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武蔵野美術大学 卒展感想


2024年1月14日(日)、東京・小平市にある武蔵野美術大学・鷹の台キャンパスへ行って参りました。

去年の学祭以来、2度目のムサビ訪問です。


去年の学祭の感想はこちら↓


当日、正門は学祭のような明るい装飾もなく、静謐な雰囲気を感じました。
そう本展は、卒業•修了制作展。卒業生が最後の勇姿を飾る最初で最後の一大イベント。
生徒の方は、身を全て作品に捧げる気持ちで制作してると御思いですので、真剣な眼差しで全部の作品を鑑賞する予定でした。


しかし、展示を全網羅できず...

2号館校舎。なんかいた


ほぼ全ての校舎(小さい建物も含めて20校舎以上)で展示が展開されており、閉館までに全てをまわり切れず、退散しました...

たぶん、展示の3〜4割程しか見れていません。

欲張りな自分としては、脚が死んでもいいので全ての展示をまわりたかったというのが本音です...

もっと前日に予習して、早い時間に出発するとか、日程を2日空けて訪問すれば良かったと猛省。13時スタートは遅すぎたか...ここにきて僕の計画性のなさが浮き彫りになりました。

とても半日ではまわれる展示量では無いなと途中で気付いて、気になった科目の展示している号館だけをまわるという方針に切り替えました。

そんなぼくが鑑賞した中でも特に、いいな。と思った作品を選び取りました。


「遠くの海」光井千桜さん
アクリル絵の具、キャンパス、クレヨン

この方の作品は以前の学祭でもこれと別の絵が展示されていたのをよく覚えています。繊細な色使いと世界観に一瞬で引き込まれます。個展があったらぜひ行きたい。海外でも通用しそう。


「模写ー10の最大物ー」光井千桜さん
毛糸など

毛糸を壁に貼り付けていて、床には毛糸の玉が落ちていて、説明書きが貼られていました。幾何学的模様で、立体的にも感じる作品でした。広い壁一面を毛糸で覆い尽くすという発想に惹かれました。


「入口」勝木直人さん
木、その他

幅3mある表面の綺麗な大木に、子供が二人通れる位のサイズの空洞がぽっかりと。異世界に通じるトンネルを表しているようにも想わせます。他作品との空間も絶妙で、彫刻作品の中では最もインパクトを感じた作品でした。


「和」 SHAO XUさん
雲肌麻紙、岩絵の具、箔、墨、クレヨン

キャンバス同士を繋げて横長にして、金屏風を眺めているようでした。日本画特有の気品さと迫力を感じます。余白を生かす為の手法か、木の幹を描かずに左右対称ぽくしている点にとても感心しました。


お気に入り作品ダイジェスト

「レシートに魅せられて」-田中乃々華さん
レシートをもっと大切にしようと思った。
不明
檻で囲われた人魚が血の海を潜る。悲哀さが凄い...雫の落ちる音がまた不気味だった。(ブレ写真お詫び)
不明
謎の人間の記念写真が床一面に貼られていた。おどろおどろしく、引き込まれる。
不明
ミニマルな日本画は癒しも与えてくれる。
不明
身近に置かれているカラーコーンや掃除道具が看板に設置されていた。おしゃれ。
「ぐぐぐんぞぞぞう」あきたあもうさん
キャッチーなデザインだった!かわいい。
「便器旅行」 佐藤凪咲さん
世界中のトイレを集めた写真。少々汚いけど、不思議にもずっと見てられた。
不明
熊の剥製(本物?)を被った人間が川で遊ぶだけの映像が流れていた。目の前のテーブルにはその剥製が置いてある。興味深い。
不明
ボーッと木を眺めている自分を俯瞰。ふと素通りしてしまいがちな景色が主役として映るのが良い。



展示作品以外での新たな発見

鯉池

美大は周囲の公共物を見るだけでもそこそこ楽しめます。

少し散策すれば、色んな種類の錦鯉も泳いでいました。こんな立派な魚を誰が捕まえて飼育してるのだろう?そういうサークルでもあるのかな。

各校舎でよく目に入ったのは、ギャラリーストーカーへの注意喚起の貼り紙ですね。あちこちに掲示されていてつい気になって見てしまいました。

コロナ禍が終わり人流回復してからは、そういった事件も増加傾向にあるんでしょうか...不審者対策も施していて流石だなと思いました。

B1F地下展示室

あと、12号館内の地下施設に初めて訪れました。地下は唯一この館だけのようです。天井が高くて、展示室は大規模展示やイベントにうってつけの場所でしたね。
その隣には食堂もありました。ラーメンが200円台で売ってて、やっす...学食羨ましいなぁと思いました。

というわけで、残念ながら全てを把握する事は出来ませんでしたが、それでもこれだけ充実度に満ちた紹介ができたので、大変満足です。
作品から溢れ出るエネルギーと、インスピレーションを多く吸収できました。

ムサビだけにとどまらず、次は違う美大の卒展も拝見できたらいいなと考えてます。



以上、ご精読ありがとうございました。

では、また。

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