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1.日本語学習の目標 - (3) 外国語教育は行動中心アプローチへ確実に変化

4月24日取次搬入の新刊、『Can-doで教える 課題遂行型の日本語教育』(来嶋洋美 / 八田直美 / 二瓶知子 共著)から、一部抜粋してご紹介します。
本書の前書き
(1)学習目標と授業内容の不整合
(2)試験合格は本当の学習目標なのか


(3)外国語教育は行動中心アプローチへ確実に変化

 21 世紀に入ってから、「Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment」(欧州評議会2001)、 「JF日本語教育スタンダード」(国際交流基金2010)、「日本語教育の参照枠」(文化庁文化審議会国語分科会2021)といった外国語/日本語教育の新しい枠組みについて耳にするようになりました。これらの枠組みは、外国語の学習と教育に対する考え方とそれを実行するための方法を示すものです。そのなかで、人間同士の関係性構築に使われる言語の重要性、学習者一人一人に目を向け文化的背景を含むすべてを受け入れ尊重する教育の必要性とともに、新しい世界を生きる人々にとってコミュニケーションの道具として言語を使えるスキルを身につけることがますます重要になっていることを再認識することができます。日本語教育の文脈に置き換えると、日本語学習の目標は「自分のしたいことを日本語でもできるようになること」。個々の学習者にとっても、 現代の社会においても、この目標の実現がこれまで以上に求められています。「自分のしたいこと」とは学習者にとって言語を使うべき「課題」 と言い換えることができます。私たちが取り組むべきことは、行動中心であると同時に日本語を使った「課題遂行型」の日本語教育を実践していくことです。

(4) 課題遂行型の日本語教育 へ続く


書誌情報

書名 Can-doで教える 課題遂行型の日本語教育
著者 来嶋洋美  / 八田直美  / 二瓶知子 共著
判型 A5判並製184ページ
ISBN978-4-384-06117-8 C0081
定価2,750円 (本体 2,500円+税)
電子書籍あり

https://www.amazon.co.jp/gp/product/438406117X

目次


著者プロフィール

来嶋洋美(きじま・ひろみ)
日本語教育専門家。『まるごと 日本のことばと文化』(入門(A1)~初中級(A2/B1))を企画・開発・執筆。1991年より2023 年まで国際交流基金日本語国際センターで海外の日本語教育や教師教育、学習者向け教材開発、及び教師向けオンライン教材開発に従事。海外ではシンガポールで中等教育の日本語教育、マレーシアで日本留学予備課程の日本語教育、イギリスでオンライン提供の中等教育向け初級教材リソース群『力CHIKARA』の開発に携わる。

八田直美(はった・なおみ)
専修大学国際コミュニケーション学部特任教授。『まるごと 日本のことばと文化』(入門(A1)~初中級(A2/B1))を企画・開発・執筆。1990 年より2022 年まで国際交流基金日本語国際センターで海外の日本語教育や教師教育、学習者向け教材開発、及び教師向けオンライン教材開発に従事。海外ではマレーシアで日本留学予備課程の日本語教育、タイとインドネシアで高校生向け初級教科書の制作や教師研修に携わる。2022 年より現職。

二瓶知子(にへい・ともこ)
国際交流基金日本語国際センター日本語教育専門員。国際交流基金ジャカルタ日本文化センターにて『まるごと 日本のことばと文化』の試用及びコースの立ち上げ、教師教育に携わる。2009 年より国際交流基金で海外の日本語教育や教師教育、教材開発に従事。国内では大学等で留学生に対する日本語教育及び日本語教師養成課程等に関わっている。著書に『もっと中級日本語で挑戦!スピーチ&ディスカッション』(凡人社)等。

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https://www.sanshusha.co.jp/np/isbn/9784384061178/

https://www.amazon.co.jp/gp/product/438406117X


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