どうなる相模国分寺跡<高層マンション建設レポート> in 海老名

エ? 相模国分寺跡の南側隣接地に14階の高層マンションが建つ?! そんなことがあり得る…

どうなる相模国分寺跡<高層マンション建設レポート> in 海老名

エ? 相模国分寺跡の南側隣接地に14階の高層マンションが建つ?! そんなことがあり得るの?? 降って湧いたような話に地域は騒然となっている。 事業者は明和地所(東京都渋谷区神泉町9-6)。 今後、この問題をレポートしていく。この問題は決してローカルな問題ではない。

最近の記事

#146 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑱ 企業イメージの悪化を恐れた

 3回にわたる住民説明会で様々なことが明らかになった。それは、実は明和地所は相模国分寺のことを詳しくは知らなかったことなど数多くあるが、明和地所自身も3回の説明会を経て、ようやく理解することができたこともあるようだ。  明和地所の担当者が3回の説明会で、ようやく理解したことは以下の数点だ。  ⚫相模国分寺の歴史的史実。  ⚫相模国分寺跡は住民・市民が守ってきた土地であること。  ⚫あの場所に大型建築物をトラブルなく建設することは困難であること。  ⚫建設反対を押し切ってマン

    • #145 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑰ 積水ハウスといえば 平塚海岸の樹林帯伐採問題

       積水ハウスは東京都国立市の富士見通りで建設していたマンションを、完成間近であるにも関わらず解体すると発表した。その理由として「検討に不十分な点があった。当社としてあるべき姿ではないという、経営判断だ」と説明したという。  「当社としてあるべき姿ではない」という判断。この「あるべき姿」とは何なのかは不明だが、事の成り行きから判断するに、市民の目線に近いものを想像することができる。  話は変わるが、現在平塚市は、10億円の巨費を投じて、平塚海岸の樹林帯を伐採してバーベキュー場

      • #144 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑯ 新築マンション解体へ 積水ハウス 朝日新聞より

         ある時期から、当ブログの【#54 国立マンション訴訟① 明和地所は何を学んだのか】へのアクセスが急増した。以前からアクセス数が多い【#54】ではあったが、桁違いの多さに驚いた。何が起こっているのだろうと不思議に思っていたら、6月12日の朝刊でその理由が判明した。  東京都国立市の富士見通りに、積水ハウスが10階建てマンションの建設を23年1月に開始した。住民は富士見通りから富士山が見えなくなるなどの理由で、建設反対の声を上げていた。しかし、積水ハウスは法的に問題はないと建

        • #143 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑮ 続 真理とは?

           当ブログも今回で143本目となったが、いままでの記事で【#54 国立マンション訴訟① 明和地所は何を学んだのか】が最も多く読まれている。国立マンション訴訟の件は、法律を学ぶ者は必ず勉強するものらしい。  ところで、あの判決で利益を得たものは誰だろうか?  私は、大手建設企業と金融機関だと思っている。明和地所は矢面に立たされた形になり、後に引けなくなってしまった。明和地所は訴訟で勝ったものの、大きなダメージを受けたのではないだろうか。私の勝手な想像である。  一方、あの判決

        #146 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑱ 企業イメージの悪化を恐れた

          #142 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑭ 真理とは?

           海老名市の内野市長は、市議会の場で吉田みな子市議会議員から相模国分寺跡隣接地に明和地所が高層マンションを建設する計画がある件で質問された際、以下のように答弁している。 「私も市会議員を16年間やってきて、マンション建設反対運動を何回もやってまいりました。そのなかで、十何件のマンション紛争の関係で建たなかったことは1件もありません。結局建てられました。これは何故かと言うと、私ども、景観条例を作っております。しかしながら地方自治法ってあります。建築基準法って。そのなかで景観条例

          #142 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑭ 真理とは?

          #141 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑬ 「住民エゴ論」では建設反対の声は消えなかった

           相模国分寺跡南側隣接地に明和地所が高層マンションを建設するという計画が発表された。相模国分寺跡がある国分南自治会で建設反対署名をとったら、相当数の反対署名が集まった。もっと行動を大きくしなければ建設されてしまう…と国分南自治会会長は、連合自治会に反対署名に取り組んでくれるよう要請した。自然の流れである。これは海老名市・神奈川県の問題である。相模国分寺跡がある連合自治会では当然、反対署名に取り組んでくれるだろうと私は思った。しかし、連合自治会は反対署名に取り組むことに消極的だ

          #141 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑬ 「住民エゴ論」では建設反対の声は消えなかった

          #140 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑫ 景観への不理解を自ら明白に

           3階建て以下しかない住宅地に高さ43メートルの14階建てマンションを建設するという。住民・市民でなくとも、その突飛で異常な発想に驚く。  景観の視点から違和感があると訴える人々に、何ら違和感はないと明和地所の担当者は説明会の場で明言した。その姿勢に住民・市民は驚いた。  この計画を仕事として推進するためには、指摘された違和感を認めるわけにはいかない。担当者は、そういう辛い立場なのだろうと良心的に解釈はしていたが、違和感はないと主張する姿勢を「企業の姿勢」として捉えるしかない

          #140 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑫ 景観への不理解を自ら明白に

          #139 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑪ 住民は配慮し合っている

           明和地所の住民説明会での説明内容に関して、住民・市民から多くの意見書が提出された。14階・高さ43メートルであることが問題だとした意見に対して明和地所は次のように回答した(太字部分)。  建設地から周囲の状況を見ても、一定程度の中高層建物の存在が確認でき、用途地域も第一種住居地域であり、一定条件の店舗・事務所・ホテル等や、環境影響の小さなごく小規模な工場が建てられる比較的規制が緩やかな地域です。本計画が著しく景観を害するとは考えておりません。  相模国分寺跡がある地域は、

