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連載:プロジェクトのリーダー&サブリーダーに聞く 06

~みどり食堂編~

三の丸エリアプラットフォーム(以下、◯◯◯AP)が2023年度に支援・推進してきた、
“誰かに語りたくなる暮らし”の実現を目指す6つのプロジェクト。
この『◯◯◯ Magazine』ではこれまで、
それらを牽引するリーダーとサブリーダーの紹介記事を連載してきたが、
6回目の今回が最終回。
トリを飾るのは、個性豊かな店主のいる銘店が集まる、この界隈だ。

みどり食堂
主な活動場所:上土・緑町界隈
細い路地に地域の銘店が集まり、個性豊かな飲食街を形成している「緑町」。その界隈と、井戸を有する「辰巳の御庭」が主な活動の場。

たそがれどきの辰巳の御庭を舞台に、「みどり食堂」が開店!

<2023年度の主な取組
”街のフードコート”をコンセプトに、周辺のお店の料理を「辰巳の御庭」にデリバリーして気軽に味わえるイベント「みどり食堂」が活動の中心。
・辰巳の御庭へのストリートファニチャー(ウッドデッキ、テーブル、ベンチなど)の設置
・みどり食堂(4月9日、8月5・6日、10月14・15)の開催 など
(詳しくはこちら

明るい時間帯の「みどり食堂」。水辺で涼む人たちの気持ちよさそうな姿も。

Q1)2023年度のふりかえり
旧町名「緑町」の界隈に点在する、小さくもキラリと光る銘店の味を、水の流れる「辰巳の御庭」で味わえるイベント「みどり食堂」。しっかりリピーターもつくほどの人気ぶりですが、コロナ禍をきっかけにスタートしたんでしたよね?

<リーダー:佐々木 文宣さん>

緑町「蕎麦倶楽部 佐々木」店主

 そうです。コロナ禍で町から人影が消えて、飲食店に人が来なくなりましたよね。密を避ける目的もあり、松本市でも歩道にベンチやテーブルを出して営業をする”道路占有”の規制が緩和されたんですよ。それを機に、「屋外で久しぶりの外食体験をしてもらおう、入ったことのない店の味も気楽に知ってもらおうということで、はじめました。
 コロナ対策としてはじめたけど、他の店と協力してできたことが楽しかった。みんなが苦しい時、いっしょに町を盛りあげていこうという感じになれました。だからこの取り組みは続けていこう、ということになったんです。

 会場となるのは「辰巳の御庭」ですが、この場所の雰囲気も絶妙ですね。最後の松本城主だった戸田光則(とだみつひさ)の父親で、第8代当主の光庸(みつつね)が暮らしていた「辰巳御殿」の跡地ということで、城下町松本の歴史も感じられるし、湧水や水の流れもあって心が落ち着きます。菅原さんのお店はちょうどこのお庭に面していて、抜群の立地ですね。

<サブリーダー:菅原 巌礼さん>

緑町で昭和25年創業のうどん店『勝利』の3代目店主

 僕が子どもの頃は、この周辺にももっと飲食店があり、店が忙しいこともあって、近所の食堂で夕食を食べるのは普通のことでした。そういう記憶もあり、辰巳の御庭が”町のフードコート”になれば、いろいろな店の味がちょっとずつ食べられる楽しさがあるな、と。町のモチベーション、もっている財産、過去のいいもの、これらを活かさないと! ということで「みどり食堂」が実現しました。

この旧緑町で、佐々木さんは蕎麦店、菅原さんはうどん店。ともに”麺屋”ということで”めんずクラブ”と称してましたね(笑)。お店を出す前から、料理が好きだったり得意だったんですか?

佐)学生の頃にひとり暮らしをしはじめてから、料理は結構楽しかったですよ。変に凝り性なところがあって、ベトナムの人に専門店につれてもらってからカレー作りに凝ってみたり。
製薬会社に勤務していた頃、最初の勤務地が札幌だったので、魚を買って捌いて赤酢を用意して寿司を握ったり。
でも日常的な食事を作るのはダメで、典型的な男の料理ってやつですね。最近は朝食づくりを続けているけど。

菅)僕は小学校3年くらいの頃から料理をしてましたね。
両親が遅くまで働いていたから、自分でつくるのが当たり前だったし、作るのが嫌な時は近所の食堂で食べたいものを食べてました。
(全国チェーンの居酒屋)『養老の滝』の一号店は緑町にあったんですが、よく食べに行っていたなあ。その頃から自転車でいろいろな銭湯を巡ったりとかもしてたし。

佐)辰巳の御庭がダイニングで、近所の銭湯が風呂……町全体が家みたい(笑)。

菅)小学校の後半くらいからは、近所のスポーツ店でバイトもしてたから職場でもある(笑)。さすがにお金はもらえなかったけど、現物支給で最新のグローブとかもらったりしてました。

佐)野球をやっていたの? 

菅)野球、サッカー、バトミントン……いろいろやりました。どれも部活とかではなく、友達との遊びですけどね。バスケもやったし。

佐)僕も中学の頃から高校まで、熱中してバスケをやってましたね。関東リーグに行くぞということで、周りが身長2mもあるような奴らのなかで。大学になっても続けてましたが、バスケはやりすぎるとダメだね、身体にきます(苦笑)。やっぱり一番いいのは歩くことだね。そして歌うこと。

まつもと市民オペラ合唱団のインスペクターでもある佐々木さんの歌は、小澤征爾さんの指揮で歌ったことがあるほどの腕前ですもんね。月1回の◯◯◯APのリーダー会議とか打ち上げになると、最後に佐々木さんの♪オー・ソレ・ミオ♪が聞けるんじゃないかと期待するようになりました(笑)。みどり食堂でも、今後、音楽などいろいろな要素を組み合わせてみようというアイデアもあるそうなので、楽しみにしています。


社会実験写真/平林岳志 人物写真/文責:◯◯◯ap Magazine編集部

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