北海道で、冬の話をしよう
子供の山村留学で、十勝の村に短期移住しているわが家。
ついに雪が降り、初めての白い冬がやってきた。
日が暮れるのが早くなり、最近16時にはもう薄闇になるくらい。仕事がバタついて気づけば真っ暗という日々が続いた12月。
そんなあっという間の冬の日常を記録した。
激安いも事情
じゃがいもの産地、十勝。
秋に、しばらく要らないくらいじゃがいもをもらったのでそれを消費していたが、そろそろ買わねばならない。
スーパーにもあちこちにも箱で並ぶじゃがいもだが、最寄りのマックスバリュの野菜売り場が相当安い。一袋ギチギチに入って25円。
え!と目を疑うが何度見ても25円、
そして翌週になっても25円。
常時安すぎやしないか。
どうやら、安さのわけは「規格外」だかららしい。そういえばちょっと小さく不揃いなおいも。
中身は普通においしいのになぁ。
いも売り場を通るたび、なんとなくいもたちのうらめしい目線を感じてしまう今日この頃。
白い石の正体
12月の頭、帯広の近くの「幕別」に行った時の話。
まだ雪が降る前だった。
11月からよく見かける、畑の脇に積み上がった山。収穫された甜菜が積んであるのだと知るまでは、白い石の山だとばかり思っていた。
幕別で畑が続くエリアをゆく際、
あの石山って甜菜なんだよね、いつまで外に置きさらしなんだろうねなどと
話しながらふと外を見ると、
今度は道路脇の畑の中に、ごつごつした白い岩がたくさん落ちている。
あら大変
こんなにも石が
いや、これも甜菜?
ていうか、なんでこんなに散らばってるのかな…
甜菜しては大きいなと思って、目を凝らして見てみたら、
なんとそれが、全部白鳥だった。
羽をたたんで首を折り曲げた白鳥たちが、畑にごろごろと点在している。まるで散らばる石のようにたくさん。
えええ!石のような白鳥!
しかもめちゃ近くに!
いきなりの展開に1人興奮。
へえー、と運転席の夫は割と冷静。
白鳥は群れで行動するのか、
一つの畑に大群がいる。
どういう畑が選ばれているのかわからないが、他の畑には一切いない。
選ばれし畑に幸運が訪れるのかどうかはわからない。が、ふいに大群の白鳥に遭遇した人は、きっと幸せな気分になれる。
コープの常温が冷蔵な件
毎週宅配を持ってきてくれるコープさん。
うちは気になる商品とともに、毎回牛乳を頼むことにしている。家での仕事のお供に、カフェオレのための牛乳は欠かせない。
日中は仕事があるので、玄関前に「置き配」にしてもらっているのだが、ある日の夕方、置き配の荷物を中に入れようとみてみると、いつも冷蔵温度帯の入ってくるはずの発泡スチロールがない。
もしや、牛乳頼み忘れたか。
たまにある、番号の打ち忘れでヘビロテ品を頼めなかった時の悲しさがよぎる。
やってしまったなと軽くショックを受けつつ残りの常温の青いプラ箱に目をやると、
なんとそこにありました。牛乳が、ヨーグルトが、冷蔵商品の面々が。
どいうことかと数分思いを巡らしてみて、
どうやら「冷蔵」という温度帯が今日からいきなりなくなったらしい、ということに思い至った。
なるほど、確かに気づけば外気は冷蔵より十分寒い。わざわざ保冷剤で冷やす必要のない時期がきたというわけだ。
来たな北海道よ!!と、思わず小さく叫ぶ。
しかし、このところ外の物置にしばらく入れておいた野菜は、どれもこれも凍っている。
冷やす必要はないだろうが、凍らせないための発泡スチロールなら、必要なのかも知れない。
ハードな水たまり
冬の水たまりに氷が張るというのは、関西でも体験した。
そーっと足を乗せると、パリンと割れるのか気持ちがいい。
こちらでも水たまりに氷が張る日々が続くのだが、
それがだんだんハードになっていく。
最初は透明な氷、割るとパリン、だった。
どれどれまた氷割りを試してみようと思い立つと、あっという間に寒さは進んでおり、分厚く張った氷は、透明感もなく真っ白。
上に乗ってもパリンとも言わずに体重を受け止める。アスファルトに接する一番下までぎっちり凍り、いきなりスケートリンクのようになってる水たまり。
もう溶けないんじゃないの、そう思っていたら
スケートリンクもどきの水たまりは、今やどさりと降り積もった雪の下に沈んでしまった。
雪の下で、あの分厚い氷はまだ溶けずに眠っているだろう。
もちろんニワトリたちの飲み水も凍る。
一晩おいたら当たり前のこと、朝に汲んで出しておいたバケツのいっぱいの水が、昼には揺るぎない分厚い氷になる。飲むなら朝が勝負!とわかっているのか、鳥たちは天を仰ぎながら、おいしそうに水を飲む。
バナナでクギが打てるという世界。
濡れタオルを振り回すと凍るという世界。
そんな世界ほんとうにあったんだなぁと改めて驚いている今日この頃だ。
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