下の公式サイトでぜひ。

絆きらめく恋いろは | CRYSTALiA (amusecraft.com)

さて、めくいろは攻略可能なヒロインが4人いるのですが少しだけ所感を。

上和泉 桜夜

武芸科の2年生で主人公と同級生。
他キャラが終わるまで√ロックがされているタイプのメインヒロイン。

なのでめくいろという作品はこの桜夜√がグランドエンドということになります。

先ほどめくいろは刃道を通じてうんたらかんたらと書いたのですが、実はヒロインの個別√ごとに扱う題材が微妙に異なっていて、椿√とフリージア√はまさに「スポーツ!熱い!演武祭で優勝目指す!」という展開なのですが(椿はまあお家騒動というドロドロもあり)、桜夜√としおん√については刃道の話に加えて「妖刀」、つまりオリガミに宿っている化妖(けよう)にまつわる怪異譚的な色合いが強めです。

まあ主人公が急に守り神を発現したことからも、そのような霊的な要素も当然ありますと。

そんな割と重いストーリーの桜夜√ですが、桜夜自身は本当に正統派ヒロインだなあと思います、やたら好戦的なところを除いては。

Z戦士かよというくらい戦いを挑んだりしてるのが印象的でした。

そういうこともあり当時めくいろをプレイ中、椿やしおんはSS作品があるのにメインヒロインの桜夜のSSがないのはストーリー中で死ぬからじゃないかとビクビクしていて、実際怪異寄りの話になってきたときはあー終わったと思ったのですが、最後はハッピーエンドで満足でした。

ちなみに私は桜夜の霊式具装が好きです。
でも椿お姉ちゃんの霊式具装はもっと好きです。

朱雀院 椿

武芸科の3年生で主人公より1つ年上の先輩。

椿お姉ちゃんの魅力についてはここでも書くと本当にスペースが足りなくなるので一旦置いておくとして、設定的な側面で書くと「ややこしい家の娘」という感じでしょうか。

この世界ではオリガミだったりそれを用いた刃道が流行っているという設定でしたが、そのパイオニアが朱雀院家という話になっています。

要はこの世界でめちゃくちゃ影響力を持っている超絶伝統的な家系の娘さんが椿ということです。

当然その家から刃道周りで求められる期待も大きく、椿は4姉妹の末っ子、そして姉たちは優秀ときているわけですから、主人公には年上幼馴染としてお姉ちゃんぶりつつも家の話になるとプレッシャーや劣等感で悩みまくるんですね。

その辺りのメンタル的な不安定さ、俗っぽく言うなら椿の抱えている闇の部分といいますか、その辺りも見え隠れすることでより「椿お姉ちゃん!」となること間違いなし。

先述の通り、椿恋歌はこの椿√の壮大なアフターストーリー、というか普通に本編顔負けの続編という位置づけなので、各タイトルが独立しているとはいえ椿恋歌をプレイするならやっぱりこのめくいろから

ちなみに、これも先述の通り私はこのめくいろが実質初めての美少女ゲーとなったのですが、「一番好きなキャラを一番先にプレイするのは悪手じゃろ」ということをこれで学びました、ありがとう椿お姉ちゃん。

藍原 しおん

武芸科の1年生で、主人公の後輩。

見てください、このルックス。

これでいて精神感応係数(天呪の出力値のようなもの)がクソデカいパワー系戦闘スタイルなのがいいですよねえ。

あと髪飾りが可愛い。

少し話は逸れるのですが、私は和テイストのものが好きでヒロインたちが着けている髪飾りを結構見ていたのですが、めくいろに限らずKATANAシリーズのヒロインたちはそのヒロインごとにしっかりデザインが違う髪飾りを着けてるんですよね。

