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【経理】経理職は、経理以外の業務経験を積めるのか?

中小企業で勤めていると、経理業務をする一方で、経理以外の業務に関わることも少なくありません。自身の立場や人員の状況によっては、望んでいなくても関わっていかなければならない場面も出てきます。

ここでは、私自身が関わった業務を書いてみることで、経理以外の業務にどうやって関わっていく可能性があるのかをご紹介いたします。

1)経営企画業務

 経営企画業務は、財務諸表を読むことができ、かつ、分析できている。そして、管理会計の理解があると携わっていくことができると思います。また、ビジネスモデルの理解も必要です。
 個別の業務以外にも、社長のサポートや部署間の調整役なども行う立ち位置なので、コミュニケーション力も求められました。

当時持っていた経験・スキル
  ①予算を意識した仕訳入力
  ②実績集計と予算管理表への反映
  ③予算と実績の差異確認、分析
  ④自部署の予算策定、全社予算の集約作業

具体的に関わった業務
  ①会議運営(予算会議、経営会議、取締役会など)
  ②会社全体の年間予算立案の取りまとめ役
  ③毎月の予算管理と次月以降の計画修正や実現可能性の検討
  ④中期経営計画の立案に参加

業務に必要な視点
 経理業務が実績の集計・分析を行うのに対して、経営企画業務は未来の話をする部門だと思います。会社のビジネスモデル(どうやって収益を獲得するのか)を理解したうえで、どうやって拡大していくのかを、関係者に語ることができるなら、経営企画業務が合っているのかもしれません。
 また、社長のフォローをすることも多いため、社長が何を考えているか、をイメージして動くことも大切だと思います。

2)財務業務

 金融機関から求められる書類を提出することができる。会社の業績を理解している。会社の計画を理解している。と携わっていくことができると思います。

当時持っていた経験・スキル
  ①銀行担当者との事務周りのやり取り
   (書類提出や面談スケジュール調整)
  ②提出する資料の用意
   (公的な証明書の取得や、会計データの加工、決算書のPDF送付)

具体的に関わった業務
  ①年間の資金繰り計画の策定
  ②資金調達が必要な金額の算出
  ③金融機関との折衝(融資相談~金消契約締結まで)

業務に必要な視点
 資金調達は、もともと社長が各銀行と話を進めていることが多いと思いますので、経験・スキルもさることながら、社長との意思疎通が重要だと感じます。

 また、金融機関の担当者とのコミュニケーションも重要です。
 良好な関係を持ちつつも、状況に応じて一定の距離を取れるような柔軟さも必要な気がします。人としての付き合いと、会社としての付き合いを明確に切り分けられないと、結果として、会社にとって不要な取引を継続しかねないなと感じます。そして、金融機関の担当者側の都合(融資先の会社よりも自分の金融機関、自分の成績)に打算的なところも頭の片隅に入れておくと、言動に注意ができると思います。

3)総務、法務業務

 私が勤めていた会社は総務と法務が一緒だったのでまとめてご紹介します。

 経理は、契約書に目を通すことも多いので、契約書の内容(重要なポイント)を理解していたり、契約内容がイメージできると法務にも関わることがでてきます。
 また、会社全体の動きが見て業務フローを構築することもあるため、総務にも関わることができます。

当時持っていた経験・スキル
  ①契約書のチェック(主に、債権債務の発生条件の確認)
  ②契約書の種類の理解
  ③システム導入時のフロー整理

具体的に関わった業務
  ①契約書管理(契約内容の確認、契約書の保管)
  ②稟議、押印管理(申請内容の確認から押印手続き)
  ③システム対応(稟議システム、経費精算システム)

業務に必要な視点
総務
 ①どうすれば業務を楽にすることができるか、働きやすい職場か、という視点。
  「なんか働きにくいなぁ」というモヤっとしたものを具体的に、明確にして、解消することで、働きやすくなる=生産性が上がる、につなげることが必要と感じます。
 ②整理整頓、閲覧しやすい環境作り。
  設立時の書類から始まり、各種議事録や契約書の管理など、会社の歴史を集約する部署でもあると思うので、いつでも遡れる状態にしておくことが必要と感じます。

法務
 契約書(根拠)に基づいた権利義務の確認。「責任の所在」を明確にできるかどうかが重要と感じます。会社として、不利にならないような契約書を作成すること、他社から提示された契約書の文言を確認して不利になるものをピックアップして訂正してもらうこと、など、証拠として残すものに対して、担保する部署だと思います。

最後に

 経理は各部署の業務を理解することで、自分の動きもよくなりますし、各部署の理解が深まるということは、各部の業務に関わることも可能です。そして、中小企業の場合は特に、できる人に業務が回ってくることが度々あります。
 経理業務と並行して、各部署に関わっていくことは業務の幅が一気に広がりますし、自分のキャリアが他の人と差別化できるようになるかなと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
何かの参考になれば幸いです。

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