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「人生で大切なことは学校では教えてくれない」問題

なんで日本の公教育って、人生に本当に必要なことを教えてくれないのだろうか?

私と同世代以上の女性は、子どもを産んだら仕事を辞める人が多かった。
それが自然な流れで、仕事か、子育てか。2択の端境期。

さらに10歳上の優秀なとある女性は、マネージャーになるなら結婚は諦めろ、と普通に上司に言われていたようで、人権侵害も甚だしい時代。実際に彼女はマネージャーになることと引き換えに結婚することも、もちろん子を産むこともなく退職し、数年前に病を得て亡くなったと聞いた。

時を経て、その会社も今は超ホワイト企業になり、殆どの女性は子供を産んでも短時間勤務を使いながら仕事を続けている。後輩女性の生き方の選択肢が増えたことは個人的にとても嬉しいし、その制度のおかげで優秀な人材の流出も防げているのだから、企業としても喜ばしいのではないか。

問題はこういった女性の働き方改革が、主に民間企業主導であるということだ。それも体力のある大企業の。

とある市役所勤務で、ワーキングマザーのマネージャー職の友人は、相変わらず22:00前に帰れることはない、というし、中小企業もまだそこまで制度が整っていないところも多い。

少子化を止め、働き手を増やしたいと本気で政治家たちが思っているのなら、まず足元から男女ともに短時間勤務を進めるべき。ワンオペ育児が大変なのは周知の事実だ。

教育費の高さに出産を尻込みする若い夫婦もいると聞く。この層に安心して子どもを生んでもらうには、後期高齢者の終末期医療にかけている予算を、子どもの育ちに回さないと実現しないと思うのだけど。

こんなに子育てにお金がかかるって、知らなかった私がバカだったのか?
自分たちが育った時代とあまりにも状況が違いすぎる。

給与の上昇率と高等教育費の上層率。全く角度が違うのに驚いても後の祭りだ。

塾費用などはセーブできたとしても、大学の受験費用や学費などはどうにもセーブできない。

奨学金はもはやサラ金にしか見えないし、それでも学生の半分が将来の投資として奨学金を利用している現実。卒業した途端に債務者なのだ。

まさか、将来自分が無職でシングルマザーになってハローワークに通うことになるなんて、子供2人産んだ時点で思ってもみなかった。

そんなリスクがあるなんて、学校はもちろん、母親ですらも、誰も私に教えてくれなかった。

母は、女性はあくまでも男性を立てる存在として育てられ、それでも幸せそうに生きていた。

彼女自身は地方から4年生の大学に入るために上京していて、子どもにはちゃんと学歴はつけさせたいと頑張っていた。残念ながら、私が大学生の時に、若く美しいまま亡くなってしまったから、人生のその先の話をすることもなかった。

私が自分の意思ではなく、大好きな仕事を辞めた31歳の時、祖母に尋ねてみた。

「頑張って学んで、望んだ大学に入って、好きな仕事に就けたのに辞めることになって、これまでの私の努力はなんだったんだろう?」

「そりゃあ、いい旦那さんと結婚するためだわね。いい会社入らんといい男の人にも出会えないし、話も合わんだろうから。」

全く釈然としなかったけれど、大正生まれの祖母にそんな質問をぶつけたのがそもそも間違っていた、と気づいて会話はおしまいにした。

祖母は26歳の時、戦争で夫を亡くしている。まだ母は一歳の誕生日を迎えた頃だった。その後は両親の助けを得ながらではあるけれど、バリバリ働いて、一人娘である母を育ててきた。

当分日本は平和だろうし、良い夫を見つければ、孫娘は生涯安泰だと思っていたのだろう。

そうは問屋が卸さず、色々と壁にぶち当たってきたから、自分が無知で無防備な状態で生きてきたかをその度に思い知った。

時代がどんどん変わっていくのに、本当に人生に必要な知識がないまま、社会にでる若者たち。

いや、知っている人と知らない者との差があるだけなのかもしれないけど、リテラシーの差がますます経済状況の格差を招いている。

そして、それは学校では教えてくれないから、自分で学ぶしかない。

若い人に伝えたい。

どうやら、ここは格差肯定の国らしいから、自衛するしかないと心に留めてほしい。

専業主婦に憧れている20代、30代女性が全体の半数、との調査結果を見たけど、すっぱりあきらめて欲しい(笑)

子供がほしいなら、なおさら一生、この手で稼ぐ力を身につけて欲しい。

自分自身の経済力は人生の浮き輪のようなものだ。

沈みそうになっても、大抵の場合、命だけは助けてくれるだろう。

寝て食べて、仕事さえあればどうにかなる。

男女関わらず、一人の自立した生活者として経済力も家事力も持つことが基本だということ。

自分と将来の家族を守れるのは、自分の行動だけ。

時には休みが必要な時もあるけれど、たゆみなく少しでも動き続けること、この手で稼ぐことの重要性を忘れないで欲しいと思う。

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