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付き纏う

 
春先から送り主の記されていない手紙が、時々届く。数枚の写真。近所のスーパーや、家の中でのわたしが写っている。全く身構えのない、他人の目から見た自身の姿形に、思わず見入る。知らない人に見える。
雨が降る。
彼女はしばらく眺めた写真を机の上に放り出し、ベランダに出してあった観葉植物を室内に入れる。日々、写真を撮っては名を秘して送り続ける彼女の弟は、コンビニに入った束の間に傘が盗まれていて、雨に煙る街路を小走りで過ぎ行く。姉に似た薄い眉を顰めて。

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