キャラごとに合った可愛いデザインばかりでめちゃくちゃ拘りを感じました。

個別√の内容としては先述の通りどちらかといえば化妖をぶっ倒すのがメインの怪異譚寄り。

個人的に一番成長幅が大きいのがしおんだと思ってまして、オドオドしていたヒロインが一介の剣士として強い意志でバトる、というのが好みの人は刺さりまくると思います。

そして何より小さくて大きい。いや、小さいのに大きい

フリージア・ゴッドスピード

技巧科の1年生で、主人公の後輩。

ヒロインで唯一の技巧科、つまり主人公と同じ立ち位置のヒロインとなります。

他ヒロインの個別√では主人公は刀鍛冶としてのサポーターで、そのヒロインが刃道の大会で優勝を目指すためのあれこれ、もしくは怪異に打ち勝つためのあれこれをしていたわけですが、フリージア√ではその「サポーター」としての勝負をしています。

最初は海外キャラかーと思っていたのですが、めちゃくちゃ可愛いなと途中から手のひらを返しました。

海外キャラで小柄なタイプなのが本当によく分かっていると。

やっぱり海外キャラの特徴なのか、好意を素直に正面からぶつけまくるのはこの手の美少女ゲーでは圧倒的なアドバンテージ(プレイヤー目線)ですね。

ちなみに椿のお姉ちゃんである三女の朱雀院都子はこのフリージアのメイドさんとして登場するのですが、椿恋歌での都子に比べるとそれほど椿に対する愛情を感じなかったり。

この第一作目であるめくいろの段階でどこまで設定が作られていたのか気になるところです。

「絆きらめく恋いろは-椿恋歌-」の感想

随分と前置きが長くなってしまったのですが実は本記事のメインはここからだったりします。

まずはこちらの椿お姉ちゃんをどうぞ。

いやーーーーー可愛いですね。可愛い。本当に可愛い。
可愛いという表現でしかこの可愛さを表せないのがもどかしいくらい可愛い・・・可愛いですよね?

物語の感想というかほぼこの作品での椿お姉ちゃんの感想になってしまうのでやっぱり記事タイトル詐欺かもしれません。

とはいえ簡単にシナリオの概要を書いておきますと、繰り返しになりますが、この椿恋歌はめくいろの椿√の続きという位置づけで、椿と付き合い、演武祭で優勝し、朱雀院のお家との関係が悪い、という状態で物語がスタートします。

つまり、ヒロイン攻略もクソもないのです。
椿お姉ちゃん一択です。FDと呼ばれる所以です。

そういう背景からシナリオ的には椿お姉ちゃんとイチャイチャするのがメインなのかな?と思っていたのですが、なんと内容は割とガッツリ怪異譚。

めくいろでの椿√は刃道にフォーカスされた内容で、桜夜√やしおん√のような化妖要素は薄目だったのですがだからこそでしょうか。

さて、今回の怪異譚は、

朱雀院家が所有する妖刀「クレナイスザク」の基となった化妖で、大昔に半ば強引に妖刀にさせられたにもかかわらず、人外の強さを出しすぎたことから忌み嫌われ、結果その妖刀は封印されたという設定で、まあ勝手に作られ勝手に封印されたことでその化妖が朱雀院家を恨みまくって復讐をするというストーリーです。

これはさすがに「椿恋歌」というタイトルからは想像できないですねえ。

ただこの設定自体はめくいろをプレイしていれば割とスッと入ってくるもので、刃道選手ではなく朱雀院家の剣士としての成長が見られるタイプのストーリーかなと推測が立ち、そしてまさに期待通りの内容でした。

そしてめくいろにはなかった設定(?)として、その化妖がカグヤという女の子の姿をしているのが肝。

さらにそして、そのカグヤとのシーンをスペシャル枠でしっかりと用意しているのがさすがCRYSTALiAと言わざるを得ません。

シナリオ自体は上述の通りカグヤによる朱雀院家への復讐、そして刃道でタッグ大会が開かれるということで椿がライバルの葵と手を組み優勝目指して頑張るぞ、という2つの話が並行して進められます。

アンパンマンとばいきんまんのような関係(だと私は思ってる)

