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起業家として10年経過した今、思う教訓

こんにちは。

私が設立に関わった株式会社トライエッジは、2021年9月1日で11期目に突入しました。これはすなわち、会社を設立して丸10年が経過したことを意味します。

この10年は、平坦なものではなく、今思えば「なんであんな戦略をとっていたいたんだろう」とか「あのとき、ああしておけばよかった」と思うことばかりです。

すごいざっくり振り返るとこんな感じです。

2011年 板橋区に民間学童事業スタート
2012年 ベビーシッター事業・コンサルティング事業スタート
2014年 学童事業譲渡
2015年 シッター事業譲渡
2017年 CRMツール「Zoho」パートナー事業スタート

今はコンサルティング事業とZohoパートナー事業が軸になっています。


経営に正解はなく、過去を振り返っても仕方ないといえばそうなのですが、そうはいっても得た経験から学ぶべきことは多く、それらは次に十分活かせると思っています。

今日は起業家として一応10年を過ごした私が思う経営の教訓を列記していきたいと思います。


教訓1 夢ばかりで事業をしてはならない

これは以前、こちらの記事でも書いたのですが、起業するぜっていうときの変な高揚感に引きずられて事業を立ち上げてはいけないなぁということです。

社会の課題を解決したいとか、困っている人を助けたいとか、なんなら日本の中小企業を元気にしたい的な想いはもちろん大切なのですが、それが簡単にできるなら苦労はしないし、みんなやってると思うのです。みんなが解決できないからこそ、課題として残っているわけです。

それをこれから起業をしますという、なんの力もない組織やチームが「解決してやるぜぇぇぇぇ」とイキっても、それはそんな簡単ではないわけで。

私の場合「女性の働く環境を改善したい」という想いのもと、夜まで小学生を預かる学童保育所を設立しましたが、立地が悪かったのかサービス内容が悪かったのか、思うように子供は集まらず、当初は毎月のように赤字を垂れ流していました。

事業が赤字というのは、見方にもよると思いますが世の中に適切な価値を提供できてないという側面があるわけで、慈善事業ではないのだからそこはちゃんと見極めるべきだったなぁと思います。

ていうか、起業は「とにかくVCからバンバン資金調達して・・」みたいなパターンでもない限り、どうやってキャッシュを得ていくか、事業を存続させていくかが一番重要であり、最初はどうやって稼ぐのかに注力しなければなりません。

社員50人くらいまでは、そこしかテーマが無いと言っても過言ではないかなと思います。

もちろん、会社の理念や夢は大切で、それがなければ一緒に将来を目指せる仲間は集まらないわけですから、しっかりと備えておく必要がありますが、そうはいっても優先順位は稼ぐことです。

なので、理想は理想として、一方で自分たちがどの商品・どのサービスなら世の中に価値を提供できるのかを見極めることが、一番重要かなと思うわけです。


自分たちが何を世の中に提供していくのかという視点を得たのが、この10年での教訓の一つです。


教訓2 仲間選びで妥協してはならない

以前、ビジネススクールにいるときに「起業に大事なのは仲間」という話を聞いたのですが、この10年それをなんども味わいました。

うちの会社、というより私は「何をするかではなく誰と働くか」という軸を大切にしているのですが、この点をブラさなかったのは良かったと思っています。

うちの経営陣は、全員が私のサラリーマン時代の部下たちであり、気心知れている上に、指揮命令系統もはっきりしていて、そのへんでの仲間割れの心配はあまりありませんでした。その上、全員が忖度なく言いたいことをいうので、割とオープンな空気だと思います。これは経営がやりやすいです。

あと、経営陣が全員とんでもなく優秀なので、私がぼんやりしていても助けてくれます。ほんとありがたいです。

経営陣が一人だったら、うちの会社は確実に潰れてました。


私の周りの起業家では友人と会社を立ち上げたり、同僚と事業を興したりしているひとがいますが、体感で申し訳ないですが結構な比率でチームマネジメントに苦労をしている印象を受けています。

むろん、うちの会社も無風だったわけではなく、経営陣の入れ替えは多少ありましたが、全体を通してみた場合トラブルは少なめだったかなと思います。基本は一枚岩です。

起業当初から、特に経営陣の顔ぶれには妥協せずにやってきましたが、それについては、10年を振り返ると助かったなぁと思います。



教訓3 大局的に事実を把握し、方針転換を恐れてはならない

経営者というか、リーダーをやっていると「こうしようぜ」って決めたことを、あとになって「やっぱりこうだな」って思うことがよくあります。

自分で言うのもなんですが、気が変わりやすいです。


一度決断して進んだ結果「これ間違ってたな」って思うことはよくあります。

そういった場合、「すいません、これこれこういう理由で、以前の判断は間違ってました。これを踏まえて次はこういう方針にします。理由はこうです」ときちんと説明をした上で、方針転換をする。

そして方針転換は速やかに、大胆にする、というのが正解だなぁと思っています。

ここで大事に思うのは大局観かなと思っていて、木を見て森を見ずの決断だと組織は右往左往してしまいます。

経営者というのは常に森を見て、そして判断すべき情報を集め、時に大胆に決断する。これが一番の仕事だなぁと、10年を振り返って思います。

思い返してみると、多くの場面で私自身が現場の課題にぶつかっていて、全体的な視野を持てず、判断が遅れたケースが何度もありました。

あのときもっと早く判断しておけば傷口が浅くて済んだのに、と今なら思うのですが、あの当時は最前線で刀を自ら振り回している状態だったので、そういった組織全体を動かすということが不十分だったなぁと思います。

次の10年ではそういった場面を減らしたい。ていうかなくしたい。




まとめ

まだまだ挙げればきりがないですが、10年を迎えたいま、まず思うのはこんなところでしょうか。

自分の未熟さが恥ずかしいなと思うことばかりなのですが、社員をかかえる身となったいま、社員やその家族も一緒に幸せにしてかなければなりません。

会社は経営者の器以上には大きくならないといいますが、この10年それを痛感します。まだまだ自分の器を大きくしないといけないなと。






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