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三浦半島釣り魚図鑑(42) ギンイソイワシ

今年の夏はいつまでも相当に暑かった。
暑い中でも釣れるものなら頑張るけれど、たいていはそれほど釣れないし、釣りに行く機会も減る。

少し涼しくなってきた夜、さんぽに行くとイワシが回遊してきていた。大きくても10cmほどの小さなイワシの群れがライトの先に見える。

釣りを始めた頃、時々釣れたのがイワシで、一応誰でも名前を聞いたことのあるメジャーな魚なのがうれしかった。
でもだんだん、もう少し大きな魚も釣れるようになってくると、イワシが釣れても釣れた数に入らないようになってきてしまう。
この日も、あやうく逃がしかけたイワシを、そういえばまだスケッチしていないなぁと持ち帰ったのだった。

夏の海でシュノーケルした時に見たイワシの群れは鮮やかな水色に光っていて、それはきれいだった。よく言われることだけれど、上から見たときには、空の色が反射した青い海の色に同化するように、海の上の方を泳ぐ魚の背中は青であることが多い。これがいわゆる「青もの」だ。

一方のお腹側は、海の中からもっと大きな魚が見上げた時に保護色となるような白っぽい、水面の色になっているんだそう。

でも釣り上げたイワシのスケッチをしていた時には、背中は黒く、お腹側が透き通った美しいブルーをしていた。光線の具合なのかもしれないし、生きているときと死んでしまったときの違いなのかもしれないけれど。

そういえば、イワシは魚へんに弱いと書くというのに、このイワシは案外強かった。持ち帰ったあとも、スケッチしようと皿に乗せると飛び跳ねていたほど。

イワシといえばウロコがすぐにとれるイメージもあったけれど、そういうこともなく、しっかりウロコがついている。そういえば、イワシにも種類があるなぁと調べてみると、トウゴロウイワシ、あるいはギンイソイワシというのによく似ていた。その二種の違いは、肛門の位置にあるといい、腹ビレの先端より後ろに肛門があるので、どうやらこれはギンイソイワシのよう。

そしてこのギンイソイワシは、厳密にはイワシの仲間ではなく、ボラに近い仲間だそう。だからウロコもすぐとれなかったみたい。

最近子どもも中学生になって、部活に忙しいのか、釣り熱も冷めてしまったよう。つられて私の魚への興味もいっときに比べておさまったうえに、雑用にあれこれと忙しく、noteを書く時間も減って、気がつけば夏の話がもう冬も明けようとしている。

このままイワシの話を下書きに寝かせておくのもなんなので、脈絡もなく投稿してみる。当たり前にあったあの頃の時間がもうあたりまえではないんだなぁという寂しさを感じつつ。


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