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浦和実業中の入試が「算数」で解けなくて困っています。。

2024年の中学入試に、理解不能な問題が出現しましたので、共有しておきます。ご意見もいただけたら幸いです。



【問題】これが全文です。

(1) 下の図の角DACの大きさを求めなさい。また,辺ACと辺CDの長さの比を最も簡単な整数の比で表しなさい。

浦和実業学園中 2024年

(2) 下の図のような,辺ADと辺BCが平行な台形において,AB=CD=4cm,AC=BD=12cm,角DBC=角ACB=15°のとき,この台形の面積を求めなさい。

浦和実業学園中 2024年

【解答】ひとまず答えを出す。

ズバリ、奇問だと思います。何がしたいのか、問題の意図が全く理解ができません。解いていきましょう。

※まず、30°の角がある三角形の面積は、「30°を挟む2辺の長さの積÷4」で求められることを覚えておいてください。これは、一つ前の大問で示されているのですが、大問同士に関係を持たせる入試自体、大変珍しいです。(★奇問ポイント①

(1)基本問題です。角DACは、15×2=30°です。よって、三角形DACは三角定規の形、つまり正三角形を二等分した形ですので、辺AC:辺CD=2:1です。
奇問ポイント②…AB=8cmの条件を使っていません。。

(2)謎の問題です。多くの受験生は以下のように解くことでしょう。

(1)と合同な図形が入っていることから、長さや角度が判明。150°の角がある三角形の面積は、30°の三角形と同様に求められますので、台形の面積は、三角形4つを足して求まります。
(8×8÷4)+(8×4÷4)+(4×4÷4)+(4×8÷4)=36㎠

正解です。さて、何かがおかしいことにお気づきでしょうか?


【解説】正しい方法で。

そうです。実は(2)の図形は、(1)の図形を入れ込んだものではありません。よく見ると、右側に4cm=4cmの二等辺三角形ができていますので、もう違いますね。そもそも、左右の4cmは一度も使用しません。(★奇問ポイント③
(1)と同じだと思って書いた上の図は誤りを含んでいるのです

正しくは、以下のようになります。

実測したのでわずかにズレているかも知れません。

30°と150°は問題の条件より保たれますが、他はめちゃくちゃです。ところが不思議、上記のように7.3cm、4.7cmだと仮定しても、8cm、4cmのときと同じ計算をすると、なんと答えは同じ36㎠となります
BD上の線分を、□cmと(12−□)cmと分けて式にすると、
(□×□÷4)+{□×(12−□)÷4}+{(12−□)×(12−□)÷4}+{(12−□)×□÷4}
となりますが、展開していくとうまいこと□が消えることにより、36と求まります。


【疑問】この問題は何がさせたいのか?

 ★奇問ポイント④です。変数の2乗を含む計算を利用する中学入試問題は、ほぼありません。とても変わっています。もっとシンプルな解法があるのでしょうか?
 浦和実業学園中は以前にも二次式の計算を求めています。中学受験としては異例ですが、学校としてはここまで求めているということでしょうか。しかしなぜ?

★奇問ポイント⑤です。(1)をわざわざ見せた理由は何なのでしょうか?(1)には不要な数が与えられており、明らかに(2)へ誘導しています。しかしその誘導先は正しくなく、いわゆるミスリードになっています。しかも、そのまま間違えて計算したとしても、正しい答えが出ますので、ひっかけとして機能しているわけでもありません。「違うと気づいてもがむしゃらにでも答えを出してみろ」というメッセージなのでしょうか・・・。謎です。

↓続き。もっと良い解法を教えてもらいました!

2024年4月27日

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