          #139 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑪ 住民は配慮し合っている

          #138 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑩ 景観破壊の始まりを実証

           景観とは何か。  景観を色と形の問題に限定しようとする明和地所に対して、高さも含まれると住民・市民は主張した。一般住宅地に突飛なものを建設すると違和感が生じる。この違和感は主観的なものだから、こうだと定義することは難しい。  住民・市民は高層マンションの14階・43メートルという高さについて、次の3点を問題にした。 ①相模国分寺跡公園の周辺には5階建てが1棟、他は全て3階以下の住宅。そこに14階建ての高層建築物を建設するというのは、あまりにも突飛で違和感がある。 ②歴史的

          #138 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑩ 景観破壊の始まりを実証

          #137 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑨ 大型車両の進入が困難

           明和地所がマンション建設を予定していた場所の前の道路は、進入箇所が2つある。一方は7時から19時まで右左折禁止(実質一方通行)で進入することができない。通学路でもあり、児童・生徒の安全を守るための措置であると考えられる。  もう一方は入口が狭くて、大型車両は前方進行で侵入することが困難だ。過日行われていた水道工事とガス工事の際、大型車両は一旦切り替えをしてバックで進入し、その後バックで工事現場まで進んでいた。狭い道を大型車両が100メートルくらいバックで進む。大型車両の運転

          #137 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑨ 大型車両の進入が困難

          #136 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑧ 地盤沈下問題

           周辺が同じような高層ビルであれば、周辺も基礎もしっかりとしているだろうから地盤沈下は起きまい。しかし、明和地所が高層マンションを建設しようと計画した場所は住宅地なのだ。一般住宅の基礎は一般住宅適応のものだ。それほど深くはない。隣接地に高層マンションを建設すれば、将来、地盤沈下を起こす恐れがある。  明和地所の住民説明会で、地盤沈下に対する質問が出た。担当者は「その際は誠意をもって対応致します」と回答した。  会場内は5秒間くらいの沈黙に包まれた。  説明会参加者の頭のなか

          #136 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑧ 地盤沈下問題

          #135 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑦ 防衛省 うるま訓練場新設断念との比較

           防衛省は沖縄県うるま市石川のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場を新設しようとしていた。このゴルフ場は住宅地や教育施設に隣接しているもので、地元では保革を超えて多くの住民からの反対の声があがっていた。  木原稔防衛相は4月11日、以下の発言をして白紙撤回すると表明した。 ⚫「住民生活と調和しながら、訓練所要を満たすことは不可能と判断した」 ⚫「地元に対する説明は丁寧に行ってきたと思う。土地取得は沖縄だけでなく全国でやっており、プロセスはちゃんと踏まえていた」「結果として地元の

          #135 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑦ 防衛省 うるま訓練場新設断念との比較

          #134 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑥ 50センチ問題

          「ねえ、ねえ、知ってる?」 「なに? なに? なに??」 「今度、相模国分寺跡南側隣接地に14階建てのマンションが建つっていう話」 「それは知ってるよ」 「それがさあ、日影の問題を法的にクリヤーするために、マンションを南側境界線ギリギリに建てるんだって」 「へえ〜」 「境界線から50センチだって」 「へえ〜、怖いね。高さは40メートル以上あるんでしょ。上から物が落ちてきたら危険だね」  当時、こんな会話が住民の間で交わされた。  50センチとはどれほどのものか。1円玉の直径

          #134 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑥ 50センチ問題

          #133 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑤ 日影問題

           高層マンションによる日影の問題。明和地所はこの件について住民説明会の場で時間をかけて説明をした。陰に入ってしまう家屋とその時間帯が分かる視覚的資料を作り、日影の問題を法的にクリヤーしていることを主張した。日影の問題をクリヤーするためにペンシルビルにしたことが理解できた。日陰に入ってしまう十数軒の家屋の住民は、そんなものなのかなぁと受け止めた。  更に明和地所の担当者は、相模国分寺跡の広場に落ちる影についても、住宅と同様であるとの説明をした。影は一箇所に留まるわけではなく刻々

          #133 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ⑤ 日影問題

          #132 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ④ 企業としてのあり方

           海老名駅周辺には30階建ての高層マンションを始め、大型の建築物が林立している。14階建てなんて高層でも何でもないよ…という雰囲気だ。  しかし、相模国分寺跡南側隣接地に14階建てマンションを建設すれば、相当インパクトがある。かなり話題になるだろう。周辺には最高で5階建ての集合住宅が1棟あるだけで、3階建てが少々あり、他は2階建て以下ばかりなのだ。  14階建ての計画に驚いた住民が説明会で質問をした。「14階は高すぎる。せめて7階建てを2本、両端に凹型に建てられないものか?

          #132 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ④ 企業としてのあり方

          #131 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ③ 歴史認識不足

           建設業者に言わせると、相模国分寺跡周辺の土地は喉から手が出るくらい欲しいものらしい。  相模国分寺跡南側隣接地には2棟のアパートが建っていた。それぞれの所有者から土地を買い取った業者が、その土地をまとめて売りに出した。一括にされて広くなったその土地に、大規模建設が可能だと明和地所が飛び付いた。高台で目の前には広々とした空間がある。ここに高層マンションを建設すれば注目を浴びて人気が出るであろうと。  明和地所は広々とした空間が相模国分寺跡であることは知っていた。しかし、相模

          #131 明和地所はなぜ建設を断念したのか? ③ 歴史認識不足