特に奇をてらった内容ではなく、ハッピーエンドを目指して進んでいくシナリオになっているのでシナリオの細かい部分は割愛しますが、全体を通じてのテーマは先ほど触れた通り「朱雀院椿の剣士としての成長」かと思っています。

椿はすでに刀仕襧宜(演武祭で優勝した学園最強の剣士に贈られる称号)なのですが、じゃあ何が成長する余地があるかというとやはりメンタル的なところなんですね、椿恋歌の内容を見ても。

そしてそのメンタル的な強さという部分が、単なる刃道の強さだけではなく剣士としての強さに繋がってくるものだと。

メンタルよわよわお姉ちゃんなのはめくいろから見ても明らかだったわけですが、主人公と付き合ってからは更に嫉妬深さ、独占欲の強さなども登場し基本的にメンタルが不安定。

ただそこは心の奥底のドロッとした感情なわけで、あくまでも表には出さない、だからこそ自分自身で抱え込みがちという性格をされているわけです。

主人公が葵にオリガミを作ることに対する椿お姉ちゃん

上記は主人公との恋仲に係る要因ですが、メンタルの不安定さに対してもう一つ存在する要因としてはやはり朱雀院家、つまり椿の実家の部分でのこと。

「私が私であるために」と椿も言っているとおり、どこまでいっても朱雀院家という名に縛られていたわけですね。

シナリオ中ではカグヤにまさにそこをメンタル的に突かれていたので、実際復讐とまではいかずとも暗い感情は持っていたのでしょう。

ちなみに私はこの椿がメンタル攻撃をされるカグヤとの最後の戦いのシーンがめちゃくちゃ好きなんですけど、椿が一番知られたくなかった「女としてのドロッとした感情」の部分を主人公にバラされるというところで、ここの椿さんの慟哭、そしてそれと対比するかのような主人公のあっさりさが良かったですねえ。

お兄サン=主人公

私も椿お姉ちゃんに嫉妬されてえなあという幾分か邪な思いで読み進めていたのですが、そんな思いがよぎる時点で椿お姉ちゃんは振り向いてくれません。

まあこれは冗談ですが、実際主人公はこれまで椿のためにオリガミを打ち直したり、恋人関係として支え合ったりと、刀鍛冶・恋人としていろいろとサポートをしてきたわけですが、このカグヤに心の内を明かされるシーンを以てようやく真に椿と対等な恋人関係になったのかなと思いました。

やはり朱雀院家という枷があることで、自分の素直な思い、特に椿が抱えていた少しドロッとした感情は恋人といえど吐き出すことが難しかったんだと思うんですよ。

朱雀院家は完璧な立ち居振る舞いを求められるから。
周囲が考えている朱雀院家のイメージ通りに行動する必要があるから。

ゆれあかでも朱雀院家長女の紅葉が同じようなことを言ってますし、紅葉も素直に思いを吐き出すことの難しさについては朱雀院家として育ってきたことに相応の原因があると言及しており、やはりそれが朱雀院家なんですよね。

そんな背景からも吐き出せなかったと思うんですけど、主人公が本当に気が抜けるほどあっさりとそれを受け入れた。

現実ではそれがパワーとなってうんたらかんたらということはないですけど、この作品では十分すぎるくらい覚醒するきっかけでしょう。

つまり、あの戦闘シーンで椿のそれを主人公にバラしたところがカグヤにとって大悪手、というよりここが敗着だったと思っています。

雄弁は銀、沈黙は金とは上手く言ったものですねえ。

そんなこんなでタッグ大会でも優勝して、カグヤもやっつけてめでたしめでたしというのが大筋です。

シナリオ上、椿以外の点で面白いなあと思ったのは都子と桜夜の関係性でしょうか。

めくいろの桜夜√をプレイしてからだと結構怖いなと思いながら見ていたのですが、というかはっきり書くとめくいろではガチで桜夜をぶっ殺そうとしていたわけですが、この椿恋歌では師弟のような関係でそういう未来もあったんだなあと。

