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SNSの誹謗中傷にもクラスター対策が必要だ。


はじめに


SNSでの誹謗中傷に関する議論が高まっている。SNS運営各社がどのような対策を講じるべきか、というのもその議論の論点の一つだ。


そこで、私は、「SNSの誹謗中傷にもクラスター対策が必要だ」という見解を示したい。


ここでは、SNSの誹謗中傷の性質を考え、SNSにおけるクラスター対策とは何かを示し、SNS運営各社への提言としてクラスター対策を推奨したい。


SNSにおける誹謗中傷の性質


端的にいうと、フォロアー数の多いインフルエンサーや芸能人に対して、「死ね」や「消えろ」などの意味のない中傷が増えると、それにつられて、さらに同様の中傷が増えてくる、ということだ。


人間の心理的な欲求として、罰を与えたいとか成功している人を貶めたいということがあるのだろうが、このような無意味な中傷が、「この人には暴言を吐いてもよいのだ」という印象を人々に与えるのだろう。心理学の専門家ではないし、実際にTwitterなどでの検証をしたわけではないが、このように、中傷が中傷を呼ぶという性質がSNSにはあるといっていいだろう。


このような中傷の増加の仕方はコロナウイルスの増加の仕方に似てはいないだろうか。


クラスター対策とは


コロナウイルスにおけるクラスター対策とは、二次感染の増加によるさらなる感染拡大やクラスターからクラスターへの連鎖を食い止めるための対策のことをいう。二次感染の連鎖が続くと爆発的な感染拡大が起こってしまうため、感染源からの感染拡大を抑える対策をする必要があるということだ。

日本の専門家会議は、同じ感染源から5人以上が感染している現象を「クラスター(感染者の集団)」として把握し、クラスターからクラスターへの連鎖を食い止めるというクラスター対策を実施するために、クラスター対策班を発足しました。(出典:日本の新型コロナウイルス対策――クラスター対策と行動変容/服部美咲より:https://synodos.jp/society/23439)


二次感染の連鎖や指数関数的な感染拡大を食い止めるためにクラスター対策が有効だとすると、SNSにおける誹謗中傷の拡大もクラスター対策で防止できるかもしれません。


SNSでのクラスター対策とは?


SNS上のクラスター対策とは、集中した無意味な中傷の連鎖を断ち切ることを意味する。

よって、あるツイートやツイート主へのコメントの中で、「無価値な中傷」(「死ね」「消えろ」「殺す」などのみのコメント)が時間軸で見て急激に増加した場合、一時的にコメントができなくしたり、ツイート主にコメントを見れなくする、あるいは、無価値な中傷を投稿しようとしたコメントに対して自制を促す通知を出す、などが考えられる。

今回のSNSで問題で、議論の中心になっているのは、「無価値な中傷」だと考えている。「無価値な中傷」とは、建設的な批判や改善を促す要請などではなく、ただ単に人を傷つける言葉ということだ。そのような言葉とは、ただ単に「死ね」「消えろ」「殺す」「もうテレビに出ないでくれ」など、ネガティブな意味合いを持ち、かつ論理性がないコメントを指す。論理性がない、というのは、因果関係を含まない文章のことだ。「死ね」という言葉を含んでいるとしても「~~だから死んでほしい」という言葉は論理性を含んでいるので、このような言葉に含まれない。しかし、「~~だから死んでほしい」という言葉には、~~の部分にどのような言葉が入るかを考えれば、中傷というより頭の悪い人の意見、であることが明白になるのではないかと思っている。

そう考えれば、中傷ととれるコメントでも論理性があるコメントは削除をしなくていいかもしれない。


つまり、論理性のない中傷が増殖しているところを指定して、コメントを一時中止にするなどの、「クラスター対策」を講じる必要があると考える。それは、あくまで一時的なものであったり、論理性を含まない中傷を抑制するものであって、言論の自由を制限することはないだろう。


SNS各社への提言


SNSの運営会社は、このようなクラスター対策については、当たり前のように検討しているだろうが、そのような議論を可能なら世間に提示してほしい。

つまり、「論理性がある中傷は、削除しません。なぜなら、論理性が貧弱であれば批判として不当なものだと誰にも明白に認識されるからだ」というような声明を出してほしい。

一方、「死ね」「消えろ」など、ネガティブな意味を含む単体のツイートは表示されないような対策を検討していると声明をだし、それも同様に、「『死ね』のようなネガティブで無価値なコメントは当サービスでは表示しないことを検討しています」などと通知してほしいのだ。


SNSのユーザーはサービス提供各社がどのような機能を追加するかということに対して関心が高い。よって、そのような議論や方針を示すだけでも、大きな話題になり、ユーザーは中傷の是非について深く考えることにもつながるだろう。


そのような通知をするだけでも、かなり秩序の伴ったSNSの言論が広がるのではないかと思う。つまり、このような通知により、中傷は減り、一方、自由な言論は保たれるのではないかと思うのだ。


まとめ


中傷により人々が傷つくことは社会的損失が大きいだけでなく当事者の命をも落としかねない。無価値な中傷を表示できないようにするような中傷のクラスター対策を、SNS各社が講じるか、少なくとも、そのような議論の過程を声明として発表していただきたい。心無い中傷で苦しむ人々が、減るよう願っている。

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