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千年つづくビジネスのために

美意識は、千年の時を超える

なぜ、千年前に作られたものに、私たちは今でも美を感じるのか。

もっと言うと、私たちは何かを「美しい」と感じる時、その対象から実際には何を受け取っているのか。

その謎が、「美意識」という概念とどう繋がっているのか、そしてどのようにビジネスに貢献するのか、解いていきたいと思います。

(ここでは、その「美しいもの」を、自然などではなく人の手によってつくられたもの、とします。) 

アルハンブラ宮殿の壁の装飾は、13世紀から14世紀につくられたもの。時を越えて今もなお、人々に愛されています。

千年前につくられた絵画や彫刻、あるいは工芸品を、あなたは「美しい!」と感じ、とても感動したとします。その色、形、たたずまい…何でもいいのですが、とにかくあなたは、何かに「美」を見出したわけです。

では、どうしてそんな風に人を感動させる「美しい」ものを、千年前の人はつくることができたのか。

それは、どんな時代であっても、人は何かに「美しさ」を見出すことができるからです。

…ちょっとふわっとしてますね。もっと深く、具体的な話をしていきましょう。 

その美しい絵画や彫刻、工芸品をつくった人は、その作品の中に、自分が「何か」に対して感じた「美しい!」という感動を込めています。それができたからこそ、その作品は今に残っているとも言えます。

この花は、なんて美しい色なんだろう!
人体とは、なんて素晴らしい形なんだろう!

そういった、作家自身が感じた「感動」を、彼らはどうにか再現しようと工夫していきます。その過程において、「この色じゃない」「この形じゃない」「もっと素晴らしいはずだ」「もっと、もっと…!」と、際限なく奥深く、美は表現されようとしていきます。

いわばこれは、作家の感動が、その作品に「転写」される作業ともいえます。そして、何度もこの転写作業を続けていくうちに、彼らの技術は鍛錬されていくわけです。
この「転写された感動」が、あなたの見ている作品の「美しさ」です。

作家の感じた感動が大きければ大きいほど、そして転写作業の技術が高ければ高いほど、最初の感動の再現はより精緻になり、あなたにダイレクトに響くようになります。

精緻といっても、それは写実とは違います。絵画を例に取ると、見たものをそのまま、まるで写真のように描いた作品がもっとも感動的とは限りません。リアルさを追求した報道写真よりも、淡い色合いで描かれたモネの睡蓮に、人は高いお金を払いますよね。つまり、その作家がモチーフや風景、人物の中に「見出した美」が、そのまま浮き出てくるかのように再現されている作品こそ、もっとも人を感動させるのです。

飛鳥時代(7世紀)につくられた広隆寺の弥勒菩薩半跏像(広隆寺)
あなたはこの彫刻に、どんな「美」を感じられますか?

この、何かに感動する力=美を見出す力を、「美的感性」といいます。そして、その美を見失うことなく、自分の中に保ち続けていく力が「美意識」です。美意識が強く保たれているからこそ、絵を描いている途中に「こんなんだったっけ?」とあやふやになったり、「これでいいっしょ」と妥協することがないのです。これは絵を描くことにとどまらず、どんな行動にもあてはめられます。美意識が高い人は、自分の中にある「美の基準」からブレず行動選択できるからこそ、美意識の高い人、と言われるのです。

美意識についてもう少し書きますが、そもそも美的感性がなければ、何にも美を感じられないので、「美の基準」も何もなく、美意識は存在すらできません。けれども、美的感性があるからといって、美意識にはなれません。感性は誰の中にも存在していますが、それがあなたの中に定着し、美意識という「強い軸」になるためには、「転写作業=表現能力」が磨かれることが必要なのです(ここでいう表現能力は、もちろん絵を描くことにかぎらず、生きていく上でのあらゆる行動選択のことを指します。)

逆に、この美意識が弱かったり、表現能力が頼りなかったりすると、すぐに忘れ去られる存在しか生み出されません。廃れる作品や商品というのは、つくった人が最初に感じた感動の幅も、再現された感動も、小さいのです。いっときは人の目を引くかもしれませんが、千年という時に耐えるには、つくった人が最初に感じた「感動」がよほど大きく、そしてその感動がかなり精緻に再現されていなければ、不可能といえるでしょう。

モナ・リザは、描かれてからまだ500年ほどしか経っていない。
ダ・ヴィンチの伝える「美」に、私たちは千年後も感動するのだろうか。(ルーブル美術館)

さて、あなたが「美しい」と感じた「千年前の何か」は、つくった人のどんな感動を伝えているのでしょうか?あなたが今感じた「感動」は、千年後にも人を感動させることができるでしょうか。

もし、あなたが今、自分のビジネスや商品、サービスを展開しているのなら、それが千年後も続いているかに思いを馳せてみてください。それがあなたの「感動」を起点としているなら、十分にその可能性はあります。


千年つづくビジネスの鍵は、美意識を強く保ち、表現力を磨きつづけること。その最初の一歩は、感性を自由に保ち、様々なものに強烈な感動を覚えることを、自分に許可していくことなのです。

あなたがそんな勇気を持って一歩踏み出すことを、心から応援しています😊


今日も明日も、あなたの毎日が、美しい気づきに満ちあふれていますように✨


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