桜夜呼びが感慨深い・・・

めくいろのグランドエンディングは桜夜√だと思うのですが、KATANAシリーズ全体を通してのメイン√はこうやって都子と桜夜がいい感じにやっているほうが幸せだなと思いました。

あとはなんやかんや都子が椿を気にして動いている点でしょうか。

戦闘狂、自由人といろいろ作品中でも言われてますが、全ては椿のため、剣士としての椿を強くするために動いてると勘ぐっても割と辻褄が合うような気もするんですね。

なんなら椿と理由を付けて接触するためにフリージアのメイドを続けてる側面もありそうだなと(もちろんフリージアへの恩義が大半でしょうけど)。

作品中でも主人公と以下のやり取りをしていますが、正直朱雀院家から解き放たれた都子目線だと、朱雀院家である椿が誰と付き合おうと家柄的な観点ではどうでもいいはずなんですよ。

この直後にこのやり取りは冗談だと流してますが、暗に冗談ではない雰囲気も匂わせてますし、「朱雀院家として妹がちゃんとした人と付き合ってるのか」ではなく、「大好きな妹がちゃんとした人と付き合ってるのか」という本当にシンプルな心情で椿のことを考えていたのかなと、というより考えていてくれ(願望)。

そう思うと都子を見る目が少し変わるような気がしました。

さて話は戻りまして、今回何より私が気になったのはめくいろでは見られなかった衣装の椿お姉ちゃんを拝めたことに他なりません。

お出かけ用の私服、主人公と海デートをする水着、そして部屋着などなど。

時系列的には途中息抜きという体で海デートに行ってたので、とりあえずその椿お姉ちゃん置いておきます。

椿は制服や霊式具装、私服では割と淡い色のイメージがあったので急に黒色の水着で現れた彼女を見て私は二度見しました。

いえ、正確には目が離せなかったので連続的に見続けてしまったというのが正しいでしょう。

うーーーーーーーーん、良い。

ここまでくるともはや余計な形容は不要
それくらい良い。

椿お姉ちゃんはこの類のゲームのヒロインとしては控えめなスタイルだと思うのですが、そこが全く気にならない、というよりむしろこれで豊満だと逆に魅力が損なわれるのではというレベルでキャラに合ったちょうど良いスタイルをされていると思います。

ちなみに実は太ももが結構良いのではと見ています、椿お姉ちゃん。

もう1点、カグヤをやっつけて主要なシナリオが終わったと油断していた私が真夜中に思わず声を発してしまった部屋着椿お姉ちゃんも置いておきます。

見てください、部屋着だけでなく髪を下ろしてるんですよ。
やばくないですか?

これは最強お姉ちゃんでしょう。
末っ子最強お姉ちゃんです。

サイドテールの髪型も大好きなのですが、この下ろした髪型も大好きです。

ちなみにこのそれぞれの衣装でのシーンがあったりします。
本当にCRYSTALiAは外さんなあ。

この2つのシーンもいいですが、個人的にはTSUBAKI-EXもおすすめです。

そう、書いてても忘れがちになるのですがちゃんとシーンがあるタイプの作品なんですこれ。

ただそれをメインに据えている紳士諸君だとこのKATANAシリーズが少々物足りない説は否定できないかも。

かなりストーリー性を重視している作風だと私は思います。

少し話が逸れましたが、これで本編は終了かと思いきやアフターストーリーとして椿と主人公の結婚式(Bridal)がしっかりと描かれてるのが手厚いところ。

度々記載している通り、私は結婚エンドが一番好きなのでそれだけでも非常に眼福だったのですが、こと椿恋歌については結婚エンドまで描いてくれた意味は非常に大きいなと思っています。

めくいろや椿恋歌を通して椿は朱雀院家という枷に悩まされ、だからこそ「自分の翼で飛ぶ」といったような表現もシナリオ中でも多く出てきましたが、まさにこの終わり方こそが本当の意味での「朱雀院家からの巣立ち」になるわけですよね。

それは椿がこのシナリオを通じ剣士としての腕を上げたり、メンタルが強くなったりだけで根本解決する問題ではなく、朱雀院家に属する限りは相応に影響力のある家系の娘という評判は付いて回るわけで、だからこそ「朱雀院家から出る」というところまでしっかりと描写があったのはこの物語のオチとして完璧だと思った次第です。

ところで、肝心の結婚式は朱雀院家からは三女の都子しか来てませんでしたね。

これを書いている今現在ゆれあかをプレイ中で、そしてもうじきかけはなが発売されるというところからも、この結婚式に長女の紅葉や次女の撫子が来なかった理由がちょっと気になります。

特にゆれあかでは紅葉は椿を可愛がってそうな印象だったので、まあめんどくさがりの性格ゆえか、もしくはあちらはあちらでハッピーエンドしていて式に行けない、とかですかね。

ゆれあかでは紅葉と都子のやり取りが見れたので、この椿恋歌の時間軸でも見てみたかったなあと。

逆に撫子は刃道の日本トップとしてここで名前が挙がったのが意外でした。かけはなのティザーサイトが最近公開されましたが、このときから刃道バカの設定はあったんでしょうか。

そんな状況の中、やっぱり都子だけはしっかりと妹の結婚式に来ているのが個人的にはめちゃくちゃいいよなあと。

ゆれあかの話ばかり出してあれなのですが都子も「自分の妹は椿だけ」と紅葉に話してましたし、椿も小さい頃は都子にベッタリで、先ほども少し言及しましたが、なんやかんや言うてもそこの姉妹関係は固いものだったんだと嬉しくなりました。

全体を通して

先にも書いたとおり、ただ椿お姉ちゃんとイチャイチャするだけの話かと思いきやストーリーもしっかりとしていてめちゃくちゃ良かったです。

もう4年も前の作品なので、椿お姉ちゃん好きを自称するならもう少し早めにやっておけばよかったです。

ストーリーとしては予想通り「椿の剣士としての成長」が大きなテーマでしたが、それはもう満足いくイチャイチャも見ることができこれで文句を言おうものならバチが当たるでしょう。

なお、椿お姉ちゃんとはこれでお別れかと思いきや、この作品の後の少し時系列として「絆きらめく恋いろはSS」なる「椿とワンルーム」という作品があったりします。

やっぱり椿は人気なんでしょうか、実際こんなんいくらあっても困らないですからね、ええ。

まあ商魂逞しいとも言えますが(褒めてます)。

実際CRYSTALiAが好きな理由の一つはまさにこういうFDをふんだんに出してくれる点だったりします。
音源系(ドラマCDとか)はまだ手を出してないので未知ですが。

椿とワンルームも知らん間に購入済みだったため合間を見てやりたいなと思います。

時系列の話というと、この作品の世界での時間軸はめくいろが結構後のほうなので(めくらべのほうが更に後らしいですが)、椿が卒業した後の時間軸とかで朱雀院4姉妹が絡んでるのを見れる作品もいつかやってみたいですね。

ちなみに、これを記載している時点でゆれあかをプレイ中なのですが、他のCRYSTALiA作品で積んでるのは「めくらべ」「椿とワンルーム」、ゆれあかSSの「紅葉とワンルーム」「旭とワンルーム」が残ってます。

まあワンルーム系は短いと思うのですぐ終わりそうですが、2024年2月発売のかけはなが来るまでには全部終わらせておこうと思ってます。

とりあえず、数年前にめくいろをプレイして椿お姉ちゃんにハマって以降、ようやくその魅力を吐き出すことができてスッキリしました。

SSのワンルームも残っていて、まだ書き切れていないこともあると思うので椿についてはたぶんまた書きます、たぶんです。

ではまた機会があれば。



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